吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

フランシス・フォード・コッポラ『ゴッドファーザー』part I,part II,part III

2018-01-09 05:56:06 | 映画・ドラマを観て考えよう
 お正月は衛星放送で放映されていたゴッドファーザーを"part I"から"part III"までを三日間連続視聴したのだった。

 通しで観ればコルレオーネ・ファミリー盛衰記になってる。特に三男マイケルの一代記だよね。



 シシリー出身のヴィトーは故郷で敵対するドンに命を狙われアメリカに移民するや、腕と度胸で名を上げてファミリーを作りドンと崇められるようになる。
 ところが何せこの人たち、血の気が多いもんだから、邪魔な相手はすぐ『ぶっ殺せ!』と短絡してしまう。
 禁酒法時代はそれで通ったけれど、だんだんと世の中が変わって、もう血の復讐(ヴェンデッタ)なんて時代では無くなっても、伝統的に殺し合いが続いてしまう。
 三男のマイケルはそんな生活が嫌だったんだけれども、否応なく巻き込まれ二代目を継承。真面目な性格から『裏切り者は容赦なく殺す』徹底ぶりで恐れられ、実の兄まで粛清し、とうとう最愛の妻とも別れる羽目に・・・。
 心の中では常に『足を洗いたい』と思い続けているンだけれども周囲がそれを許さない。敵を殺し続け、娘まで殺され、最後は孤独に死んでゆく。


※三男マイケルを演じるアル・パチーノ

 久しぶりに観直して、しみじみと良かった。

 ヴィトーはトマト畑で、マイケルは中庭で、どちらも静かに死んでいく(殺されなくてヨカッタね)のだけれど、ヴィトーが孫と遊んでいる途中で亡くなるのに比べると、マイケルを看取るのは飼い犬だけという侘しさ。どんな大きい組織を率いても、人間やっぱり死ぬときはひとりぼっち。

註)マイケルが組織を合法化しようと最後に手に入れようとしたのが『インターナショナル・イモビリティ』なる巨大不動産会社。このあたりは同じ移民のトランプ大統領と重なってくる。
 
註)今見ると各シーンに『どこかで見たような』既視感が・・・。それは逆でどれだけ多くの作品がこの映画からヒントを得たかの証なのです。