里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
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自然の中に身を置いてみませんか?

子どもの声に耳を

2016年08月20日 | 悩み

ほっておかれた「ぼうし」

東京都公立小学校教員 東畑 優

「ぼうし」という詩をユウコが宿題で作ってきた。

人の頭にのっている、それがぼくの人生

だけどいつもじゃないんだよ

あっ、わすれられたよ~っ

さいきんは、もっとひどいよ

「なげられた」と思ったら、こんどは、ほっておかれたよ

でもね、ぼくのことを大切にあつかう人もいるんだからね、

だからね、ぼくは思ったんだ

「おもいどおりにいかないのが人生なんだ」って

   放課後、帽子を投げ合い、じゃれて遊んでいた一幕を詩にしたという。この詩にはユウコのものの見方、考え方がよく表現されている。
 コミニケーションに困難を抱え、障碍児学級に通う年近い兄がいる。手のかかる兄に母親はつきっきりになりがち。一方で「ユウコはしっかりしていますから」と周囲に話してきた。「しっかり者」でいなければならず、次第に不満を募らせる。
 同じ境遇はユウコの学校生活にも存在した。落ち着かない友達がクラスにいて、かつて学級崩壊も経験してきた。担任の私は困難を抱える子たちが落ち着ける教室環境をつくろうと、他の子たちに時には譲ったり、彼らを刺激しないように行動することを強いた。この指導によってユウコとの間に深い溝ができてしまった。
 ユウコは家庭と学校における自分自身の経験から「おとなは大変な子ばかりよく見てあげて、自分のことはよく見てくれない」という思いを育て上げてしまった。冒頭の詩はあくまで帽子について書かれているのだが「わすれられた」「ほっておかれた」「思いどおりにいかない」はユウコそのものではないか。
 そして自分を「大切にあつかう人」の存在を希求している。自分だってもっと甘えたい、もっとよく見ていてほしい。普段、直接伝えられない心の声が、詩の中にある。

   「しんぶん赤旗」8月9日 くらし・家庭


若者のPC離れ

2016年08月19日 | 社会・経済

 インターネット回線がつながりにくい。我慢できなくてNTTに連絡、業者に来てもらった。
問題は機器にあるのではなく、NTT交換所からここまでの電信柱の間の問題だったようで、無料で済んだ。
 さて、今日はPCのことについて・・・


若者のPC離れに待つ恐ろしい未来

  鈴木貴博 - ダイヤモンド・オンライン - 2016年8月12日

 

「最近の新入社員の中に、パソコンを使えない社員が混じっている」

 と、苦笑まじりにある人事部の知人が話をしてくれた。大学時代を通じてスマホしか使ったことがない新世代(?)の社会人が職場に進出してきたという話だ。

 私のような旧世代にとってみれば、「彼らは大学時代のレポートとかどうしたのだろうか」と思うのだが、別にどうにでもなるらしい。とにかく入力はスマホの方が速いというか、パソコンのキーボードは基本的に打てない。そんな新入社員は確かにいる。

 それで何が困るのか。現在、多くの企業の中では業務がパソコンをベースに設計されているため、営業報告や情報閲覧、各種申請などパソコンが使えないと仕事が回らない。業務メールをGmailに飛ばしてスマホで打つという社員が出てくると、これは会社の機密度にもよるのだが、「それでは困る」という会社も出てくる。

 とはいえ20代前半の新入社員というものは頭脳が柔軟なので、パソコンのキーボード入力は数週間もすれば自然にマスターするようになる。かたくなに「私はスマホしか使えません」といってスマホで下書きしてパソコンに送るような若者は少数派。その点では時が解決する問題と言える。

 しかし、この問題、本質的にはもっと違う、より大きな問題を内包している。今日はその話をしたい。

 スマホ世代ばかりの新興国でキーボード入力は時代遅れに

 近年、ある日本を代表するロボットメーカーのアジアでのシェアが落ちるという出来事があった。現地の販売チャネルからは「製品が時代遅れになっていて、競合におされている」という警報シグナルがあがっていたのだが、本社がそれに気づくのに遅れて製品改良が後手に回ったのだ。

 それでそのメーカーの製品の何が遅れていたのかというと、操作パネルがキーボードのままだったのだそうだ。

 他社製品はスマホと同じタッチパネルを操作パネルとして使っていた。これならスマホ入力に慣れているアジアの工場従業員にとっても使いやすいし、設計思想的にも用途や設置環境、ソフトウェアバージョン変更などに応じて柔軟に操作パネルのインターフェースを変更することもできる。

 日本国内では同じ不満を工場の若手工員は感じていたそうだが、声が小さくて上には伝わらなかったようだ。ところがアジアの顧客の場合は、ロボットを使う工場の上の方の人間や、本社の購買意思決定者も、最初からスマホ世代という国が少なくない。アジアの変化に日本の本社のキーボード世代のおじさんたちがついていけなかった結果、シェアを落とすという、一風変わった業績悪化が起きたのだ。

 デスク上のパソコンは邪魔物にすべての業務がスマホになる日

 入力インターフェースが進化した場合、変化に取り残されるのは、実際のところ若者ではなく中高年だ。

 私が社会人になった1980年代半ばは、ちょうど会社の業務が急激に手書きからワープロに移行した時期だった。この変化に団塊の世代の中間管理職のみなさんが、なかなかついていけなかった。

 なにしろワープロのキーボードは不規則な配列をしている。あいうえお順やabc順ならともかく、あの大昔にタイプライターを発明した外国人が、よく使うキーを中央部に、あまり使わないキーを周辺にと設計したのがキーボードの起源なので、40歳になったおじさんに「これからは業務がこうなるので覚えなさい」と言っても無理な状況だった。

 なのでこの時代の大企業では、中高年の管理職は自分では報告書を書かずに主にチェックする役割に徹するか、ないしは手書きの原稿を若い社員に渡してワープロで清書をしてもらうという形で業務が回っていた。

 それと同じようなことが近未来の職場で再び起こるかもしれない。私を主人公にして、どういうことが起きるかを予測してみよう。

 私はスマホ入力が苦手である。そもそも80年代の職場では入社前からパソコンが自宅にあった新世代扱いで、キーボードが触れないおじさんを内心馬鹿にしていたはずが、2000年代に入ってガラケーの時代が来ると一気に自分が時代遅れになった。

 親指で高速に日本語を入力してメールするいわゆるガラケーのトグル入力方式に適応できずに、ケータイが使えなかったのだ。私は今でもメールはパソコンでしか打たない。ケータイのメールアドレスは他人には教えていないし、ケータイに届いたメールには返事もしていない。

そしてスマホの時代が来て、フリック入力という非常に速い入力方法が出現した後でも、いまだに私はキーボード入力をしている。ところがスマホのキーボードは小さいので、長文は無理だ。そこでスマホと同じアプリをタブレットにインストールして、タブレットでLINEやフェイスブックを扱っている。

 つまり、「入力」という観点で見れば私は時代に完全に取り残されていて、そのためスマホを使いこなせずに、一台余計にタブレット端末という大きな物体を持ち歩いている時代遅れなおじさんになってしまったのだ。

 やがて今の新入社員たちが30代になり、製品設計や業務設計の中心世代になると、パソコン中心の業務フロー自体が時代遅れであることに気づくようになるだろう。

 あんな大きな物体に机を占領させておくよりも、業務はスマホで十分だということに気づき、会社の仕組みは今よりもずっとスマートなものに変化するだろう。

 そうなった時代には、私も、そしてひょっとするとあなたも、小さな画面を老眼鏡でみつめながら苦々しげに、人差し指でぴょん、ぴょんとゆっくり左右に指を飛ばしながら短い文章を時間をかけて入力するようになるだろう。それを若手社員が「遅せーよ」と横目で冷笑する。そんな時代がもうすぐやってくるのだ。


