日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

経済面では付き合いたいが政治面では付き合いたくない中国

2020年09月26日 09時05分58秒 | 日々雑感
 菅新首相の対中国政策は安倍前首相の方針をそのまま引き継ぐようだ。中国は日本のみならず周辺の国と様々なトラブルを引き起こしているが、日本との関係は概して良好なようである。この良好さは経済的な面からであり、新型コロナウイルス騒動を契機に将来はどのような方向に舵を取るのか、菅首相の胸の内は分からない。

 日本の中国との貿易額は莫大な量に達し、経済面では持ちつ持たれつの関係である。すなわち、日本の輸出相手国は2018年からは中国がトップとなり、日本の輸入相手国は2002年から中国がトップとなった。中国側から見ても、日本は輸出相手国としては3位、輸入相手国としては2位の上位を占めている。

 製品の国際価格競争力を高めるために、日本の企業が労働賃金の安い中国に工場を建てて現地で製造し、日本に輸入するという新しい経済・貿易の体制が出来上がったことが最大の理由だそうだが、今後東南アジアの経済発展とともに変わっていくだろが、現時点での経済面ではお互いに良好関係を維持している。しかし、領土問題等の国益が絡むと中国政府は強固になる。

 今年4月中旬以降、尖閣周辺海域では中国公船の姿が毎日確認され、8月2日現在111日連続で、尖閣国有化宣言以降で最長の連続日数を更新し続けているようだ。中国外務省はその理由を島は中国固有の領土だとし、隙あらば取り返そうとする態度を示している。

 自民党の国防関係の議員連盟は、沖縄県の尖閣諸島の周辺海域で中国が活動を活発化させていることを受けて、尖閣諸島を含む南西諸島で自衛隊がアメリカ軍と共同訓練を行うなど、有効支配の実効性を強化すべきだと主張している。

 もし、日本が尖閣諸島周辺の警備を怠り、中国が上陸占拠した場合、菅首相は米軍に頼むしかなく、米軍が出動した場合小競り合い程度で済む筈は無いと思うが、中国はどこまで本気で領海侵犯を繰り返しているのであろうか。

 中国内には漢民族が大多数であるが、その他数多くの異民族が暮らしている。これらの民族を一つに纏めるためには、民主主義の手法は効率が悪く、トップダウンの方が効率よくことが運ぶことは理解で出来る。このため、中国共産党一党独裁体制を堅持するが、党の方針に誤りは絶対なく、常に正しく国民を導いているとの立場をとっている。

 今回のウイルス騒動でも、武漢が発生の地だと主張するトランプ大統領には猛烈に反発するが、国際的な現地調査には反対の姿勢であり、何とか体裁を保ちたい態度がありありである。

 さて、1997年にイギリスより中国に返還された香港は、今年6月の香港国家安全維持法の導入で言論や集会の自由に制限を加えているが、その理由は共産党一党独裁体制存続への危機感では無いだろうか。香港の自由な雰囲気が本土に及ぶことが恐ろしく引き締めにかかっているに違いない。この自由への締め付けは、新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区にまで及んでいる。

 日本は貿易相手国としては上位を占め、また観光客の往来も盛んである。日本との交流が頻繁になると、自由へのあこがれが増え、独裁体制への不満も増えるであろう。日本との関係を現状通り維持するか、習近平主席も頭を悩ましているに違いない。2020.09.26(犬賀 大好-638)