いやはや、マリーンズの新外国人のナバーロが銃刀法違反容疑で逮捕されました。20日にオープン戦が始まって、二試合で二ホーマーと大活躍で、今シーズンの活躍を期待した矢先の出来事であり、大いに驚きました。これで開幕出場は絶望どころか三ヶ月は出れないかも。今江FA後の三塁とクリーンアップも、危うくなってきました。実に残念。この人、心配する向きもあったのですが、早速こんなことになろうとは…。猛省と一日も早い復帰を期待していますが、どうでしょうかねえ。
そんなこんなで、今回は前回に続き、ブルーノ・ワルターの演奏。ブルックナーの交響曲第7番です。ワルターは、最晩年にコロンビア響と1959年11月に9番、60年2月には4番。そして61年3月には7番とブルックナーを録音しています。1962年には8番を録音する予定でしたが、彼の逝去で実現しませんでした。ということで、この三曲がステレオで録音されたワルターの遺産となります。ただし、ライブで1941年の8番(ニューヨークPO)と1953年の9番(VPO)がありますが…。
前回に続いて、またワルターの演奏になるのですが、特にワルターを贔屓にしているというほどでもなく偶然なんですが、ただむしろこの指揮者の演奏は好きです。優しく柔和なイメージがあるんですが、どうしてどうして。特に若い頃は非常に剛毅であり、熱い演奏を聴かせてくれます。それに加えて、聴かせどころのツボは押さえて、それを含めた見事に旋律を歌い上げ、まさにその演奏には「歌」があるのでありました。現在の指揮者には聴くことができないいうならば個性的な演奏を展開しているのです。
朝比奈さんをして「ブルックナーの最も優美な言葉」と言わしめたこの7番ですが、そんな曲ですので、ワルターには最も相性がいいような気がします。事実、この演奏はブルックナー的な堅固な構造美を誇るというよりも、全体的にまろやかで、優しげな表情にあふれています。ここには、心が穏やかで落ち着くような演奏が展開され、ある意味、癒しさえ感じられるのです。テンポもかなり自由に設定し、それがワルターの優美さをうまく表現しています。といっても、大人しい目の演奏では決してなく、全般的にオケは力のこもった演奏に終始しており、それは薄っぺらいともよく言われるコロンビア響であることも忘れてしまうほどなのであります。
第1楽章、穏やかな始まりで、弦により優美な旋律が奏でられ、それに木管がチャーミングに加わり、金管も穏やかな曲線を歌い上げる。そこには緊張漢とか鋭角的な表情は聴かれず、全般的に控えめです。それでも、全般にのオケの気力が充実していることと、ワルターの統率力でしょうか、表現は細やかであり、その音楽は心に染み込んできます。第2楽章も、第1楽章同様に、心の限り旋律を歌い上げ、楽器の音色は実に優しい。いつ果てるともない旋律の流れの中に、身を委ねる心地よさが実にいい。特にいくつかの楽器が連なる山脈のように鮮やかに重なり合って、重厚な演奏も聴かせてくれます。第三楽章スケルツォ。この演奏、後半の二つの楽章がこれまたいいのです。特にこの楽章、軽快なスケルツォがまず耳に響きますが、特によいのが中間部なんです。テンポをゆったりめにとり、優しく歌う上げる。この曲がここまで心に響くのは初めてであります。まさに癒しであり、優しい神を賛美するような音楽であります。いやー実にいいです。そして第4楽章、ここでもテンポはゆったりめで心ゆくまで、ブルックナーの音楽を歌い上げるような展開であり、それがこの楽章の新たなよさをいくつもい発見できるようです。後半の2楽章の充実振りも特筆できるところが、この演奏の素晴らしさでもあります。
オープン戦もあと少しで本格的に始まります。ナバーロは残念ですが、その分ルーキーの平沢くんが出る機会が増すと思います。開幕レギュラー目指して頑張って欲しいですね。
(SONY SRCR8792 BRUNO WALTER GREAT RECORDINGS 1957-1961 1992年)
そんなこんなで、今回は前回に続き、ブルーノ・ワルターの演奏。ブルックナーの交響曲第7番です。ワルターは、最晩年にコロンビア響と1959年11月に9番、60年2月には4番。そして61年3月には7番とブルックナーを録音しています。1962年には8番を録音する予定でしたが、彼の逝去で実現しませんでした。ということで、この三曲がステレオで録音されたワルターの遺産となります。ただし、ライブで1941年の8番(ニューヨークPO)と1953年の9番(VPO)がありますが…。
前回に続いて、またワルターの演奏になるのですが、特にワルターを贔屓にしているというほどでもなく偶然なんですが、ただむしろこの指揮者の演奏は好きです。優しく柔和なイメージがあるんですが、どうしてどうして。特に若い頃は非常に剛毅であり、熱い演奏を聴かせてくれます。それに加えて、聴かせどころのツボは押さえて、それを含めた見事に旋律を歌い上げ、まさにその演奏には「歌」があるのでありました。現在の指揮者には聴くことができないいうならば個性的な演奏を展開しているのです。
朝比奈さんをして「ブルックナーの最も優美な言葉」と言わしめたこの7番ですが、そんな曲ですので、ワルターには最も相性がいいような気がします。事実、この演奏はブルックナー的な堅固な構造美を誇るというよりも、全体的にまろやかで、優しげな表情にあふれています。ここには、心が穏やかで落ち着くような演奏が展開され、ある意味、癒しさえ感じられるのです。テンポもかなり自由に設定し、それがワルターの優美さをうまく表現しています。といっても、大人しい目の演奏では決してなく、全般的にオケは力のこもった演奏に終始しており、それは薄っぺらいともよく言われるコロンビア響であることも忘れてしまうほどなのであります。
第1楽章、穏やかな始まりで、弦により優美な旋律が奏でられ、それに木管がチャーミングに加わり、金管も穏やかな曲線を歌い上げる。そこには緊張漢とか鋭角的な表情は聴かれず、全般的に控えめです。それでも、全般にのオケの気力が充実していることと、ワルターの統率力でしょうか、表現は細やかであり、その音楽は心に染み込んできます。第2楽章も、第1楽章同様に、心の限り旋律を歌い上げ、楽器の音色は実に優しい。いつ果てるともない旋律の流れの中に、身を委ねる心地よさが実にいい。特にいくつかの楽器が連なる山脈のように鮮やかに重なり合って、重厚な演奏も聴かせてくれます。第三楽章スケルツォ。この演奏、後半の二つの楽章がこれまたいいのです。特にこの楽章、軽快なスケルツォがまず耳に響きますが、特によいのが中間部なんです。テンポをゆったりめにとり、優しく歌う上げる。この曲がここまで心に響くのは初めてであります。まさに癒しであり、優しい神を賛美するような音楽であります。いやー実にいいです。そして第4楽章、ここでもテンポはゆったりめで心ゆくまで、ブルックナーの音楽を歌い上げるような展開であり、それがこの楽章の新たなよさをいくつもい発見できるようです。後半の2楽章の充実振りも特筆できるところが、この演奏の素晴らしさでもあります。
オープン戦もあと少しで本格的に始まります。ナバーロは残念ですが、その分ルーキーの平沢くんが出る機会が増すと思います。開幕レギュラー目指して頑張って欲しいですね。
(SONY SRCR8792 BRUNO WALTER GREAT RECORDINGS 1957-1961 1992年)
ワルターのブルックナーは中古のLPを持っていますが、歌謡性に富んだ柔らかい音楽が魅力的ですね。