40代に忍び寄る<肉体の衰え>

2016年08月18日 | 健康・病気

40代に忍び寄る<肉体の衰え>~老化のサインは「片脚立ち」と「立ち上がり」から

   ヘルスプレス - 2016年8月17日

   近くのものが見えづらくなったり、固有名詞が出てこなかったり.....。40代になり「老化の第一歩を感じる」という人は少なくない。

 とはいえ、さほど不自由さを感じずに仕事や家事をこなし、日常生活を送っている人が大半だろう。

   30〜40代の多くは、将来自分が「要介護」の身になるなど夢にも思っていないはずだ。ところが、筋肉量は30歳頃から減少し始め、運動をしない限り筋肉量が自然に増えることはない。筋肉がどんどん落ちていくと、最終的に「サルコペニア(心身機能の低下)」に至り、歩行障害や転倒を引き起こしかねない。

   俗に<足腰の衰え>は老化のサインとして知られているが、この説が真実だったことを示す、興味深い研究が報告された。根拠なく自身の体力について過信していると、気づいた頃には後悔することになるかもしれない。

最初に衰えるのは「片脚立ち」と「立ち上がり」

   米デューク大学ヘルスシステム(ノースカロライナ州)のKatherine Hall内科助教授が率いた研究によると、「年齢による肉体的な衰えのサインは50代から認められる」という。6月29日、『Journals of Gerontology: Medical Sciences』(オンライン版)に掲載された。

   この研究では、成人775人(30代から100歳以上)を対象に、歩行・片脚立ち・椅子からの立ち上がりの反復などの簡単な課題を実施してもらい身体機能を評価。

   その結果、最初に衰えるのは「片脚立ち」か「椅子から立ち上がる能力」で、50代から衰えが見られた。有酸素持久力および歩行速度の低下は、60~70代で認められた。

   この知見から「身体能力を維持するには、生涯にわたるアプローチの重要性が強調された」というHall氏は、次のように話す。 「80歳になってイスから立ち上がれなくなるまで待つべきではない。『加齢』は『高齢』になるまで生じないと思いがちだ。それまでは機能的自立度に問題は起こらないと思い込んでしまう。この偏見は医療従事者にも見られる」問題改善の機会が40年間失われている!

   40歳以下の人は、これを読んでもピンとこないかもしれない。50代はまだ先のことだし、立ち上がれなくなるなんていつのことだよ、と。

   だが、恐ろしいことに、この論文の共著者のひとりは、「身体機能の検査は通常、70~80代で行われるが、そのときまでに問題を改善する機会が40年間失われている」という。

   失われた40年――。気づかぬうちに40年かけて、体力は徐々に低下していく。高齢になっても自立した生活を送るためには、30代から意識的な体力維持に努めるべきなのだ。

   ありがたいことに、運動は何歳から始めても「手遅れ」にはならない。30代、40代はもちろん、70代、80代になってからでも筋肉量は増える。比較的簡単な腕立て伏せやスクワットで体を慣らし、徐々に負荷を上げていくと筋肉は大きくなり、必ず身体は変化する。

「備えあれば憂いなし」、老後のために備えるべきものはお金ばかりではない。身体の不安を解消する「貯筋」が、あなたの将来を大きく左右するかもしれない。(文=編集部)


 台風7号により被害を受けられた皆様にお見舞い申し上げます。
我が家の降雨計によりますとここも200mm以上降ったようです。

 残ったスイカ、すぐさまカラス被害用の網を買ってかぶせておいた。しかるに、このありさまだ。この警戒心のなさはアライグマか?
今度はとうきびが狙われる。


「核の先制不使用」宣言を、こともあろうに被爆国である日本政府が潰そうとしている

2016年08月17日 | 社会・経済

もはやサイコパス! 米オバマの核軍縮政策を安倍が妨害していた!日本を“中国の脅威”に晒す、安倍の犯罪的二枚舌

  LITERA 2016.08.16.

 またしても、この男の二枚舌が暴かれた。本サイトでは今月6日、安倍首相が、オバマ大統領が核廃絶の一歩として推し進めようとしている核兵器の先制不使用の政策に対して真っ向から反対していることを報じたが、昨日、アメリカのワシントン・ポストは、安倍首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」と伝え、オバマの核軍縮政策に安倍首相が反対していた事実を報じた。

   思い出してほしい。今年の広島・長崎で行われた原爆の式典でオバマ訪広を「核兵器を使用した唯一の国の大統領が、被爆の実相に触れ、被爆者の方々の前で、核兵器のない世界を追求する、そして核を保有する国々に対して、その勇気を持とうと力強く呼びかけました」と自らの実績として大々的にアピールした挙げ句、「世界の指導者や若者に被爆の悲惨な実態に触れてもらうことにより、『核兵器のない世界』に向け、努力を積み重ねてまいります」と宣言したではないか。

   だが、実際は、オバマ大統領の核軍縮に向けた動きを「唯一の戦争被爆国」のリーダー自らが打ち砕こうとしているのである。
   しかも、安倍首相の“罪”は、二枚舌で核のない世界を願う被爆した人びとを愚弄しただけではない。核の先制不使用に反対することは、安倍首相がしきりに喧伝する「中国の脅威」を高めようとする行為でもあるのだ。

   以下に本サイトがこの問題に言及した記事を再録するので、安倍首相がいかに日本を危険に晒そうとしているかを、あらためて知ってほしいと思う。

 (編集部)

 

********************

 

 本日、原爆の日を迎えた広島では平和記念式典が開かれた。昨年の演説では、自身の判断で「非核三原則の堅持」の文言を省いた安倍首相だったが、今年はオバマ大統領の訪広を自慢し、「唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持しつつ、核兵器不拡散条約体制の維持及び強化の重要性を訴えてまいります」と述べた。

   だが、松井一實広島市長が平和宣言で「核兵器禁止の法的枠組みが不可欠」と言及した一方で、安倍首相は今年もその点にふれなかった。

   それも当然だろう。安倍首相は「核兵器のない世界」などと殊勝に語ったが、日本は国連で一貫して「核兵器禁止条約」の交渉開始決議に棄権しているのだから。現に、今年5月の核軍縮の進展を目指す国連作業部会第2回会合でも、佐野利男軍縮大使は安全保障上の問題を理由に核が必要とし、「核兵器を削減・廃絶するのはほとんど非現実的」と主張。「核兵器禁止条約」の締結に対し、反対しつづけている。表舞台で首相が言っていることと、具体策に動く舞台裏でやっていることが、完全に矛盾しているのだ。

   しかも、日本政府はオバマ大統領が打ち出そうとしている「核の先制不使用」政策に真っ向から反対して、潰しにかかっているらしい。

   この「核の先制不使用」というのは、核攻撃を受けないかぎりは先に核兵器を使用しないとするもので、米ワシントン・ポストによると、オバマ大統領は、任期中にこの方針を宣言する核軍縮策を打ち出そうとしているという。さらに、オバマ大統領は今年5月の広島訪問時の演説にこの「核の先制不使用」宣言を盛り込む予定もあったのだが、日本政府はこれに真っ向反対。広島でも宣言が見送られたのだという。

   この問題を報じた昨日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)では、政府高官のこんな証言が紹介された。

  「日本の安全保障からして『核の先制不使用』はありえないでしょう。『言葉の使い方に注意してほしい』という懸念を伝えた」

   さらに、外務省幹部も「『核の先制不使用』なんて、そもそもまったくナンセンス。宣言することなんてないですよ、絶対に。日米安保が成り立たなくなる」とこれを補強するコメントを発している。

