しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

臼挽き唄

2023年03月09日 | 民謡

子供の頃、どこの家にも既に使用されなくなった石臼を、軒下や縁側や土間に保管していた。

小学生の時、母方の祖父母宅で、祖母が「そば粉」を作って、蕎麦を作って食べさせてくれた。

それが自分が見た、最後の臼挽きだった。

 

・・・・


「岡山県史民俗Ⅱ」 岡山県 昭和58年発行

唐臼挽き唄

唐臼挽きは夜なべ仕事で、娘がいる家には村の若衆たちが手伝いにきた。

夜食には団子または大根飯が必ず出た。

各地

臼の軽さよ拍手のよさよ

愛てかわすな明日の夜も

わしとお前は臼ひき女

ひいて回せば子ができる

・・

粉挽き唄

石臼で屑米・麦・そば・豆など粉にしてよく食べた。

とくに団子がよく用いられた。

思い石臼をゴロリ、ゴロリと挽きながら、ゆっくりと歌うのである。

笠岡市

臼よ回え回えきりりとしゃんと

ここは道端ひとが聞く

・・・

米搗き唄

米搗きは、はね杵を踏んで精米をした。

一臼に一斗の米を入れて精米されるまでには約3.000回搗かねばならなかった。

主に、夜なべ仕事である。

米搗き唄・麦搗き唄・搗き臼唄と呼ばれる。

 

笠岡市

麦のおえんのは混ぜようのからよ

搗くにおろか(横着)があるものか

真鍋天神鼻 黒雲かかる

いわしひけとの黒雲が

・・・・

 

「高梁川44」 高梁川流域連盟 昭和61年発行

久米郡南部・御津郡北部の俚謡 石田農夫男

 

俚謡(りよう)は素朴な村人の間に、自然発生した生活の歌であり、

労働の歌でり、愛情の歌として、幕末から大正時代にかけて唄いつがれてきた。

 

籾摺り歌

(唐臼で収穫の籾を摺る時)

臼の軽さよ相手のよさよ

相手変わるな 明日の夜も

今年豊年 穂に穂が咲いて

道の小草に 金がなる

・・・

 

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1 コメント

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Unknown (killy)
2023-03-10 11:33:47
旧家には「茶臼」があり、茶葉を挽いていました。
茶臼を利用しない現代の人は希少性に気付かず、家の外に置いたり、捨ててしまっています。
庭の隅にあるコケまみれの茶臼を貴重品として説明し「法政大学出版局の・臼」と言う本から茶臼の項をコピーして差し上げたら、2軒とも大切に洗い、床の間に置いていました。
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