ロンドン・オリンピック、パラリンピックと平和の祭典が華やかに終わりましたが、今年の5月30日に、イングランドのコヴェントリー大聖堂で、ブリテンの「戦争レクイエム」の初演50年の演奏会が行われたそうです。
その放送が、NHK-BSプレミアム・シアターで9月17日、午前0:00~(16日から17日にかけての真夜中)あります。
イギリスのサムライ・テナーと何故か言われている(確かにラスト・サムライの渡辺謙さんに似た渋い風貌ですが)、
マーク・パドモアがソリストで出演します。
初演時は、ブリテンによる歌手の選抜で、テノールはイギリス人のピーター・ピアーズ、バスはドイツ人のディートリヒ・フィッシャーディスカウ、ソプラノはロストポーヴィッチの奥様の、ソビエトのガリーナ・ヴィシネフスカヤが選ばれました。ロストロポーヴィッチの急病と、ソ連当局の出国停止命令により、ヴィネフスカヤの出演は叶いませんでした。
コヴェントリー大聖堂は、第二次世界大戦でドイツ軍による空爆で破壊されました。破壊された教会は、広島の原爆ドームのように残されて、横に新しく教会が建設され、モダンな内装にされているようです。
敵対していた国の歌手を集めて、まさに平和を願う演奏会で「戦争レクイエム」も、死者への追悼だけでなく、平和を願う思いの込められた内容なのだそうです。
曲名だけは知っていましたが、なかなか聴く機会がなく、今回初めて聴く次第です。
テレビ放映なので、コヴェントリー教会の色んな映像も見れるのではないかと期待しています。
NHKのホームページ http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
春に発売されたパドモアさんの、ブリテン「セレナード」Op.31 「ノクターン」Op.60 フィンジ「ディエス・ナタリス」Op.8 の収められたCD。オーケストラはブリテン・シンフォニア (HMU 807552)
ブリテンのテノールとオーケストラのための曲「セレナード」は、ホルン・ソロと共に演奏される6曲の歌曲で、イギリスのいろんな詩人の夜のイメージ。冒頭とラストにホルンの自然倍音音階による、プロローグとエピローグがついています。
ヴォーカル・スコアの表紙絵。季節は秋から冬にかけて、日が短くなって行き、長い夜のことを歌った曲の雰囲気がよく出ていると思います。
歌のパートは勿論、現代曲なので難解なのですが、ホルンは全体に超絶技巧だそう。
自然倍音の音階でと指定されているホルンだけの楽譜ですが、〇で囲んだファの音が♯ぎみなのと、ラの音がシ♭のように聴こえる不思議な響きです。
それが終わると、夜のとばりが降りてくるかの如く、パドモアさんの美しいハイ・ヴォイスがスーっと降りてきます。
ブックレットより、ピーター・ピアーズとベンジャミン・ブリテンの絵。
ブリテンはピアニストとして、ピアーズとシューベルトの歌曲をよく演奏してまわったそうです。
デニス・ブレインという名ホルニストも近くにいたことから、きっとシューベルトの晩年の名曲「流れの上で」も演奏したことでしょうし、インスピレーションを受けた可能性は大です。
「ノクターン」はファゴットや、ハープ、ホルン、ティンパニー、クラリネット、フルートなどが、フューチャーされて、連続して歌われていく8曲からなる、やはりイギリスの詩人の詩による夜の曲。
楽器の響きも美しかったり、面白かったり、とくにティンパニーとの曲は、フランス革命の時の大虐殺事件に恐怖を感じる物凄い曲です。
ブリテンの現代曲のちょっとおどろしい音を聴いた後に、フィンジの美し~い曲にホッとします。
「ディエス・ナタリス」はラテン語で「誕生の日」または「クリスマス」という意味だそうですが、やはり夜のイメージ。
クリスマスの頃は冬至で、長い闇のあとはだんだんと明るくなっていくことを、祝ったお祭りが古くからあり、イエスが12月25日に産まれたという証拠はないらしい。
なにせ救世主の誕生で、明るい未来がやって来ることを祝った、本来は静かなお祭りだったようです。歌は英語です。