   広島でのオバマの宣言が中止になったのが日本政府のせいだったかどうかについてまでは番組では言及されていなかったが、現時点で日本政府が「核の先制不使用」宣言をしないように働きかけているのは明らかな事実だ。前述したワシントン・ポストの報道を受けて、日本政府はアメリカ政府に対して意図を確認する協議を申し入れているという。

   世界的な核軍縮につながる可能性のあるオバマ大統領の「核の先制不使用」宣言を、こともあろうに被爆国である日本政府が潰そうとしている、ということなのだ。
  番組では、太田昌克・共同通信社編集委員が「被爆国の政府が結果的に『核なき世界』を広島であらためて誓ったオバマ大統領の政策を潰す、そういった残念な結末になりかねない」と解説を行っていたが、その通りだろう。

   しかも、この態度は倫理的におかしいだけではない。オバマ大統領の宣言の裏には、中国が「核の先制不使用」のを見直すことを懸念し、アメリカもそれを採用することによって、中国の動きを封じようという考えがあるという。つまり、これに反対する日本の態度は、逆に中国の脅威を高めかねないものなのだ。一方で、やたら「中国の脅威」を煽りながら、そのための外交努力に反対するというのは、いったい何を考えているのか。

   いずれにしても、こうした事実を見れば、安倍首相の「『核兵器のない世界』に向け、努力を積み重ねてまいります」などという言葉がいかに口先だけのものであるかがよくわかるはずだ。わが国の民主主義や平和だけでなく、国際社会の平和と安定という視点にたっても、この危険な総理大臣は一刻も早く引きずりおろさなければならない。

 (編集部)


友人ゼロ高齢者

2016年08月17日 | 社会・経済

4人に1人は友人ゼロ(日本の高齢者)~4カ国比較調査から見える日本の高齢者の実態

  ZUU Online 2016.8.16

 内閣府が5年毎に実施している「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」の平成27年(第8回)の結果が公表された(*1)。その中身を眺めていたところ、一つのデータに目が止まった。それは、日本の高齢者の4人に1人は、友人が1人もいない、という結果である。「家族以外に相談あるいは世話をし合う親しい友人がいるか」の設問に対して、約4人に1人(25.9%)が「いずれもいない」と答えている(*2)。

 調査対象者は60歳以上であり、そのまま60歳以上の人口(*3)にその割合を掛け合わせると実に1087万人の高齢者(ここでは60歳以上)は友人が1人もいないということである。

 今回の調査は、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの4カ国で調査が行われたが、他国との比較からも日本は友人がいない高齢者が多いことが顕著に確認できる。この現状を社会としてどのように考えるべきか、見過ごしてよいことなのだろうか。

 (*1)平成27年度第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果(2016年5月30日公表)

 (*2)過年度の調査においても、当設問に対する回答割合は大きくは変わっていない。

 (*3)総務省統計局「平成26年人口推計(10月1日現在人口)」より。60歳以上は4198万人。

 ■当調査結果に対する見方

 こうした状況について、友人がいなくても家族がいればよいだろう、個人の価値観の問題であり社会的に課題視する必要はないと考える人も少なくないかもしれない。誰とつきあうか誰ともつきあわないかは本人の自由である。

 ただ、配偶者がいてもいずれは独りになる。また、子供がいても子供と同居し直す(または同居し続ける)ことは、転居や住居の問題等から簡単ではないのが実態と思われる。遠くの親戚より近くの他人ということわざもあるように、日々の暮らしや生きがいを家族(親戚)だけに依存せず、友人を持ち続ける、友人と交流し続けることは、高齢期の日々の暮らしを充実させるため、また精神的な健康を保つ上でも必要なことと考える。

 誰にも看取られずに最期を迎えてしまう孤立死が年間3万人にも及ぶと推計されている今日(*4)、孤立死を回避する意味でも高齢期における友人の存在は重要だと考える。

 また一方で、前記の各国比較の結果について、日本と他国とでは友人と捉える境界線が異なるのではないかと考える人もいるかもしれない。例えば、より親密でなければ友人と呼ばない日本に対して、知り合いレベルでも友人と呼ぶのが他国であるという見方である。

 しかし、この点については、指摘には及ばないであろう。設問を見る限り、「相談できる人」あるいは「世話をし合える人」のいずれかの存在を尋ねている。友人と呼ぶかどうかはさておいたとしても、少なくとも「相談できる相手」が一人もいない人が他国よりも多いということは、課題視されることである。

 (*4)ニッセイ基礎研究所・特別研究プロジェクトチーム「長寿時代の孤立予防に関する総合研究~孤立死3万人時代を迎えて」(特別研究Report、2014年12月17日)  http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=42101?site=nli

 ■友人ゼロ高齢者を減らしていくために

 では、なぜ友人がいない高齢者が他国に比べて日本は多いのだろうか。誰もが生まれてから友人がいないまま生きてきた人はおそらくいない。学校や職場等を通じて、自然に誰かと友人関係を築いていったはずである。

 しかし、年を重ねるなかで特に高齢期を迎えると、その貴重な友人が1人、2人と去っていく。永遠の別れを積み重ねていった結果、気づけば1人もいなくなってしまった、というのが「いずれもいない(友人はいない)」と回答した方々と思われる。ただ、年を重ねて友人を失っていくことはどの国も基本的には変わらない。それにも関わらず、前述のように実態が異なるということは、何かが違うということである。

 その違いは何だろうか。一般的に聞かれるように、特に男性において、高齢期になってから新たな友人を作ろうとする人が日本は少ないということ、また作れる機会が他国よりも日本は少ないということではないだろうか。

 日本人は非常に律儀であり、他人に対する配慮や気兼ねの意識が強く、また身内(仲間)かそうでないかで極端に態度が異なる(=ウチ・ソト文化)(*5)と言われている。こうした日本人特有の意識(精神性)が、もしかしたら高齢期に新たに友人を作るという行為を抑制してしまっているのかもしれない。

 他の理由としては、長年の人生経験から、人間関係の煩わしさばかりが強調される結果、高齢になって新たな友人を作ることを妨げてしまっているといったことも考えられる。

 いずれにしても、友人はいないよりもいたほうが良いことは前述のとおりであり、社会としては友人を作れる機会をさらに提供していくことが肝要であろう。特に高齢者の日常的な行動範囲である「地域(自治体)」にその役割が期待される。

 高齢者の社会参加を促す取組みは、これまでも各地で百花繚乱のごとく行われてきていることは確認できるが、何かを催しても出てくる人はいつも同じ人で、出てこない人はいつも出てこないのが実態と思われる。この出てこない人の中に友人ゼロの人が多いと思われる。難しい問題ではあるが、この出てこない人に出てきてもらう新たな取組みを地域が提供できるかどうかが、友人ゼロの高齢者を減らす鍵となろう。

 例えば、高齢者向けの「仕事」の場を積極的に創るということも一つの解決策になろう。普段の地域活動には参加しない(興味がない)人でも、経済的なことや健康や生きがいのために軽易な仕事を求める人は少なくない。仕事の場があれば必然的に仲間ができる可能性が高い。

 また、各地で見られる「還暦式」のような催しも、集まって懇親を楽しむだけではなく、参加すれば何らかの特典が得られるようなもう一段の工夫ができないものだろうか(各自治体における行政サービス上での特典等)。人の意識や行動を変えるには何らかの“アメが必要である。

