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ヒューイットのベートーヴェン 2

2021年04月25日 23時32分00秒 | ベートーヴェン
三度目の緊急事態宣言ですねえ。大坂の医療崩壊は深刻ですね。大坂では重症病床は、260ほど。それだけしかない。欧米のようにな感染爆発になったらどうしたんでしょうかねえ。この一年間いったい何をしてきたのかと思ってしまいます。ワクチン接種も進まないようですし…。学校は休校にしないそうですが、短期集中の対策にするなら、休校措置も必要だと思います。まあ、とにかく感染しないようにしなければ、であります。

ということで、今回はベートーヴェンのピアノ・ソナタです。アンジェラ・ヒューイットの演奏。ヒューイットの録音も、現在8枚のCDが出ています。残るは29番と32番になりました。この録音、少しイヤなのは、曲の順番がバラバラ。なんらかの意図があるんでしょうが、できれば、番号順に並べて欲しかったのですね。そんな構成のCDが多いのでその方が耳に馴染んでいるんですねえ。それに、バラバラだと、どのCDにどの曲があるのかがわかりにくいのでありました。

それはともかく、今回は、ピアノ・ソナタ第2番イ長調作品2-2。演奏はアンジェラ・ヒューイット。録音は2014年1月23-26日です。この頃は初期のピアノソナタを聴くことが多いのですが、作品2の3曲などはよく聴くのであります。これも3曲続けて聴きたいですねえ。そうなると、ヒューイットのCDは、少々残念。このCDには、第2番、第5番、第24番、そして第31番が収められています。まあ、これはこれで考えるところがあってということでしょうねえ。

この第2番、1795年に作曲されました。4楽章からなり全曲で25分ほど。この曲では、第3楽章がピアノ・ソナタでは初めてスケルツォとなっています。作品2の三曲はどれも聴きやすい曲ですが、2番が最も美しさと優美さで際立っていると言われています。モーツァルトやハイドンの影響下から、独自に世界を形作ったものなんでしょうねえ。

ヒューイットのピアノですが、聴けば聴くほどその美しさに耳が奪われます。やはりFAZIOLIのピアノは美音ですよねえ。澄んだ高音。低音はズシンと響く。明快な弱音、迫力ある強打、まあピアノの性能ばかりではないでしょうが、聴いていて、非常に気持ちがいいです。とはいうものの、伝統的なベートーヴェンの演奏云々とかといえば、少々異論もでるかもしれません。それは、巨匠と言われる人の演奏と聴き比べるなら、感じることでありましょう。それはそれとしても、しっとりと美しいベートーヴェンをたっぷり味わえることは確かでですねえ。

第1楽章、先入観としてあるからかもしれないが、女性としての気配りや優しさを随所に感じますねえ。心穏やかに、明快に音を紡ぎ出す。もっとスケールの大きさや力強さが欲しいところもあるやに思いますが、それが必要なら他の演奏を聴けばいいと思います。瑞々しいピアノが心に染み込んでいく様は何者のも代え難いででありました。第2楽章、緩徐楽章の美しさ、特に初期のソナタはいいですよねえ。このCDに収められている5番の第2楽章もいいですよねえ。この2番も実に美しい。ヒューイット、心穏やかにしっとりとした美しさ随所にあらわれ、ドキッとするのでありました。そして、細部まで行き届いた心配りも素敵です。加えてFAZIOLIの弱音の美しさも光ります。第3楽章スケルツォ。大胆にゆれの大きなピアノでスケルツォに相応しい。玉が美しくこぼれ落ちるようなピアノ。短い中間部も明快。そして第4楽章、流れるような美しい旋律が極上の美音のピアノで唱われます。一音一音が実に美しい。間には、強打での演奏も含みながら、美音に剛毅さも加わり、曲が閉じられます。25分間、充実のピアノでありました。

緊急事態宣言に伴い、プロ野球もジャイアンツ、スワローズ、タイガース、バッファローズは無観客試合だそうです。マリーンズは千葉なのでそうならないようです。幕張って東京に近いのにねえ。
(hyperion CDA68086 2015年 輸入盤)

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