プロ野球では交流戦が始まりました。マリーンズ、一時期の絶不調を抜け出し、頑張っております。先日、バッファローズとホークス、昔の復刻ユニフォームで対戦していました。ホークスは1973年ごろの南海ホークスのものでした。それの少し前の鶴岡監督のときは強かったですね。ちょうど野球を見だしたころで、至極印象に残っています。その頃のユニフォームは、肩に線に加えて、背番号が上着のチームロゴの左下ではなく、ズボンの左の下腹あたりについていました。このユニフォームのときは強かったですね。ぜひこれで一度やって欲しいと思っております。
ということで、今回はモーツァルトです。歌劇『フィガロの結婚』であります。エーリヒ・クライバー指揮のVPO。1955年の録音です。この演奏は、数ある中でも屈指の名盤と言われるものです。モーツァルト生誕200年を記念して、その年にあたる1955年に、当時の名歌手を集めての録音でありました。フィガロにチェーザレ・シエピ(Bs)アルマヴィーヴァ伯爵はアルフレード・ペル(Br)伯爵夫人はリーザ・デラ・カーザ(S)スザンナはヒルデ・ギューデン(S)ケルビーノにスザンヌ・ダンコ(S)が、主な配役であります。
この録音、もう今から60年も前のものであります。最も古いステレオ録音っていつのものなのかは、存じ上げませんが、最も古い部類に入ることは確かであります。それにしてもこの録音はいいですね。流石のデッカの優秀録音ということでしょうか。お陰で、VPOのまろやかで優美な弦の響きが実にいいです。加えて、このDOCUMENTSのBOXですが、ベームのコシ、クリップスのドン・ジョヴァンニ、フリッチャイの魔笛という1950年代の名盤で揃えて、あわせて10枚組。これで1000円ちょっとということで、大満足のBOXでありました。
まず、クライバーの指揮が実にいいのあります。最初の序曲から、おおこれは気合が入ってるなってところですが、全編通じて、非常に生き生きとて、雄弁であります。ところによっては、歌手以上に旋律を歌い上げるようなところもあったりして…?。そして、VPOの音色がこれまた極上の美であります。優しく歌い上げるときは優美。劇的なときは迫力満天の勢いにあふれる。そして、低音の響きはお腹にズンズンとくるのでありました。中でも、弦の響きは変幻自在で、場面に応じての凄さと優美さ、美しさを示しております。とにかく、お話の進行に応じてのオケの表情は、これまでのこのオペラのどの演奏よりも、充実している印象を受けました。
歌手の方々も、アルマヴィーヴァ伯爵と伯爵夫人、フィガロとスザンナ、この四名はいいですね。これだけの歌手を揃えることができた時代であったのであります。中でも、デラ・カーサの伯爵夫人は、なかなか風格もあり立派であります。二幕最初の「愛の神よ、照覧あれ」や第三幕の終わりの「今はいずこ、あの楽しかりし時は」の二つのアリアはいいですね。これに対して、スザンナのギューデンなんですが、少々声が低いというか、聴きようによっては年増な印象を持ってしまう。スザンナのアリアは二曲しかありませんが、少々残念でした。しかし、他に聴くことができる重唱では、それはあまり感じませんでした。そして、シエピのフィガロとベルの伯爵についても、シエピはさすが美声で、それは実いい。ただ、シエピの方がベルよりも立派な印象をもってしまいます。シエピが伯爵でもよかったのかなとも思ってしまうのでした。まあ、これらは趣味と好みもありますので…。そして、四幕のすべての幕の終わりに向かうときの重唱とオケの分厚さは、このオペラの盛り上がりを痛感するだけではなく、この演奏の総合的な力量と素晴らしさを感じるところでありました。
しかし、『フィガロの結婚』というオペラは、深く知っていけばいくほど、大したオペラでありますよねえ。音楽も実に素晴らしいですが、お話も良くできていますよ。でも、やはり音楽がいいです。このクライバーの演奏は、私が最上と思っているベーム盤に優るとも劣らないものと実感したのでありました。
(Membran Wallet 223486 2006年 輸入盤)