 さらなる策としては、半ば強制的に社会参加を義務付けるようなことも一案になりえるかもしれない。好き嫌いに関わらず地域社会の活動に参加してもらうことが、住民同士のつながりの強化になり、めぐりめぐって本人のためになるという考えである。

 例えば、「セカンド小学校(仮称)」のような形で、一定の年齢になれば一定期間、その地域の学校に通ってもらうことを義務付けるようなことである。かなり大胆な取組みであり、実現に向けては課題も少なくないと考えるが、仕事の場と同じく、参加しなければならない場があることは、人とのつながりを築くきっかけになることは言うまでもない。

 以上のようなことも含めて、高齢になって相談する相手もいない寂しい日々をおくる高齢者を一人でも減らしていくように、地域社会における新たな「機会」づくりが活発になることを切に願う次第である

*5)広井良典「コミュニティを問いなおす」(ちくま書房、2009年8月)の中で日本人特有の精神性として紹介されている。

 前田展弘(まえだのぶひろ)ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員


息子も1泊だけで帰っていきました。
台風7号が北海道に上陸しそうです。
雨台風のようです。
わたしには風の方が怖い。
みなさんも十分注意しお過ごしください。


吉永小百合が「戦争反対を言えない空気」に危機感を表明し「憲法9条は絶対に変えさせない」と戦闘宣言

2016年08月16日 | 社会・経済

  LITERA 2016.8.15

  日本を代表する女優・吉永小百合が、71度目の終戦記念日を直前に控えて、反戦と平和、そして憲法9条への想いを続けて発言し、話題になっている。

   たとえば8月7日放映の冠ラジオ番組『今晩は 吉永小百合です』(TBSラジオ)では、ゲストに昨年の安保法批判で『NEWS23』(TBS)を降板させられた岸井格成氏を迎えて改憲問題に言及。岸井氏が“先の戦争の反省の象徴こそが憲法9条だ”と、改憲により戦前に逆戻りする危機感を募らせると、吉永もまた「憲法9条はバイブルのように大切なもの。絶対に変えさせるわけにはいきません」と護憲への強い意思を語った。

   だが、最近の吉永が最も危惧しているのは、その「護憲」「反戦平和」を口にすることすら難しくなっているという、時代の空気感だ。現在発売中の「女性自身」(光文社)8月23・30日合併号に、吉永と政治思想学者・姜尚中氏の対談が掲載されている。タイトルは「みんな、声をあげて! 命が押し潰される前に」。冒頭、吉永は自身のこんな体験を語っている。

 「私は若いころ、母に『なぜ戦争は起こったの? 反対はできなかったの?』と質問したことがあるのです。そしたら母は、ひと言『言えなかったのよ……』って。言えないってどういうことなんだろうと、その時には理解できなかった。けれど最近、母の言っていた意味がわかります。今の世の中を見ていると息苦しい感じがして」

   たしかに、吉永の言う「世の中の息苦しい感じ」は、確実に戦前のそれを彷彿とさせるものだ。それは、吉永が身を置く表現芸術の世界にも浸透している。この8月、東京・東池袋の新文芸坐では「反戦・反核映画祭」と題して、21日までの期間中、戦争や原爆の実態を描いた日本映画約30本を上映するが、劇場支配人はマスコミの取材に対し「反戦・反核という言葉を使うことにも勇気がいるような、嫌なムードになってきています」と語っている(中日新聞7月19日付)。

「反戦・反核映画祭」では、7日に吉永の出演作『愛と死の記録』と『母と暮せば』の2本も上映された。1966年公開の『愛と死の記録』は、幼いころに被爆し、その後原爆症を発病して絶望した男性と、彼を励ます女性との悲愛を描いた映画だ。

   こうした原爆をテーマとする作品を上映することすら「勇気がいる」と言われる状況について、吉永は前述の姜尚中氏との対談で支配人の談話を紹介しながら「そんな時代になったのか、と改めてショックでした」と心境を吐露。姜尚中氏も「政治や平和を口にする人は、特別な主義主張を持った人ではないかと思われてしまう。言論の自由があるのに、政府に反対の意志を示すようなことを言ってはいけないのではないかと」と応えている。

   まさに2人の言う通りだろう。いま、日本が確実に“自由に平和への気持ちすら出せない国”になっているのは事実だ。一昨日、本サイトでもお伝えしたように、長崎の平和祈念式典では参列席から「改憲反対」と声を上げた男性が警察に連行された。ほかにも、昨年頃から「憲法9条」と記されたTシャツやバッジを着用しているだけで警察から詰問されたり、公共空間から排除されるなど、まるで治安維持法や特高警察が幅をきかせる戦前のような“事件”が連続して起きている。

   そして、この空気を作り出しているのは、間違いなく安倍政権だ。たとえば先月、自民党はホームページ上に「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なる“密告フォーム”を設け、教員が「子供たちを戦争に送るな」と生徒たちに言うことを“偏向教育”とし、取り締まりに動いた。自民党はこの“密告フォーム”に寄せられた情報を警察当局に提供する考えまで示している。

   つまり、安倍政権は、教員が平和を訴えるという当たり前のことすら、警察ぐるみで糾弾しはじめたのだ。

   さらに最近では、奈良県奈良市で毎年開かれる「平和のための奈良市戦争展」に対し、市側が例年行ってきた「後援」を取り消すという事態も起きている。その理由は「米軍『NO』などと記した挿絵があり教育的中立性が順守されない」という信じがたいもの。沖縄の在日米軍問題は、先の戦争の経験と直結する日本の歴史問題だ。それが「教育的中立性」の名のもと“偏向”とされるのも、明らかに安倍政権による教育統制の影響が大きい。

   しかも深刻なのは、こうした政府与党や自治体が主導する“反戦平和への締め付け”に、少なからぬ国民が同調していることだ。たとえば、芸能人やアーティストなどの著名人が少しでも政治的発言、とりわけ安倍政権を批判しようものなら、ネットですぐさま炎上騒動が巻き起こり、血祭りにあげられる。それは、真摯に反戦平和を訴えている吉永が、ネット上では“在日”“反日女優”“売国芸能人”などという大バッシングに晒されるほどだ。

    しかし、吉永はこうした状況に怯まない。むしろ、反戦や平和、護憲を言いづらくする圧力があるからこそ、みんなで声をあげる必要性を訴えるのだ。

 7日、新文芸坐で行われたトークイベントで、吉永はこのように語っている。

  「私がいくつまで元気でいられるか分かりませんけれど、80歳になったときには戦後80年、90になったら戦後90年、100歳になったら戦後100年と、“戦後”が続いてほしい。そのためには、私たちが『戦争は、嫌だ!!』としっかり言わないといけない。そう思っている方たちは声に出して!と願っています」

   1945年生まれの吉永が、自身の年齢と重ね合わせて“戦後”という歳月を強調するのは、おそらく「戦後レジームからの脱却」を目指す安倍首相へのアンチテーゼだろう。そして、誰もが知る大女優である吉永が目線を下げずに「私たちが」と呼びかけるのは、「改憲してもさすがに戦争はしないだろう」とタカをくくっている多くの国民に対して、真剣に訴えかけているからに他ならない。

   自民党の改憲草案が目論むように、自衛隊が「国防軍」となれば、この国は戦後、初めての戦死者を出す。もちろん、人も殺す。だからこそ、吉永の言うように“私たち”みなが連帯して「戦争は嫌だ!!」と叫び続ける必要がある。将来、子どもたちに、いま私たちが生きている時代を“戦前”と呼ばせないためにも。

 (伊勢崎馨)


