しっかり降った昨夜の雨、島岡美延です。3月は地面の花たちが一気に成長。生物には暖かさと水が必要。
私たち人間に欠かせないものって? 先日、五反田にある薬師寺東京別院で写経をしました。以前、NHK『ドキュメント72時間』を見て興味を持った場所。
かつて奈良の薬師寺で白鳳伽藍復興「お写経勧進」を初体験した時は、正座で大変でしたが、今回はイス。
引き戸を静かに開けると墨の香り。自分が墨をする音だけが聞こえる空間。広い道場に10人ほどでしょうか。私は般若心経を1時間余りで書き上げました。ピッと鳴る電子音などとは無縁、ここまで静かな時間と場所ってないかも。
少なくとも数百年はもつという写経用紙、これは奈良の薬師寺に収め続けられるそうで、もちろん墨と紙だからこそ。博物館で見る千年前のお経の美しさを思い浮かべ、なぜあんなに端正な文字を並べられるのかあらためて感心したり。写経をしたくなったらいつでも行ける、そんな場所を知ったことが嬉しい年度末。