花粉症デビューの人も多いこの春、島岡美延です。それはある日、突然かもしれません。
酪農がさかんだった福島県相馬郡飯舘村、暮らしと生業を突然奪われた人々。映画『飯舘村 べこやの母ちゃんーそれぞれの選択(11日公開)』をご紹介します。福島原発事故後の4月に全村避難。17年3月、帰宅困難地域を除く区域で避難指示が解除されるも戻った村民は2割(22年12月現在)。
パレスチナの女性たちを長く取材してきた古居みずえ監督が、福島に拠点を据え、この村を見つめた記録。「第一章 故郷への想い」45年続けた酪農、牛を手放し、南相馬から飯舘村に通う中島信子さん。「第二章 べことともに」酪農家の両親と牛と共に100㌔離れた村に移った原田公子さん。「第三章 帰村」300年続く農家、牛は処分し、仮設住宅から村に通い、19年に帰村しソバの栽培を始めた長谷川花子さん。
〈避難〉とはいえ、土地と生業、つながりが奪われることは、命にかかわること。それが痛いほどわかる3家族の10年。