私たちは買われた展

2016年08月16日 | 社会・経済

女子中高生の体験、パネルに表現して
 企画展が東京・神楽坂のギャラリーで開催

   毎日新聞2016年8月15日 

   虐待や貧困から「援助交際」や「JKビジネス」に足を踏み入れた女子中高生らが、自らの体験や思いを表現した作品を展示する企画展「私たちは『買われた』展」が、東京都新宿区の神楽坂セッションハウス2階ギャラリーで開かれている。

 「高1の終わり、父の子どもを妊娠した。中絶し、男の人の家を泊まり歩くようになった」「家を出た私を泊めてくれるのは、買春者か風俗の客かスカウトだった」「彼は私を売ることでお金を稼ぐようになった」−−。会場には、性的虐待の経験や売春に至った経緯を語ったパネルや日記が並ぶ。「繁華街を一人、うつむいて歩いていた」という少女の目線から撮った街の写真や、売春のため出入りしていたホテルの廊下など、当事者の話をもとに写真家の森田友希さん(26)が心象風景を撮った作品も展示されている。展覧会は少女の自立支援をサポートする一般社団法人「Colabo」(コラボ)とつながりをもつ少女たちが企画し、女子中高生を含む14〜26歳の24人が参加した。

   女子中高生らは10日に記者会見し、「売春する女の子の事情や背景を知って」「警察に補導され怒られるのは弱い子どもだけ。買っている大人を注意してほしい」と訴えた。自分と同じ経験をした子がいると分かったことで「一人じゃないんだと思った」と話す少女もいた。

   企画展のタイトルは、少女たちが経験を語り合う中で「売ったというより買われたという感覚だった」と打ち明けたことがきっかけで決まったという。コラボ代表の仁藤夢乃さん(26)は「さまざまな事情を抱えて困っている少女に買春を持ちかける大人がいて売春が成り立つ。過酷な現実の中で生きている女の子がいることを知ってほしい」と話す。

   子どもの性的被害に詳しい川村百合弁護士は「今まで表に出てこなかった被害少女たちが、自分の言葉で実情を訴えたことには大きな意味がある。被害に遭うのは保護を必要としている子どもたちで、性的ビジネスに取り込まれるのは、児童福祉のセーフティーネットが機能していないことが原因。行き場のない子に買う側の大人が一見優しく近づき、少女たちがだまされていく現状がある」と指摘している。

 企画展は正午〜午後8時(最終日は午後5時まで)。入場料は一般1500円、高校生以下無料。21日まで。【中川聡子、上東麻子】


平和を考える8月

2016年08月15日 | 社会・経済

 無謀な戦争に負けた日だ。かつての侵略戦争を正しかったとする「靖国派」が現実政治の中枢を占めている。6日9日には原爆が落とされ、その犠牲者は、ほとんどが非戦闘員ばかりの一般市民、赤ちゃんから小学生、中学生、その他の学生、主婦、老人の無差別殺戮であった。
 2度と戦争は起こさないと決意し、「平和憲法」を制定した。今その逆流が起きている。
8月は各メディアが「平和と戦争」を考える企画が少なくない。子どもたちも夏休みで一緒にテレビを見て話し合う機会もあっただろう。しかし、今年はオリンピックに占領されてしまった感がある。スポーツも平和があってこそである。

 今月末、収穫予定のスイカがもう食べられてしまった。これはキツネだろう。まだ赤くもなっていないのに、それでも甘いのか?

 


お盆

2016年08月14日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、娘と孫が2泊して札幌に帰った。その前にTABITAに寄り、さまざまな大福餅を購入。
ここは、無添加の美味しい餅。

 

 手塩に帰省した友人が帰りに拾ってくれるという時間にまだ少し余裕があったので、近くのバラ園へ。やっぱり、雨が少ないので精彩がない。

 

 昨日の予報では月曜日の午後から雨マークだったのに、今日確認したら雨マークは消えていた。農作物にも雨が欲しい。

 流れ星は見えましたか?昨夜見たのは5秒間ほども見えて、真直ぐではなく、クニャと曲がって消えていきました。やっぱり、田舎の空の広いところでなければ、しかも周りが暗くなければ難しいのかもしれませんね。
 入れ替わりに今夜は息子が帰ってくる。
墓参りは旭川で2日に済ませてきた。


絹ごしvs木綿 豆腐はどっちが栄養価が高い?

2016年08月14日 | 食・レシピ

健康寿命 延びる冷や奴・縮む冷や奴

PRESIDENT Onlineライフ 2016.8.13   

佐藤 秀美(さとう・ひでみ)学術博士(食物学)、栄養士、日本獣医生命科学大学客員教授

 絹ごしvs木綿 豆腐はどっちが栄養価が高い?

 私は買い物カゴ・ウオッチャー。カゴの中身を覗けば、その人の食生活や健康状態がおおよそ推測でき、食生活の改善ポイントが見えてきます。

 ある晴れた日の昼下がり、スーパーの豆腐売り場で80歳前後の老夫婦が、木綿豆腐と絹ごし豆腐のどちらにしようか迷っている場面に出くわしました。「仲の良い夫婦だわ」と微笑ましく思いながら、買い物カゴをみると、中には納豆が入っています。
買い物カゴを持っているのがご主人ではなく奥さんであること、ご主人をよく見ると少し猫背気味、さらに痛み止めの湿布の匂いがフンワリ漂っています。

 もしかして、ご主人は骨粗鬆症かもしれません。「骨粗鬆症の予防に木綿豆腐が良いですよ」とオバサンは声をかけたくなりました。

 さて、骨粗鬆症はお年寄りだけの問題ではありません。若い世代や男性にも大いに関係あります。この症状の怖さやリスクなどは後述するとして、この夏の時期、効率的に骨粗鬆症対策できる、おいしい食事の方法をお教えいたしましょう。

 ▼骨粗鬆症の予防に欠かせない栄養素はカルシウム、ビタミンD、ビタミンK

 骨粗鬆症の予防にはカルシウムさえ摂っていれば大丈夫、と安心する人が多いようですが、これは“泥船に乗って”安心するようなものです。

 骨作りには、その原料となるカルシウム以外に、ビタミンDとビタミンKも合わせて摂らなければならないからです。ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を助け、ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促す働きがあります。

 この3つの栄養素、いわば「骨のゴールデン・トライアングル」と、脂溶性のビタミンDとKの吸収率を高める油脂も一緒に摂れば、“大船に乗って”安心した気分でいられるでしょう。

冷や奴に納豆を載せるといい理由

▼木綿のカルシウム量は絹ごしの約3倍!
【カルシウム】豆腐

スーパーで出会った老夫婦が絹ごし豆腐と木綿豆腐のどちらにしたかが気になりますが、カルシウムを摂ることを考えるなら、木綿豆腐を選ぶのが正解です。

なぜなら、カルシウム量は“木綿”の方が“絹ごし”の3倍近く多いからです。木綿豆腐約1/2丁(180g)で牛乳コップ1杯(200ml)相当のカルシウムを摂ることができます。

また、豆腐のカルシウム吸収率は牛乳と同じ位高いことがアメリカの研究で明らかにされています。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人の骨作りには、木綿豆腐が大いに役立つことでしょう。

▼ビタミンKを摂るなら野菜より納豆
【ビタミンK】納豆

ビタミンKにはビタミンK1とK2の2種類があります。

ビタミンK1は緑黄色野菜、ビタミンK2は納豆に豊富です。これまでに、体内に吸収された後の作用はビタミンK2の方がK1よりも強いことが分かっています。

納豆はビタミンK2が豊富なうえ、納豆1パック(40g)のビタミンK量が1日に摂るべき目安量の1.5倍と多いことも嬉しい限り。納豆が苦手な人には、酢と日本酒で特有の臭いと粘りを抑えた納豆がオススメです(写真1)。

