ピアノ曲を最近よく聴いてますが、なんといってもピアノ曲で一番よく聴くのは、バッハの平均律グラヴィーア曲集です。1巻と2巻、どちらも大好きです。どんなときにも聴くことができる音楽です。しっかり集中しても、また何かをしながらでも。バッハの音楽は懐が深いですね。そもそも、私の平均律体験は、グールドから始まりました。この躍動感に溢れた演奏、特に雄弁な左手に夢中になりました、その後、知人からリヒテルの演奏がイイと教えてもらい聴きました。グールドとはまったく違い、しっととりとした落ち着いた演奏に「これはバッハとは違う!」とグールドに慣れた私は思いました。でもそれから、聞き続けているうちに、その演奏に引き込まれ、何とも言えない陶酔感を感じるのでした。特に、フーガを聴いていると、うっとりするような、その音楽の中に自分が溶けていってしまうような気持ちにさせられるのでした。特に、第二巻のホ長調のフーガは、はっとするような美しさを感じます。ただ、録音が独特で、もやの中から聞こえてくるような音は少し気になりますが。グルダ盤も評価の高いものですが、僕の持っているCDは、どうも音がキンキンして疲れるんですよ。これらピアノ版に対して、ヴァルヒャのチェンバロによる演奏は、長く聴くのは辛いのですが、辛いながらに聴いていると、他には得難い感動があり、この精神性の高さには頭が下がります。チェンバロでの演奏は、楽器的にピアノほどの表現力がないのか、はたまた聞き慣れないからかして、少々苦手です。コープマン盤もヴァルヒャに比べると現代的なんですが…。去年、バレンボイムのCDが出ましたので、買いましたが、第一巻は期待はずれ、二巻は一巻に比べるとよかったですが、リヒテル盤の感動からはほど遠く、繰り返して聴く気にはなかなかなからないものでした。そんな中で、最近よく聴いているのが、ヴァレリー・アファナシエフの演奏です。最初聴いたときは、なんにも思いませんでした。グルダの音のキンキンが妙に気になるようになって、この演奏を聴いたら、妙に音が自分の中に入ってくるようになったのでした。そして、かなり個性的ですが、聴くたびに新たな発見があることに気づきました。そう思って聴くと、ピアノの音もよく聞こえ、全体的にのめり込んでいくのでした。そんなことを思うと、自分の耳も大したことないなあ、と思ってしまうのでした。加えて、それ以来アファナシエフの演奏はよく聴きます。
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