日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国はコロナワクチンで世界制覇を実現できるか

2021年01月09日 09時43分39秒 | 日々雑感
 世界には、英アストラゼネカ、米ファイザー、米モデルナ各社の3種類のワクチンが開発され、既に接種を始めた国もあり、ファイザー社はワクチンの日本国内での使用に向け、12月18日厚労省に承認の申請を行ったとのことだ。

 新型コロナウイルスのワクチンをめぐって、国内で承認申請が行われるのは初めてで、早ければ2月中にも承認するかどうか結論が出る見通しだそうだ。上記の欧米の製薬企業は安全性を重視することを宣言しており、3段階の臨床試験の結果も公表しているため、長期に亘る副作用に懸念は残るが、まずは安心して接種できるだろう。

 これに先立つ昨年12月、アラブ首長国連邦(UAE)の保健予防省は、中国の研究所が開発した不活化ワクチンを認可したと発表した。同研究所がUAE国内で3万人以上のボランティアに対して行った第3段階目の臨床試験で86%の有効性を確認し、安全性に対する深刻な懸念はないとした報告を受けた結果の承認であろう。

 一方、中国政府は12月31日、国有製薬大手企業が開発した新型コロナワクチンの市場への供給許可を条件付きで承認したと発表した。中国製の数種類のワクチンが第3段階目の最終臨床試験をしているが承認されるのは今回が初めだそうだ。承認されたワクチンは臨床試験の分析データからワクチンに79.3%の有効性が確認されたとしている。中国製のワクチンが自国より他国の方で早く承認されるのには違和感を感ずる。

 新型コロナワクチンを巡っては、米モデルナ11月16日に94.5%の予防効果が確認されたと発表し、その1週間前には米ファイザーが有効率が95%だと発表した。一方英アストラゼネカ社は11月23日、臨床試験の中間結果として、有効率が約90%だったと明らかにした。

 ワクチンの効き具合を表す予防効果、有効率や有効性の言葉の使い分けや定義を理解している訳ではいが、値を見る限り欧米製のワクチンの方が高く、効き目は良い様だ。しかし、効き目と安全性は別問題であり、副作用に関してはどの製薬企業のワクチンも共に臨床試験の結果深刻な副作用は無かった程度のコメントで安全性に関しては今一はっきりしない。

 しかし欧米のワクチンでも実際の摂取でアレルギーの過剰反応が見られたとの報告があり、中国製のワクチンでも深刻な懸念は無いとしているが、どうも中国の言うことは何事でも信用できない。信用と言うのは普段の行いにより判断されることを肝に銘ずべきである。

 これらのワクチンがそれぞれの国で承認されるためには各国の医薬品当局に治験データを提出する必要があるだろうが、中国の提出するデータが信頼できるであろうか。ここにおいても信用が重要である。

 中国製のワクチンは国内ばかりでなく、国外でも臨床試験が行われており、ブラジルやペルー、アラブ首長国連邦(UAE)やトルコ、インドネシアなどで治験が進められているそうだ。コロナワクチンを開発できる国は、膨大な資金・人材が必要で限られた国でしか行えない。しかし、臨床試験に参加は出来る。

 まだ安全性が確立していない臨床試験にはリスクが伴うが、参加の代償として完成した暁には優先的に配布されることは予想される。中国はコロナウイルス撲滅との大義名分のもとに、中国製のコロナワクチンを全世界に普及させようとしているに違いない。しかし、中国の国としての信用が確立されない限り、中国製のワクチンの世界制覇は無理だろう。
2021.01.09(犬賀 大好-668)


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