これなら、ヒジキ煮や切り干し大根煮などに混ぜても“納豆感”が出ないので、ビタミンK2をおいしくたっぷり摂ることができるでしょう。

<“臭いと粘りを抑えた納豆”の作り方>

*材料(1人分)
納豆1パック(40g入り)/酢小さじ2/レモン汁小さじ1/2弱(レモン汁がなければ酢だけでも可)/日本酒大さじ1
*作り方
(1)納豆パックに酢とレモン汁を入れて粘りを出さないように軽くかきまぜる。(酢とレモンの酸で粘りを抑える)
(2)(1)に日本酒を入れる。(日本酒で納豆臭を抑える)
(3)(2)を耐熱皿に移し替え、電子レンジ(700w)で加熱。(加熱時間の目安、2分20秒)

 

▼適度な日光浴でビタミンDを体内合成!
【ビタミンD】日焼け

骨のゴールデン・トライアングルのひとつである、ビタミンD。スーパーで見かけた老夫婦は、1日に必要なビタミンD量を体内で合成できているかどうかはわかりません。なぜなら日焼けした様子はなく、色白だったからです。

ビタミンDを得るには、(1)食べ物から摂る、(2)日光(紫外線)を浴びて体内で合成する、の2つの方法があります。

(2)については、夏であれば正午に両手の甲と顔を日光に当てると、沖縄で約3分、関東で約4分、札幌では約5分で1日の目安量が合成されることが報告されています(熱中症には十分ご注意ください)。

ビタミンDは体内脂肪に溶け込んで貯められるので、夏に適度な日光浴をすれば、紫外線量の少ない冬の分もある程度確保できそうです。ただし、日焼け止めを塗ったら、ビタミンDは合成されません。「色白美人」を目指す人は、日焼け止めは顔だけにし、手足でビタミンDを合成すると良いかもしれませんね。

スーパーで見かけた老夫婦が木綿豆腐と納豆の入った買い物袋を下げ、太陽を浴びながら仲良く家に帰る姿を思い浮かべ、オバサンは心がポッカポカ。おふたりがいつまでも健やかに幸せに過ごされますように。

骨粗鬆症は女性だけでなく男性もアブナい!

 今回は骨粗鬆症対策のひとつとして、いくつかの食材などをご紹介しましたが、ここで基礎知識をおさらいしておきましょう。骨粗鬆症の怖さとリスクについてです。

 「骨粗鬆症は女性の病気だから、ボクには無縁」と思っている男性にお尋ねです。

 「身長が縮んだ」
 「背中や腰が曲がってきた」
 「背中や腰に痛みが生じる」
 「背中をしたにして眠りにくい」

 と感じることはありませんか?

 もしあれば、それは骨粗鬆症が原因かもしれません。骨粗鬆症とは、骨量(カルシウム・マグネシウムなどのミネラル量)が減少して骨がスカスカになり、骨折が生じやすくなる病気。将来の「ねたきり」や「要介護」のリスクを高めます。最近では平均寿命が延びていることから、男性の骨粗鬆症も増えています。

 骨は、古くなると「破骨細胞」によって壊され、「骨芽細胞」によって壊された部分が修復される、の繰り返しで、絶えず新しい骨と入れ替わっています。成人でも約3年で、全身の骨の全てが新しく生まれ変わります。

 たとえ100歳の人でも同じです。ただし、加齢とともに骨芽細胞の働きが弱まるので、骨量は20歳前後をピークに、その後、減っていきます。

 女性の場合、閉経に近づくにつれ、破骨細胞の働きを抑え込んでいた女性ホルモンの分泌量が減るため、閉経前後に骨量がガクンと減ってしまいます(図1)。このため、50歳前後から骨粗鬆症のリスクが高まり、60歳代で約4人に一人、70歳代で約2人に一人は骨粗鬆症と言われています。男性は若い時の骨量が女性よりも2~3割多く、その後、年々緩やかに骨量が減っていきます。

 男性の骨粗鬆症の進行は女性よりも15年ほど遅く、65歳頃から骨粗鬆症のリスクが高まり、80歳を過ぎると目に見えて増えてきます。男性の平均寿命が80歳を超える現在、男性の骨粗鬆症が目につくのも当然といえば当然なのですね。「骨粗しょう症になるリスクは誰もが持っている」と心得え、健康な骨作りに日々励むことが大切です。


甘い!プロ直伝トウモロコシのゆで方

2016年08月13日 | 食・レシピ

MYLOHAS編集部 - MYLOHAS - 2016年7月25日

  夏野菜は数あれど、自然のやさしい甘さとプチっとはじける食感が人気のとうもろこしは大人も子どもも好きな方が多いのではないでしょうか。

夏の恵みをさらにおいしく

 とうもろこしといえば炭水化物、と浮かぶように世界の3大主食にあげられる食材。カロリーが高いのでは? と嫌煙しがちかもしれませんが、じつはビタミン、ミネラルもバランス良く含んだ万能食品。その上、食物繊維も豊富に含まれているので腸内環境も整えられるのでダイエットにもぴったりなんです。

 そんなとうもろこしですが「ゆで方」というのは人それぞれ。電子レンジを使ったり、茹でると言っても水からだったりお湯からだったり。どうすれば一番良いのか悩んでしまいますが、せっかくならばおいしくランクアップするゆで方を知りたいもの。そう思っていたら、甘さを引き出してジューシーに茹で上げる方法を「FOODIE」で見つけました。伊勢丹新宿店の青果専属シェフ・鈴木理繪さんによるとそのポイントは3つ。たったそれだけで違いがわかる甘いとうもろこしに仕上がるのだそうですよ。

1.薄皮を1〜2枚残す

 ひげの茶色いところを切り落とし、薄い皮を1〜2枚残して外側の皮をむきます。薄皮を数枚残すことで、とうもろこしのうまみを閉じ込めることができるんです。緑色の皮ごとゆでてしまうと、皮の青臭さがとうもろこしの粒に移ってしまいます。

2.水からじんわり加熱することで甘みがアップ

 深めのフライパンにとうもろこしを入れ、ひたひた程度に水を入れます。沸騰しないように中火にして3~5分ゆで、薄皮を通して見える粒が黄色く鮮やかになったらゆであがり。じんわりと加熱することで、とうもろこしのでんぷんがゆっくり、しっかりと糖に変わり、甘さを引き出すことができます。とうもろこしが水に浮かないように、落とし蓋をしたりゆでながら菜箸で転がしたりしてください。

3.保存は皮をむいて、ラップでくるむ

 ゆであがりは、すぐに皮をむかずにそのままザルなどにあげて、常温で冷まします。水をかけたり、冷蔵庫で急冷させたりすると粒がシワシワになる原因に。とうもろこしがしっかりと冷めたら薄皮をむきます。とうもろこしは完全に皮をむいた状態でラップに包み、冷蔵や冷凍で保存が可能。冷蔵なら1~2日、冷凍なら2~3週間のうちに使い切るようにしましょう。冷凍したとうもろこしを使うときは、自然解凍するかそのまま加熱調理してOK。

(「FOODIE」より引用)

 ゆでる、というといつも皮をきれいにむいてから、と思っていたのですが皮を残すのがうまみを閉じ込める秘密なのだそう。ぐらぐらに煮立てるのではなくゆっくりやさしく火を通すことで甘さがさらに引き立つ仕上がりに。

 とうもろこしは時間が経つと鮮度が落ちやすいので取ってからすぐに調理するのが理想。そのまま食べるほかにも、いまの時期ならばバーベキュー感覚でお醤油をつけてこんがり焼いたり、粒だけにして冷たいコーンスープをつくっても食が進みそう。新鮮なものをゆでておいて保存しておけばいつでもおいしいままお料理に使えて便利ですね。

 夏のおいしい恵みを、さらに引き立ててくれるゆで方。早速試してみたくなりました。


夕涼みしながら流星群を見よう!

