TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

我ら囚われびと

2022年05月21日 | インポート
映画『ショーシャンクの空に』をテレビで放送していたので、録画をして観た。
この作品もまた、随分前に、知人の薦めで、DVDをレンタルして観たことがある。
最近は新しいものを、というよりも、以前に出会った作品に今一度、会いたくなるようだ。
以前観た時は、図書係の年配受刑者を演じていたジェームズ・ホイットモアという俳優の味わい深い演技が気に入って、彼の出演する別の映画もその後借りたっけ。
あれほどいいなア、と思って日記に作品名まで書いておいた作品も、ストーリーの細部はすっかり忘れているのは相変わらず。
ああそういえば、こんな場面があった、あったと思い出しながら観るのも一興である。

無実の罪をきせられたひとりの男が、刑務所の不正に手を貸すふりをしつつ、着々と脱獄のための穴を掘り続け、20年近くの歳月の末、脱出に成功する話だ。
散々な目に合わせた刑務所の幹部への復讐もしっかり忘れないのも、溜飲がさがる。

2度目ともなると、レッド役が、中尾ミエさんに似ているわとか、図書係のおじいさんが気になったのは、母方の祖母に雰囲気がよく似ているからかもしれない(年をとると男女の区別があいまいになる)などと、本題からそれた見方をする余裕も出てくる。

最終章、太平洋に面した地で再会したふたりの笑顔と、抱き合う姿を遠景から描写したシーンは、おそらく、最初に観た時もそうだっただろうと思うが、何度も再生して観た。

本当の自由という意味は、こうした場所に長らく拘禁された身ではないとわからないのかもしれない。
 わたしたち娑婆にいる人間だって、本当に自由かというとそんなことはなく、むしろ、いろんなしがらみや規則にがんじがらめになっている。逃げたくても逃げ出せず、「壁」を憎み「壁」に慣れ、そして「壁」に依存するようなる受刑者と同じ、囚われの身なのではないか。
そう思うから、下水管の中を汚物にまみれながらも脱出したアンディに、こんなにもすがすがしく共感するのかもしれない。


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2 コメント

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Unknown (カラス)
2022-05-21 21:53:06
この映画は、これまで2回くらい、家族が観ていた傍らでチラ見ているうちに引き込まれ、後半からマジ観した経験があります。
一回目にストーリーの前半を観ていないので、二回目も映画の後半から気が付くという、モッタイナイ鑑賞ではありますが、ラストがとても印象的でした。
『ショーシャンクの空に』
NHKBSプレミアムだったでしょうか。番組欄を見ても気が付かなかったです。題名も覚えていなかった"(-""-)"
邦画にはないダイナミックさがキモチ良いです。
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Unknown (TOMATO)
2022-05-22 07:53:02
カラスさん、おはようございます。

これまでも何度かテレビ放送されていたのですね。
今回は、「リクエスト多数 不朽の名作」と銘打って、日テレで放送されていました。
ワタシも解放されたい(ナニカラ??)などと思いつつ、でも役割は大事、図書係みたいな地味な仕事をしたい……と思いながら観ました。

外国の地名や名前は覚えにくいですね。
映画の後半になってやっと馴染んできます。
ラストの描写のしかたは、本当に、すばらしかったです。
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