TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

ポスト新装開店

2022年05月15日 | インポート
わたしが住む集合住宅の、集合ポストの一斉お取替工事が行われた。
機能的には問題ないが、老朽化が激しく、なにしろ汚い。
中は砂だらけ。
風が強い日なんかに、完全に閉まり切らない外側の差込口から、砂が入り込んだものと思われる。
工事当日は、朝から、ドリルの音や、トンテンカントンテンカンと派手な音が3階のわが部屋まで響いてくる。
どんなポストになるのかな。
ダイヤル式の今までのと同じような大きさ、つくりなのだろうが、新しくなるというのはうれしい。

各戸のポストには、新しいダイヤルナンバーを書いたメモが差し込まれている。
工事が終わったころをみはからって、メモを持っていそいそと集合ポストを訪問する。
以前の、錆とホコリと砂だらけのポストとは見違えるよう……。
銀色に光っている。

差込口側には、各部屋の住人の名字を書いたシールもしっかりと貼付されている。
今までは、お名前シールも、はがれかけていたり破れたりしていて、お隣さんの名前すらわからなかった。
入居5年目にして、お隣の、咳くしゃみという持病持ちの男性の名字を初めて知った。
学生の入居者が多い中、珍しく年配の女性(わたしの母と同じぐらいの年で、エントランスの2,3段が辛いようで、這うようにのぼっていかれる)が、わたしのすぐ下の部屋に今年の4月から入居したのだが、彼女の名字もわかった。
名字を知ると、ちょっと心理的に近づく。
ほんの少しだけど。
お互いに、お隣さんの名字を初めて確認するいい機会になっただろう。

空室は、ひと部屋だけ。
お入学や入社の時期に合わせて引っ越してくることを考えると、今の時期は、満員御礼なのだろう。

ポストが新しくキレイになったところで、配達されるもののほとんどは、ダイレクトメールやチラシなどだが、それでも、開ける瞬間は気持ちがいいものだ。


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