マーク・パドモア http://www.markpadmore.com
その放送が、NHK-BSプレミアム・シアターで9月17日、午前0:00~(16日から17日にかけての真夜中)あります。
イギリスのサムライ・テナーと何故か言われている(確かにラスト・サムライの渡辺謙さんに似た渋い風貌ですが)、
マーク・パドモアがソリストで出演します。
初演時は、ブリテンによる歌手の選抜で、テノールはイギリス人のピーター・ピアーズ、バスはドイツ人のディートリヒ・フィッシャーディスカウ、ソプラノはロストポーヴィッチの奥様の、ソビエトのガリーナ・ヴィシネフスカヤが選ばれました。ロストロポーヴィッチの急病と、ソ連当局の出国停止命令により、ヴィネフスカヤの出演は叶いませんでした。
コヴェントリー大聖堂は、第二次世界大戦でドイツ軍による空爆で破壊されました。破壊された教会は、広島の原爆ドームのように残されて、横に新しく教会が建設され、モダンな内装にされているようです。
敵対していた国の歌手を集めて、まさに平和を願う演奏会で「戦争レクイエム」も、死者への追悼だけでなく、平和を願う思いの込められた内容なのだそうです。
曲名だけは知っていましたが、なかなか聴く機会がなく、今回初めて聴く次第です。
テレビ放映なので、コヴェントリー教会の色んな映像も見れるのではないかと期待しています。
NHKのホームページ http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
春に発売されたパドモアさんの、ブリテン「セレナード」Op.31 「ノクターン」Op.60 フィンジ「ディエス・ナタリス」Op.8 の収められたCD。オーケストラはブリテン・シンフォニア (HMU 807552)
ブリテンのテノールとオーケストラのための曲「セレナード」は、ホルン・ソロと共に演奏される6曲の歌曲で、イギリスのいろんな詩人の夜のイメージ。冒頭とラストにホルンの自然倍音音階による、プロローグとエピローグがついています。
ヴォーカル・スコアの表紙絵。季節は秋から冬にかけて、日が短くなって行き、長い夜のことを歌った曲の雰囲気がよく出ていると思います。
歌のパートは勿論、現代曲なので難解なのですが、ホルンは全体に超絶技巧だそう。
自然倍音の音階でと指定されているホルンだけの楽譜ですが、〇で囲んだファの音が♯ぎみなのと、ラの音がシ♭のように聴こえる不思議な響きです。
それが終わると、夜のとばりが降りてくるかの如く、パドモアさんの美しいハイ・ヴォイスがスーっと降りてきます。
ブックレットより、ピーター・ピアーズとベンジャミン・ブリテンの絵。
ブリテンはピアニストとして、ピアーズとシューベルトの歌曲をよく演奏してまわったそうです。
デニス・ブレインという名ホルニストも近くにいたことから、きっとシューベルトの晩年の名曲「流れの上で」も演奏したことでしょうし、インスピレーションを受けた可能性は大です。
「ノクターン」はファゴットや、ハープ、ホルン、ティンパニー、クラリネット、フルートなどが、フューチャーされて、連続して歌われていく8曲からなる、やはりイギリスの詩人の詩による夜の曲。
楽器の響きも美しかったり、面白かったり、とくにティンパニーとの曲は、フランス革命の時の大虐殺事件に恐怖を感じる物凄い曲です。
ブリテンの現代曲のちょっとおどろしい音を聴いた後に、フィンジの美し~い曲にホッとします。
「ディエス・ナタリス」はラテン語で「誕生の日」または「クリスマス」という意味だそうですが、やはり夜のイメージ。
クリスマスの頃は冬至で、長い闇のあとはだんだんと明るくなっていくことを、祝ったお祭りが古くからあり、イエスが12月25日に産まれたという証拠はないらしい。
なにせ救世主の誕生で、明るい未来がやって来ることを祝った、本来は静かなお祭りだったようです。歌は英語です。
マーク・パドモア http://www.markpadmore.com
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