2016年08月12日 | 自然・農業・環境問題

2016/08/12 10:42 ウェザーニュース

ペルセウス座流星群ピーク
今夜は絶好の観測条件に!
 
今夜は3大流星群(※)のひとつペルセウス座流星群の出現ピーク!今年は絶好の観測条件なので、夏休みの夜は家族で星空を見上げてみよう♪
※ペルセウス座流星群、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群
 

今年は期待大!

12日(金)夜〜13日(土)明け方は、全国各地で晴れて星空が楽しめる予想で、「バッチリ見える」エリアが広範囲に広がっています。内陸の一部で「チャンスあり」となっているのはゲリラ雷雨の影響によるもので、遅い時間ほど天気が回復して流星を見られるチャンスが増える見込みです。

北海道の太平洋側では海から風が吹いて、低い雲が広がりやすくなります。沖縄も湿った空気が流れ込み、雲が広がるタイミングあり。
雲の隙間を狙っての流星観測となりそうです。

どんな流星群?

ペルセウス座流星群は、毎年お盆の時期に出現します。条件がよければ1時間あたりに40個以上、条件がよい時に熟練者であれば80個以上の流星を観測することができます。

この流星群の母彗星はスイフト・タットル彗星で、約130年周期の楕円軌道で太陽のまわりを回っています。ピーク日以外でも、特に前後数日は活発に活動する様子を観測するチャンスがあります。

いつ・どこに見える?

放射点:この点を中心にして流星は放射状に出現

・出現期間:7月17日~8月24日
・ピーク :8月12日(金) 22時頃

・観測のオススメ日時
放射点が高くなる12日(金)21時以降〜13日(土)未明
・観測のベスト日時
月明かりがなくなる12日(金)24時頃〜13日(土)未明

放射点があるペルセウス座は、21時頃から北東の空に現れて、深夜には空高くに昇ります。出現ピークの12日(金)は、深夜になると月が沈むため、日付が変わったあとから明け方にかけてが、より多くの流星を見られるチャンスとなります。

流星群はペルセウス座の周辺のみに出現するわけではなく、夜空のどこにでも現れます。周囲が開け、街灯などが少ない場所でゆっくりと寝転びながら観測するのがオススメです。
 
 

うつ病リスク下げる三つの食品

2016年08月12日 | うつ・ひきこもり

緑茶4杯で半減! うつ病リスク下げる三つの食品    2016.7.25

  最近、うつ病治療で注目される分野がある。「精神栄養学」。食事とうつの関係や、生活習慣病との相関関係にも着目、従来の治療に「食の改善」や「生活習慣病対策」を加え、症状が改善するケースもあるようだ。
 うつと食事、栄養素の関係をみる研究は最近になって増えている。その結果、いくつかのことがわかってきた。具体的にみていこう。

  国立精神・神経医療研究センター病院の功刀(くぬぎ)浩医師(神経研究所疾病研究第三部部長)が、うつ病リスクを下げる食品としてまず挙げるのは、日本人になじみ深い「緑茶」だ。東北地方の70歳以上を対象にした調査では、緑茶を1日4杯以上飲む群は、1杯以下の群に比べて、うつリスクが半分程度だった。また、功刀医師らのアンケート調査でも、健康な人に比べて、うつ病患者は緑茶摂取量が少なかった。

  緑茶がなぜうつのリスクを下げるのか。

 功刀医師は「うまみ成分“テアニン”や、渋み成分の“カテキン”の薬効によるものではないか」と推測する。
 「テアニンはグルタミン酸からできるアミノ酸で、リラックス効果のある成分です。大脳皮質にある神経細胞の約7割が、グルタミン酸を神経伝達物質の材料にしているので、テアニンをとることで神経細胞の伝達が調整されるのではないかと考えられています」(同)
 カテキンには、抗酸化作用で脳の神経細胞を守るほか、うつ病との関連が示唆されている脂質異常や血糖値の上昇を防ぐ作用もあるため、直接的、間接的に抗うつ作用を示すという。
 なお、テアニンは玉露や抹茶など高級品に多く、低温で抽出するとよい。一方、カテキンは安価な緑茶に多く含まれていて、高温で入れるのが抽出のポイントだ。

 次は栄養素の「葉酸」。

 「葉酸は、脳内の神経物質、ノルアドレナリンやセロトニンなどの合成に必要な栄養素の一つ。抗うつ薬+葉酸の摂取群と、抗うつ薬+偽薬の摂取群とを比較した海外の研究では、葉酸摂取群のほうで治療効果が高いと報告されています」(同)

葉酸の抑うつ予防効果については、国立国際医療研究センター疫学・予防研究科の南里明子さんらも研究している。21~67歳の男女約530人の血液中の葉酸の濃度と、抑うつとの関連を調べると、男性の葉酸濃度が高い群は、低い群に比べて、抑うつ症状のある人が少ないことがわかった。さらに、3年後に同じ対象者を調べたところ、ベースライン時の葉酸の血中濃度が高い群で、うつ症状が起こりにくかった。

「我々の研究は健康な人を対象に、うつとの関連をみています。うつ病患者さんにどれくらい効果があるのかまではわかりませんが、再発予防につながる可能性はあると期待しています」(南里さん)

 葉酸は緑の野菜やレバーなどに多く含まれている。

 三つ目は、ヨーグルトなどに含まれる善玉菌。

前出・功刀医師らが、うつ病患者と健康な人の便の菌の量や種類を測定したところ、うつ病患者は健康な人に比べて善玉菌が少なかった。
 「腸には口から入った有害物質を体内に吸収させないバリア機能があります。ところが、善玉菌が少なくなると、バリア機能が弱まり、有害物質が入り込みやすくなる。その結果、小さな炎症があちこちで起こるようになり、その影響が脳に及んで、神経細胞を傷めてしまう。それがうつの発症にも関係すると言われています。善玉菌を増やすことでバリア機能を高め、結果的にうつのリスクを減らすのだと思われます」(功刀医師)

 今回取り上げたのは三つの食品と栄養素だが、前出・南里さんによると、ビタミンB6やビタミンD、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも、抑うつ症状の低下に関連しているという研究結果が出ているそうだ。
 大事なのは、これらをサプリメントなどで摂取するよりも、日々の食事で体内にとり入れることだという。
 野菜、果物、大豆製品などをバランス良くとっている群では、抑うつ症状のある人が少ないという調査結果も出ています。また、ビタミンDは食事での摂取のほか、日光を浴びることで作られるので、ときには日焼け止めや日傘をやめて、短時間でも日光を浴びてほしいですね」(南里さん)

