日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

これまで通りのやり方では、PCR検査1日20万件の目標達成は無理だろう

2020年09月05日 10時13分37秒 | 日々雑感
 8月28日安倍首相の退陣表明があり、岸田政調会長、石破元幹事長、菅官房長官が次期新首相を目指して激しい争いになると予想していたが、既に菅官房長官に決まったようだ。素人が勘繰るに、退陣表明する時点で、安倍首相を交え二階幹事長、菅官房長官の間で筋書きは決まっていたようで、残すは二階幹事長の得意とする党内の流れを作るだけだった。

 9月2日の菅氏の立候補宣言で、安倍首相の政策を踏襲すると表明しており、当然コロナ対策でも安倍首相が取りまとめた方針を続行することになるだろう。

 これに先立ち政府は8月28日、新型コロナウイルスの今後の対応方針を決定した。感染者の中でも重症化リスクの高い方々に重点を置き、無症状者や軽症者はホテルや自宅での療養をするとし、医療の負担軽減を計る方針とした。これは感染者の約8~9割が、無症状者や軽症者である事実を生かした方針であり、当然の施策である。

 しかし、この方針はPCR検査を幅広く実施し、重症リスクの高い感染者を素早く見つけ出す前提にたっての話であり、このため検査体制を1日20万件が可能となるように拡充するとした。

 PCR検査の拡充は、新型コロナウイルスが流行し始めた2月頃から言われていたことであるが、PCR検査数を抑えていたのは医療体制の崩壊を防ぐためとか、検査機器は充分揃っているがどこかで目詰まりを起こしているとの政府の他人事の発言があり、中々検査数は増えなかった。

 確かに安倍総理もPCR検査を増やせと言っており、安倍一強政治体制の下、何故実現されないのか不思議であった。この頃から、問題の複雑さに安倍首相のやる気が衰えていったのでは無いだろうか。

 さて、日本での新型コロナウイルスの感染拡大を受けて厚生労働省が今年2月1日付で各都道府県にPCR検査の受付窓口を設置するよう通達し、各保健所内に帰国者・接触者相談センターが新設された。

 当初PCR検査の実施の決定をこのセンターが決めていたようだが、国はそれまで医療費の削減の一つとして保健所の機能を削減していた上、新型コロナウイルスの突然の感染拡大で少人数の担当者にしわ寄せが及び、作業が滞ってしまったようだ。結果、検査数を制限せざるを得ない状況に陥り、しかも保健所は地方自治体の管轄であり、国の通達が行き渡らなかった事情もあったようだ。

 また、新型コロナウイルス対策に責任を持つべき組織がはっきりしていない事情もあるのではないか。国立感染症研究所の感染症情報センターは、保健所と並び、感染症法に規定された厚労省の感染症対策の中核で、各都道府県等域内に1カ所、原則として地方衛生研究所の中に設置されており、非常に数が多い。組織的には感染研の所長が統括する責任者となるのだろうが、帰国者・接触者相談センターと感染症情報センターと同じような名前の組織もあり、役割分担がはっきりせず、組織がバラバラな感である。

 政府は、新型コロナウイルスのPCR検査について、1日平均20万個程度を確保する方針で、併せてPCR検査や抗原定量検査の機器の整備を促進し、その時点における最新の検査手法を活用しながら、必要な検査体制の確保を図って行くと宣言している。

 新首相は安倍首相でも分からなかった目詰まりの原因を探り、解決することが第1では無いかと思う。これ無くして、PCR検査の1日平均20万個の目標はこれまで通り達成できないと思うが。2020.09.05(犬賀 大好-632)