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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

岡山でのブルックナー

2019年10月27日 11時07分43秒 | ブルックナー
10月22日、即位礼正殿の儀がありました。平成のときは、同じようにこんな儀式があったんでしょうが、あまり覚えていません。祝日だったんでしょうか。高御座の中から、御簾が開かれて、天皇がお出ましする。まるで、仏様のご開帳のようでしたね。まあ、いろんな意見があってそれそれで健全なことと思います。安倍夫人の服装についてもね。しかし饗宴の儀は、4回もあるんですね。平成のときは7回とか。それはそれで大変ですねえ。まあ一世一代のことですからねえ。 ということで、即位礼正殿の儀の二日前、岡山で岡山フィルハーモニック管弦楽団の第62回定期演奏会がありました。指揮は、ハンスイェルク・シェレンベルガー。岡山フィルの定演、私はちょくちょくいっておることは、以前にも言及しました。前回は、2017年10月の第54回定演でした。ベートーヴェンの交響曲第2番と第7番。それにブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番でしたね。もう、二年も前になるんですねえ。今回は、お盆にチケットを買いました。左側のバルコニー席。ステージを見下ろすところ。3000円でした。この席、けっこう私は好きです。 今回は、初めてのブルックナー。それも私がおそらく一番好きだろう第4番変ホ長調『ロマンティック』であります。この曲、生で聴いたことはなかったし、これは行かなければいと思い、いそいそと岡山まで行ったのでありました。演目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番とこの『ロマンティック』。ソリストはジャン・チャクルムさんです。                                                            まず、ショパンですが、最初のオケの音色がすこししまりがなく、すこしおやおやと思いました。そして、ピアノが入り、たいそう澄んだ音でショパンが奏でられました。第1楽章の美しい旋律が非常に繊細に歌われて、思わず身を乗り出したのでありました。私この曲の「北の宿」がそっくりの旋律が実に好きでした。第2楽章のショパンらしい夢見るような世界も、オケの低弦がしっかり押さえている上に、美しい弦、そしてピアノが重なり、再現されていました。私的には、もっとピアノに歌って欲しいな、とか、弱音が聞き取りにくな、とも思いましたが、曲がすすむ中で、ショパンの世界にとっぷり浸かっていました。第3楽章、愉悦感に満ちたピアノとゆったりと伴奏していくオケがよかったですね。そして、アンコールではシューマンの「月夜」。シュレンベルガーのオーボエが聴けました。これがまたさすがでありました。 そして、いよいよブルックナー。第1楽章冒頭、弦による原始霧が非常にきれい。その上にホルンが登場。このホルンがよかった。もう百回以上も聴いている曲だが、極めて新鮮に響く。それから最初のトゥッティまで、ショパンの時のオケとは別の音のように聞こえました。そして最初のトゥッティが会場一杯に鳴り響く。もうその見事さに涙が出て来ました。CDで聴いているときはそれほど意識しなかったんですが、この曲、木管が活躍しますね。フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットがこれまた実にいい音を聴かせてくれました。もう、ホルンと木管4人は大拍手でありました。また、ティンパニもよく支えていました。ブルックナーはたいくつで、居眠りして目覚めたときも同じ音楽が流れていた、とよく聞きますが、そんなことまったくなく、どの楽章もあっという間に終わっていきました。シェレンベルガーの締まった厳しい演奏、一音一音を確かめるように、そして生き生きとした活力に満ちた音楽。とてもよかった。第二楽章も心に染み込むような旋律が歌い上げられていた。第3楽章、金管を中心に迫力ある得音が聴け、終結部のトゥッティが地面が響くようでした。また中間部で木管が実に美しい音色を着せてくれました。そして、第4楽章。第3楽章の終結部のトゥッティの高まりから突入。私、この楽章大好き。金管が鳴り響き、それを弦が支え、木管がそこに加わり、一心不乱にブルックナーを再現する。この高揚感が素晴らしかった。ここでも涙が出て来ました。本当によかった。素晴らしいブルックナーでした。ただ、弦が少し薄いなと思いました。人数をもう少し増やして欲しいと思いました。次回以降もブルックナーをぜひやってほしい。どの曲でもいいので、期待しています。 しかし、観客のみなさんは、高齢化が進んでいますね。そして、後部では空席も目立っていました。ブルックナーだからでは決してないでしょうね。たくさんの人に来てもらいたいものであります。                                        
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4 コメント

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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2019-10-29 21:49:38
クレモナ 様、コメントありがとうございます。一地方の演奏会なので地元びいきもあるかもしれませんが、それを差し引いても。私は神戸からでも行く価値のある演奏だったと、毎回おもっています。Youtubeでもアップしている演奏会もありますので、一度ご覧いただければ、幸いです。過日の千葉の豪雨、二度にわたる台風のあとにまた、ということですが、被害はなかったでしょうか。案じておりました・とりあえず、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。またご教示ください。
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コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2019-10-29 21:43:47
ヒロノミン 様、コメント感謝です。お待たせして申し訳ありません(笑)。その割には、大した感想も書けず、お恥ずかしい次第です。5月のブラームスの3番とプラハも行きたかったのですが、大分の方に旅行中でしたので、行けませんでした。神戸からなので、それなりに苦労します。でも神戸からでも十分に行く価値があると思います。大阪での演奏会では、あまり感動しなかったことしか、覚えてないのですが、今回は実のよかったことは述べたとおりです。次回はぜひ5番あたりを期待しています。またご教示ください。
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Unknown (クレモナ)
2019-10-29 19:37:36
ショパンとブルックナーのコンサートですか。なかなか、聞き応えがありますね。自分は、両曲とも、実演で聴いたことはありません。生は、良いんでしょうね?ブルックナーは、管楽器が活躍する曲が多いですから、弦が薄いのは、困りますが、でも、細かなことは、感動の渦の中では、気になりませんね。いつか、私も、聴いてみたいものです。私が、生で聴いて、今まで、一番感動した曲は、ラヴェル/「ボレロ」でした。この曲、LPやCDで聴いても、取り立てて、感動はしないのですが、生では、あのリズムに、心臓の鼓動が奮い立ってくる感じで、実に興奮しました。人間というのは、同じリズムを繰り返されると、興奮してくるものなんですね。ブルックナーも、スケルツォ部分では、同じリズムの繰り返しがあり、相当、興奮すると思います。その後、全休士があって、美しいメロディが出てくる、これは、たまりませんね。
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ここまでやるとは・・・ (ヒロノミン)
2019-10-28 22:46:49
 更新されるのを楽しみにしていました。
 一週間経った今でも、余韻を楽しめるような、本当に素晴らしいブルックナーでした。いや、あの演奏はホンマに泣けます。岡山フィルより上手いオーケストラはたくさんあるでしょうが、これほど集中力と密度の濃い演奏はなかなか聴けないのではないかと思っています。
 ショパンのコンチェルトのメロディ、ずっと「どこかで聴いたことがあるよなあ」と思っていたんです。そうですね、北の宿からですね(笑)
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