箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

春の芽吹きを求めて・・・

2020-08-25 | *編集・春/3月

春の芽吹きを求めて・・・

 朝のTVでは、東京の上野公園の桜が満開で、その光景が映っていました。

でも、箕面の桜はやっとチラホラと咲き始めたばかりです・・・

 

今日は鉢伏山から明ケ田尾山、高山方面を目指して歩き始めました・・・

早速ウグイスが歓迎の鳴き声をあげてくれます・・・

あの小さな小鳥が春を告げています・・・

いつ聞いても透き通るその鳴き声には感動します。

 

前方を見ると、父娘の二人連れが双眼鏡を木の梢に向けています・・・

娘の方がお目当ての小鳥を探したのか?  しきりにお父さんにささやいて

います・・・

森の自然の中で交わす親子の会話に、温かい微笑を感じました。

 

 

雑木林を抜けてササヤブの山道を登っていくと道脇に黒い豆のような糞・・・

朝方までここにシカがいたようです・・・

 

尾根道にでると急に雲行きが怪しくなり、冷たい風が吹き付けてきます・・・

体がゾクゾク!  とします・・・

何しろもう春だからと軽装で来たものですから、思わず服の襟を立て、帽子を

深くかぶり、手をズボンに入れます・・・

寒い !

 

ところがしばらくして空が明るくなり太陽が顔をだすと急に暖かくなり、上り坂も

あって今度はうっすらと額に汗がにじんできます・・・

暑い !

まさにこの時期は冬と春の境い目で、それを文字通り肌で実感します。

 

 

双眼鏡で左方向を見ると、眼下に箕面の新しい街・森を切り開いた箕面森町

(しんまち)の開発地が見え、新しい家屋が次々と建っているのが見えます。

右方向を見ると大阪平野の街並みと、近くに大阪万博の時の太陽の塔が見え

ます。

 

この尾根道には広葉樹林が多く、殆どが秋に落葉して今は葉の無い枝

ばかりの為に、空が開けて明るい森となっています。

コバノミツバツツジに小さな新芽が見受けられます・・・

しかし、リョウブ、ヤマザクラ、コナラ、ケヤキ、モチツツジ、ヤマグリ、

シロモダ、ササ・・・ 回りを見ると、まだ小さな小さな新しい芽が出ようか? 

どうしようか? 

迷っているような感じです・・・

先程の、私の寒い! 暖かい  暑い!  のように、まさに季節の変わり目

そのものようです・・・

 

やがて鉢伏山(604m)に到着です・・・

この周辺の高原で初夏になると 箕面の市花 「ささゆり」 を見る事が

できるそうですが、私はまだ見る事が出来ていません・・・

なんでも盗掘が多いのだそうで悲しい事です。

 

ここから双眼鏡で西方を見ると、キラキラと輝く海・大阪湾が見え、六甲山の

横からは、神戸や西宮の港も見ることが出来ます。

手前に見える山(川西市)では、ひと山 丸ごと削っている採石場の無残な

姿がさらけ出されています。

いつもはそんな所を見るのが嫌なのですが・・・

その内に全て採り尽くした後は、平地になってまた新しい住宅地になるので

しょうか・・・?

 

そんな事を考えながら見ていると・・・ 突然後ろから・・・

「 止呂々美(とどろみ)はどっちの方でしょうか・・・ 」

との声に振り返ると、一人の女性ハイカーの方・・・

しばし箕面の山のお話を交わしました。

 

上空ではピーヒョロヒョロ・・・ピー と 鳶(トンビ)が悠然と旋回しています・・・

なにか獲物を見つけたのでしょうか・・・?

 

 

いったん梅ケ谷へ下ります・・・

ここで一度道を違えて迷った事があり、その後 お猿さんに道案内をして

もらい? 助かった事があるのです (笑)

そんな訳で、いつもここを通るたびに思い起こすのです。

 

 

今日は新しい標識が所々に付けられていて分かりやすく、これなら初心者

にも安心です・・・

見れば 「みのお里山ふれあいプラットホーム・・・」 の文字・・・

いつもみなさんの森のボランテイア活動には本当に感謝しています。

 

 

梅ケ谷からスギ、ヒノキ林を登り、アカマツの尾根道を明ケ田尾山

(619.9m)へ向かいます・・・

この途中に群生しているコバノミツバツツジの木の枝には、今にも花開き

そうな蕾でいっぱいです・・・

この満開の花のトンネルの中を通った事がありますが、それはそれはピンクの

美しい花びらに囲まれて 天国への入り口 のように感じましたよ・・・ (笑)

もうすぐにでも咲きそうですよ・・・。

 

 

明ケ田尾山頂でお昼にしました・・・ 

木立の間から能勢の妙見山が見えています。

小鳥達が賑やかに歌っています・・・ 爽やかな風が吹き渡っています。

背中に暖かい太陽を受けながら、温かいコーヒーを飲み、春の息吹を感じる

この一時は、まさに至福の極みです。

 

 

ここから高山の村落へ下っていきます・・・

山の斜面にはショウジョウバカマやトキワイカリソウなどの珍草があるそう

ですが、私にはまだ見つかりません・・・

 

それに今日は足元ばかり見て下っていたので探すどころではありません

でした・・・ と 言うのもこのV字となった山道には岩ガラが多くて歩きにくい

上に、今日は珍しく山水が流れていて、途中まで谷川と兼用のようで?  

足元はジャブジャブです・・・

やっと下り、下り口にあるお地蔵さんにいつものように御礼を述べてから村落

に入ります。

 

 

かのキリシタン大名だった高山右近の石碑前で一休み・・・

回りを見ると、同じ敷地の狭い場所に4ヶ所のお社が見受けられます・・・

見ると、「八幡神社」 「稲荷神社」 「阿多古神社」 

「観音堂・薬師如来十一面観音」と、神仏混合でそれにキリシタンとも一緒で、

村の人々の寛容と敬虔なる信仰心を感じました。

敷地の桜の木はもうすぐ花開く蕾でいっぱいでした。

 

この近くには昔の高札場を示した掲示板や、500年以上前のキリシタンの

里を感じさせる跡場が所々に見られて、歴史を感じさせる高山です。

今は70数世帯、200余人の人々が住まいするとか・・・

 

古いお寺や鎮守の森を通り、棚田の上から村を見ると、菜の花が咲き、

桃の花が見られます。

廃校となった旧高山小学校の校庭では村の人でしょうか?  何かの小さな

集いが開かれていました。

この村を通るといつも故郷へ帰ってきたような安らぎを感じます・・・

ここから車で20分も走れば、賑やかな都会の真ん中に出られるとは信じられ

ません・・・

 

もうあとひと月もすれば、高山の棚田には田植えをする姿が見受けられ

田畑に野菜の苗が植えられ、村のあちこちに季節の花が咲き乱れる事で

しょう・・・

 

箕面の森にも、もう春はそこまでやってきているようです・・・

 08-3・31(完)

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