TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

息子の名前を忘れた

2022年05月13日 | インポート
と言っても、認知症の父の話ではありません。
ほかでもない、ワタクシです。

わたしが契約している保険の代理人として、息子を登録するために、郵便局に行ったときのことである。
息子の名前を手書きしたメモを郵便局員さんに渡す。
まもなく戻ってきた局員さん、「この字でいいのでしょうか。実はこれとよく似た字でもうひとつあるのですが……」
ええ! 改めてそう聞かれて動揺するわたし。
確かに同じ読み方で似た字があるが、今までほぼ無意識に書いていたので、どちらだったか、なんともはや思い出せない。
彼あての手紙類も、パソコン入力だったので、初めに変換されるほうを自然に使っていたと思われる。
「一般的なほうはどちらですか?」とおどおどと質問するわたし。
「こちらのほうが一般的のようですが」と微笑みと穏やかさを失わないのの、明らかにとまどいながら局員さんが教えてくださる。
「え、このお母さん、自分の息子の名前の字体も御存知ないのかしら!」と明らかにそう思っているよね、と思うと、消え入りたくなる。
そもそも、命名したのは、わたしじゃないし、などという言い訳ももはや通用しない。
なんてったって、いちおう、わたしはお母さんなんだから―。
まあ、違っていたら修正しにまた来ればいいわ、と思い直し、おみやげの、ポストの形をした貯金箱(これ、前々から欲しかったのよ)をいただいて帰ってきた。

そういえば、現在飲んでいる薬を処方されるとき、「この薬を飲むと、忘れっぽくなる人がいますが、そんなことはありませんか?」と、主治医に聞かれたことがあったっけ。
もしや、と思う。
しかし度忘れなど服薬前からしょっちゅうのこと。
人の名前が出てこない、先日は、「PHS」という簡単な単語をいつまでも思い出せなかった、迷いようのないまっすぐな道で道に迷う、冷蔵庫にいれたはずのキャベツが、どういうわけか冷凍庫の中からカチカチになって出てくる、立ち上がった瞬間、何をしようとして立ち上がったか忘れるなど、日常茶飯事。
薬のせいでもないような気もするし……。
「それは加齢のせいですよ」と、せいぜい一笑に付されるのがオチで、相談してみる気も起こらない。


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2 コメント

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Unknown (カラス)
2022-05-13 17:36:34
年上の私が言うのもなんですが、イヤイヤ、年上だからこそわかりますが
普段頻繁に見書きしない事柄については、いざと言うときに頭の引き出しのどこにあるか迷うものなのです。読みは大丈夫でも書きは様々ですからね。
こちらの記事を拝見してから、うちの家族の名を漢字で思い出そうとして、なんと5秒ほど考えました。(^_^;)ショック。
私は10年ほど前から、脳神経外科から薬を出していただいてますが、加齢にはかなわない。カレンダーを見ながら今日の曜日を何度も自分に確認させています。
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Unknown (TOMATO)
2022-05-13 18:02:30
カラスさん、ありがとうございます。

読めても書けない…という現象は頻繁に起こりがちですよね。(特に、パソコンの出現以来…と言い訳(^^ゞ)
5秒で出てくれば大丈夫ですょ。わたしなど、結局、正しい字体を確認する勇気が未だありません。
長い間お休みしていた時など、出勤というメリハリがなかったせいでしょうか、今日が何曜日か本当にさっぱりわからなくなっていました。
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