 功刀医師にうつに効く“理想的な食事”を監修してもらった。その内容は、「緑茶」「納豆」(納豆以外にも、肉、魚、卵などタンパク質のおかずでOK)、果物やシリアル、ハチミツなどを入れた「ヨーグルト」、野菜・きのこ・海藻たっぷりの具だくさん「味噌汁」、ビタミン・ミネラル豊富な「玄米ご飯」(量は少なめ)。こうした食事を朝食で十分にとることは、一日の活動のスイッチを入れ、うつ病治療でも大切な生活のリズムを整えることにもつながる。
 もう一つ、うつと食で忘れてならないのは、「とらないほうがいい」ものだろう。それは「エネルギー」。食べすぎなどによるエネルギー過多は、生活習慣病の原因になるだけでなく、うつ病の発症にも関係するということがわかってきたのだ。
 実際、海外の多数の研究結果から、肥満や糖尿病はうつ病のリスクを1.5倍上げ、うつ病も肥満や糖尿病のリスクを1.5倍にするという相関関係がわかっている。
 「うつ病治療の原則が『休息』とされるので、どうしても活動量が減ってしまう。うつ病になると食欲が落ちるという印象がありますが、薬の影響などで食欲は比較的早く戻る一方、活動意欲の回復には時間がかかるので、エネルギーの過剰摂取が起こりやすい。生活習慣病を発症して、病状を長引かせてしまう場合もあります」(功刀医師)

  ※週刊朝日 2016年7月29日号より抜粋


山の日に・・・

2016年08月11日 | 日記・エッセイ・コラム

 昔はよく一人でも登山に出掛けたものだ。しかし、最近では体力的に自信がなくなり、もう何年もご無沙汰状態だ。今はもっぱら山歩きだ。山菜を採ったり、木の実を採ったり、キノコを採ったり、その他植物を眺めたり、山の色々なものを眺めながら歩く。
 今日は家の裏にある山ブドウを見てきた。

結構なっている。昨年もたくさん実をつけていたが黒くなった途端、鳥たちが食べつくしてしまった。さて、今年は無事に収穫できるだろうか。


引きこもり、死の淵から復活した男性の軌跡

2016年08月11日 | うつ・ひきこもり

引きこもり、死の淵から復活した男性の軌跡

2016年8月9日 林公一 / 精神科医

 

100人に1人が発症 「統合失調症」の真実【4】

 かつては不治の病だった統合失調症ですが、現代では有効な治療法があります。たとえ発症した当初は病気だと理解できなくても、治療を受ければ回復し、普通に社会生活を送ることも期待できます。今回はそんな方の体験談をご紹介します。

発症から15年 安定した社会生活へ

 僕はいま39歳ですが、24歳のとき統合失調症を発症しました。はじめはなんとなく周りの人から監視されているような不気味な感じから始まり、そのうちに複数の人が自分に対して陰謀をたくらんでいると確信するようになりました。そう確信したとき、それまでの不気味な雰囲気の真実がすべてわかったと、電撃のようにひらめいたことを覚えています。

 それからまもなく「こいつが〜〜(〜〜の部分はよくわかりませんでした)」「殺してやろう」などの幻聴が聞こえ始めました。いま思えば幻聴だったということははっきりわかるのですが、当時は本当の声だと信じていました。こういう声が聞こえることが、陰謀が事実である証しだというふうにも考えていました。さらに、部屋や車に盗聴器が仕掛けられている、監視カメラで常に監視されていると感じられました。自分は孤立無援で殺されるに違いないと思い、自殺を図りました。殺されることを恐れて自殺するというのも、いま思えば妙な話ですが、当時はそんな理性的な考え方ができる状態ではありませんでした。

 それから間もなく怒鳴ったり暴れたりして手がつけられなくなり、親に病院へ連れて行かれ閉鎖病棟に強制入院(医療保護入院)となりました。入院した当初は、病院の医師も陰謀団とグルで、自分は薬で殺されると思い、恐怖に震えていましたが、3カ月ほど入院して薬を飲むうちに症状がおさまりました。

 退院後はさらに調子が良くなったのでもう治ったと思って勝手に断薬をし、2回再発してその2回とも強制入院になりました。今は1日1錠の薬を欠かさず飲むことで非常に安定し、仕事にも休まず行っています。

漠然とした恐怖から引きこもりに

 統合失調症では、脳の中でドーパミンという物質を通じて情報伝達を行う神経経路が変調をきたしていることが今ではわかっており、薬でこの変調を正常化することで、統合失調症を治療することができます。

 この方の現在までの経過を簡単に振り返りながら、解説します。

・「はじめはなんとなく周りの人から監視されているような不気味な感じから始まり」

 このような漠然とした恐怖を感じて引きこもるというのが、発症の典型的な一つのパターンです。

・「そのうちに複数の人が自分に対して陰謀をたくらんでいると確信するようになりました」

 漠然とした恐怖が被害妄想という症状に結実しています。

・「それからまもなく『こいつが〜〜』『殺してやろう』などの幻聴が聞こえ始めました。いま思えば幻聴だったということははっきりわかるのですが、当時は本当の声だと信じていました」

 被害妄想的な内容の幻聴です。治療を受ける前は、本当の声だと思っておびえるのが普通です。

・「部屋や車に盗聴器が仕掛けられている、監視カメラで常に監視されていると感じられました」

 典型的な被害妄想です。業者に委託して盗聴器を調べてもらうという行動が見られることもあります。

「理由不明の自殺」になっていた可能性も

・「自分は孤立無援で殺されるに違いないと思い、自殺を図りました」

 この方は幸運にも一命をとりとめましたが、もし自殺を完遂していれば、周囲からは理由のわからない自殺ということになっていたでしょう。統合失調症ではそういう自殺がよくあります。

・「怒鳴ったり暴れたりして手がつけられなくなり」

 このような外見だけを見て、「精神病の人は暴れる」というイメージが作られがちですが、そのベースには幻聴や被害妄想があるのです。

・「親に病院へ連れて行かれ、閉鎖病棟に強制入院(医療保護入院)となりました」

 閉鎖病棟とは鍵のかかる病棟、医療保護入院とは本人ではなく家族などの同意による入院を指します。

・「入院した当初は、病院の医師も陰謀団とグルで、自分は薬で殺されると思い、恐怖に震えていました」

 食べ物や薬に毒が入っているという妄想を、被毒妄想といいます。この妄想のため、治療が難航することがあります。この方の場合も、当初は薬を飲んでいただくのが大変だったと思われますが、3カ月の薬物療法で症状はようやくおさまりました。ご本人もご家族も安堵(あんど)されたことでしょう。しかし……

自己判断による服薬中止で再発

・「調子が良くなったのでもう治ったと思って勝手に断薬をし、2回再発してその2回とも強制入院になりました」

 残念ながらこういうケースが後を絶ちません。統合失調症は薬をやめると再発するのです。脳内のドーパミンの変調が再燃するからです。再発の経験をして初めて、薬の必要性を含めた病気への理解が深まるのがよくあるパターンなのです。この方も次のようにおっしゃっています。

・「いま僕が強く思うのは統合失調症という病気についての知識が非常に重要だということです。事前に病気に対しての知識があれば、発症時に『もしかしてこれは?』というふうに気づくことができ、早期の受診にもつながると思います」

 まさにその通りです。さらにここで強調したいのは、前回までにご紹介したような、治療を受けなかった場合の悲惨な事実を知ることの重要性です。それがなければ、たとえば閉鎖病棟は容認できないでしょう。強制入院も容認できないでしょう。薬の副作用も容認できないでしょう。

偏見を持たず早期治療を

 正しい知識を持っていれば、発症の早い時期に気づくことができます。偏見を持っていなければ、早い時期に精神科を受診することができます。脳内メカニズムと薬の知識を持っていれば、薬をやめて再発して再入院することは避けることができます。この方は最後にこう言っておられます。

・「これからも服薬をしながら、慎重に自分の心と体の変化に注意を払い、病院の先生とよく相談しながら心身の安定に努めたいと思います。時代が変わり、世代が変わり、知識が増え、精神病の人たちへの偏見や差別がなくなり、早期の診断と治療がごく普通になることを願っています」

【100人に1人が発症 「統合失調症」の真実【1】 【2】 【3】はこちら】

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