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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ベームの来日公演 in 1975

2009年07月17日 22時59分22秒 | シューベルト
やっと仕事が一段落しました。特に、6月は長かったですね。いろんなことをしなければならないようで、ほんとにつらい一ヶ月でした。ゆっくりと音楽を聴くこともままならない日々でございました。やっと一息であります。
それで、今回取り上げるのは、ベームの来日公演のライブです。ベームは最晩年に三度の来日公演を果たし、その演奏は、いまでも語りぐさになっております。その中で、最初の来日であった1975年の演奏会において、当時熱狂的に盛り上がった様は今でも記憶に新しいところです。そうはいっても、もう35年も前のことなんですね。その演奏は、今でもCDなどで聴くことができます。残念ながら、現在それらのCDは廃盤の状態で、入手することは極めて困難です(DVDでは入手できますが、私はDVDというのはそれほど好きではありません)。なんとか再発売をしてほしいものです。そんなわけで、この来日公演でのシューベルトの交響曲第9番ハ長調D.944「ザ・グレート」であります。シューベルト最晩年の名曲。60分近い長大な曲。スケールの大きさにシューベルト独自のロマン性が加わった、数ある交響曲の中でも名作といわれるものです。1975年3月19日、NHKホールでのライブ録音です。
この来日公演は、円熟期のまっただ中にあったベームが、VPOとほんとに熱い名演を聴かせてくれたものです。全体的にゆっくりめのテンポ。スケールは限りなく大きく、曲調とあいまって大きく巨大な構造物とになっています。ベームは、これといって無理に力まず、自然体のまま、それでいて力強い。その力強さはこのライブの熱気をしっかり伝えてくれています。ベームのライブ演奏の凄まじさを十二分に認識させてくれています。「NHKホールが初めて鳴りきった、もの凄いフォルテだった」と言われている演奏であります。当時、岡山の田舎で、NHKFMの生放送でこの演奏を聴いていました。カセットテープに録音したことも憶えています。そのときは、これぞドイツの正統的な演奏とひたすら思ったことでした。VPOも、これまた素晴らしい。この曲には、シューベルトらしい美しいメロディが散りばめられていますが、それを実によく歌ってくれています。この歌も正統な重みを感じさせるものです。みずみずしい弦楽器に、木管のアクセントが加わっています。第3楽章の長大なトリオ。この美しい旋律はこの曲の中でも忘れられないものですね。他にも美しさが散りばめられた曲ですねえ。これをVPOがまたしっかり演奏してくれています。
この公演では、ブラームスの1番やベートーヴェンの7番も忘れられない名演として知られています。この公演のDVD、いつも欲しい欲しいと思っているのですが…。
(DG POCG90342 1999年)

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6 コメント

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ベーム (ヒロノミンV)
2009-07-18 07:48:38
 おはようございます。
 中学生のときに、シューベルトのザ・グレイトを、ベーム&SKDとの組み合わせではじめて聴きました。鷹揚で朗々となる金管と、怒涛のようなトッティ・・・すばらしかったです。
 カラヤンかベームか?といわれていた頃のベームの勢いを知らない自分としては、非常に面白い話を聞かせて頂きました。個人的にはVPOとの組み合わせで言えば、カラヤンよりベームの録音の方が好きです。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2009-07-19 21:10:23
ヒロノミンV 様、コメントありがとうございます。
なんといっても、ベームは好きです。欧米では完全に過去の指揮者となっているやに聴きますが、なんででしょうねえ。今でも、多くの録音は素晴らしいと思っていますが…。1975年前後のベームは、1990年代後半のヴァントの人気の十倍以上の物であったと思います。いい時代でしたよ。ほんと。
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名演奏とは (yositaka)
2009-07-22 09:53:50
こういうものか、と初めて認識させてくれたのが、この75年の来日公演。テレビやFMにかじりついて聴いたのが昨日のようです。のちにDGから発売されたLPのセットは今も宝物です。これほどの名演奏を日本で成し遂げたベームの人気が、今はさほどでなく、残念です。カラヤンと違って、一部評論家からの偏見がばら撒かれているせいのような気がし、忸怩たる思いがあります。
若い聴き手にも、ベームの真価を聴きとってほしいし、聴き取れるだけの録音が残されていると思います。75年の収録はすばらしいものばかりで、ご紹介の「グレート」のほかに「未完成」「ブラームスの第一」「レオノーレ序曲三番」「皇帝円舞曲」の四曲が私にはとりわけ印象的でした。当時は物足りないと思えたベートーヴェン第七も、DVDで再聴して認識が変りました。そう、35年たってもまだベームの演奏には、発見があるのです。こういう名演奏に満ちていた70年代は、すごい時代でしたね。NHKは映像の多くを処分しており、今回発売されたものも、かなりの部分をエアチェック映像に依存しています。音はFM音源に差し替え、それなりに見られる映像ですが、走査線による細部のにごりは残念というしかありません。しかも最終日のモーツァルトとシュトラウスの一夜が、未発売。ここではベームの指揮を同じアングルからとらえるなど、凝った収録がなされていただけに、惜しいと思います。どこかに残ってはいないのでしょうか。

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ありがとうございます (mikotomochi58)
2009-07-22 21:15:43
yositaka 様 コメントありがとうございます。75年の来日ライブのLPを持っておられることは、うらやましい限りです。オークションなどでもたまに見ますが、かなりの高値がいつもついています。まだまだベームの人気、健在とは思います。でも、いろんな演奏がなかなか入手が困難になっていってますね。輸入盤に頼るのみでしょうか。75年の公演、ブラームスの1番もすごい演奏ですね。数年前のNHKの放送を録画したものを持ってますが、他は、発売されたDVDも、まだ買えずにいます。買えるときに買っておかないと、いけませんね。またご教示ください。
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よ~く覚えています (ken)
2010-09-08 02:21:46
75年の来日公演、NHKテレビの生放送で聴きました。演奏が終わっても聴衆がベームをステージに何度も呼び続け、揚句にステージの前に群集となって押し寄せ握手を求め続けた恐らく日本の演奏史上類を見ないカラヤンですら成し得なかった大成功(オケは全員とっくに引き揚げて一人ベームが満面の笑みで日本の若者達に相対していたのです)一連の演奏ではシューベルト未完成、グレイトとブラームスのCDを持っています。しかしその後何十年と聞いていないのにFMで聴いたベートーヴェン4番と何よりベーム風ストラヴィンスキー火の鳥、一大交響詩ともいえるような皇帝円舞曲は今でも覚えています。同行したムーティは全く記憶にありませんが、ムーティの名誉のために言えば、63年のベーム初来日に同行したマゼールやホルライザー同様で主役はベーム博士だったのです。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2010-09-08 19:47:16
ken様 コメントありがとうございます。私はベームの来日公演は、テレビで見た記憶より、FM放送で聴いた記憶の方か強いのです。NHKから発売されたDVDでも手軽に見れるようになったことは、たいへんな朗報でした。あれからもう35年もたつのですねえ。いろんな意味で良い時代でしたねえ。私は、このCDとDVDしか持っていないので、なんとか他の公演のCDも欲しいノですが、なかなか困難であります(笑)。
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