しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「石の島」黒髪島

2023年03月14日 | 昭和で無くなったり・変わったもの(生活・暮らし・産業)

黒髪島は住民ゼロのため定期船はない。
採石場で仕事をする人たちは、専用船で通勤しているようだ。

黒髪島の南側には”回天”で有名な大津島がある。


(Wikipedia)

黒髪島
山口県周南市の徳山港から南西方向に1.2kmの沖合いにある島。
徳山港から船で渡ると、細長い仙島の南にほぼ円形のかたちで横たわっている。周囲が約16km。
黒髪島は、「徳山みかげ」と呼ばれる御影石の採石で知られ、明治の当初から採石事業が行われ、
1917年の国会議事堂の建設に当たっては、議事堂の腰部、中庭の外装、空堀の周辺などに使用されている。
この事業は、黒髪石材が一手に行っている。島自体は、国有地である。

 

 

(徳山→大津島航路から見る黒髪島 2014.7.12)

 

・・・


「瀬戸内海を歩く」  中国新聞社 1998年発行

 

黒髪島

黒髪島の石も、倉橋島とともに国会議事堂の外装を担った。
徳山港から大津島を経由する巡航船で黒髪島に渡った。
船は採石場の目の前の岸壁に着いた。
石を切り取った山肌がそそり立つ。
全島が黒雲母花崗岩からなる石の島。
船を降りると、石を切り取るジェットバーナーの音が地響きのように伝わった。

「山の標高170mあたりから掘り崩し、今は海面下30mまで進んでいます」
60年代後半に導入されたドリル、火薬、運搬重機のおかげで、石工の仕事もすっかり変わった。

「徳山みかげ」の名で知られる黒髪石は、墓石や灯ろう、敷石、階段、モニュメントなどに重宝される。
島には、原石を切り出す採石場と墓石などを仕上げる加工工場が並んでいる。

四、五mの発破穴は、一服する間にドリルで開けてしまう。
「ひとつだけ変わらんのは石の目を読むことに大切さ」
経験をつめば目は読める。
目にそってゲンノウを打てば、大石も簡単に割ることが出来る。
目に逆らえばびくともしない。
この職人技だけは、石工の変わらぬ誇りなのである。

・・・・

 

「石の島」つづく

 

 

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