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ベートーヴェンの初期の弦楽四重奏曲

2009年07月10日 22時12分56秒 | ベートーヴェン
梅雨の末期でしょうが、なかなか梅雨前線活発でありますね。昨今の蒸し暑さはたいしたものであります。梅雨明けまであと少しでしょうが、夏本番までの産みの苦しみか、いろんなところでたいへんな7月前半であります。
今回も弦楽四重奏曲であります。別に弦楽四重奏曲を最近好んで聴いているわけではないのです。実際に、聴く弦楽四重奏の中心は、ハイドン。そしてたまにベートーヴェンなんてところですかねえ。ハイドンは先日、実に久しぶりに元町の中古やさんで、アマデウスSQの7枚組を見つけ、思わす買ってしまいました。トスト四重奏曲とアポ-ニー四重奏曲が収められているのもでした。しかし、このところ仕事が忙しく、なかなか聴けないのが残念であります。また、このCDについても言及したいと思います。
そんなわけで、今回はベートーヴェンの弦楽四重奏曲。初期の作品。ベートーヴェンの16曲ある弦楽四重奏曲は、初期・中期・後期に分けられています。その中で初期の作品18の6曲は、佳曲ぞろい。後期などのものに比べても、ハイドンやモーツァルトの影響をかなり残したものとなっています。弦楽四重奏曲は、6曲セットで出版される場合がハイドン以来多かったのでしょう。その中で、第4番ハ短調は6曲中唯一の短調の曲です。演奏は、アルバン・ベルク四重奏団であります。
アルバン・ベルクのベートーヴェンは、1980年前後のスタジオ録音と、1989年のウィーン・コンツェルトハウスでのライブ録音があります。今回は後者のものです。この演奏は、アルバン・ベルクの曲に対する推進力や表現力が、より一層ライブということもあって、拍車がかかり、前へ前へと曲を進めていく力に、より深い表現力を聴かせてくれ、ある種の爆発力をもったものになっています。ライブ特有のキズもありましょうが、まったく気になりません。まず、第1楽章の冒頭主題から、鋭い表現力をもつ音楽であります。そして、極めて音の層の厚さを感じます。そこには従来の優美さは聴くことができません。曲が進む中でそれぞれの楽器が混じり合うことなく、厳しい音が展開されます。第2楽章、スケルツォと明記されているアンダンテ。開始はフーガ。アルバン・ベルクの音は、実に明快で切れ味抜群。そして美しい。第3楽章メヌエット。やはりベ-トーヴェンもメヌエットはいい。軽快な曲想で、トリオもいい。そんなところをうまく演奏。そして、終楽章ロンド。冒頭テーマは第1楽章の様子が再現される。ここでも切れ味たっぷり。緊張感ある展開には息もつかせない。やはり、アルバン・ベルク、すごいSQであります。他を聴くと、音楽の密度の高さには脱帽せざるをえません。
(EMI 5 62781 2 GREAT ARTISTS OF CENTURY 2004年 輸入盤)

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