ということで、今回はモーツァルトです。歌劇『フィガロの結婚』であります。エーリヒ・クライバー指揮のVPO。1955年の録音です。この演奏は、数ある中でも屈指の名盤と言われるものです。モーツァルト生誕200年を記念して、その年にあたる1955年に、当時の名歌手を集めての録音でありました。フィガロにチェーザレ・シエピ(Bs)アルマヴィーヴァ伯爵はアルフレード・ペル(Br)伯爵夫人はリーザ・デラ・カーザ(S)スザンナはヒルデ・ギューデン(S)ケルビーノにスザンヌ・ダンコ(S)が、主な配役であります。
この録音、もう今から60年も前のものであります。最も古いステレオ録音っていつのものなのかは、存じ上げませんが、最も古い部類に入ることは確かであります。それにしてもこの録音はいいですね。流石のデッカの優秀録音ということでしょうか。お陰で、VPOのまろやかで優美な弦の響きが実にいいです。加えて、このDOCUMENTSのBOXですが、ベームのコシ、クリップスのドン・ジョヴァンニ、フリッチャイの魔笛という1950年代の名盤で揃えて、あわせて10枚組。これで1000円ちょっとということで、大満足のBOXでありました。
まず、クライバーの指揮が実にいいのあります。最初の序曲から、おおこれは気合が入ってるなってところですが、全編通じて、非常に生き生きとて、雄弁であります。ところによっては、歌手以上に旋律を歌い上げるようなところもあったりして…?。そして、VPOの音色がこれまた極上の美であります。優しく歌い上げるときは優美。劇的なときは迫力満天の勢いにあふれる。そして、低音の響きはお腹にズンズンとくるのでありました。中でも、弦の響きは変幻自在で、場面に応じての凄さと優美さ、美しさを示しております。とにかく、お話の進行に応じてのオケの表情は、これまでのこのオペラのどの演奏よりも、充実している印象を受けました。
歌手の方々も、アルマヴィーヴァ伯爵と伯爵夫人、フィガロとスザンナ、この四名はいいですね。これだけの歌手を揃えることができた時代であったのであります。中でも、デラ・カーサの伯爵夫人は、なかなか風格もあり立派であります。二幕最初の「愛の神よ、照覧あれ」や第三幕の終わりの「今はいずこ、あの楽しかりし時は」の二つのアリアはいいですね。これに対して、スザンナのギューデンなんですが、少々声が低いというか、聴きようによっては年増な印象を持ってしまう。スザンナのアリアは二曲しかありませんが、少々残念でした。しかし、他に聴くことができる重唱では、それはあまり感じませんでした。そして、シエピのフィガロとベルの伯爵についても、シエピはさすが美声で、それは実いい。ただ、シエピの方がベルよりも立派な印象をもってしまいます。シエピが伯爵でもよかったのかなとも思ってしまうのでした。まあ、これらは趣味と好みもありますので…。そして、四幕のすべての幕の終わりに向かうときの重唱とオケの分厚さは、このオペラの盛り上がりを痛感するだけではなく、この演奏の総合的な力量と素晴らしさを感じるところでありました。
しかし、『フィガロの結婚』というオペラは、深く知っていけばいくほど、大したオペラでありますよねえ。音楽も実に素晴らしいですが、お話も良くできていますよ。でも、やはり音楽がいいです。このクライバーの演奏は、私が最上と思っているベーム盤に優るとも劣らないものと実感したのでありました。
(Membran Wallet 223486 2006年 輸入盤)
バルビ 様、コメントありがとうございます。実は、このクライバー盤は、最近知りました。私が一番良く聞いていたのは、やはりベーム盤でした。これも別の機会に、と思っているのですが、今もベストと思っています。しかし、昔の演奏はいいものが多いですねえ。またご教示ください。
LP時代の私の愛聴盤でした。ベームの盤とともに、何度も何度も繰り返して聴きました。こうした往年の名指揮者の録音は、今はとんと聴かなくなってしまいました。残念なことです。
ブログを読ませていただくたびに、思い出したように聴いているような次第です。そうした意味で、感謝しています。