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日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

北朝鮮対策にトランプ大統領の焦り

2018年04月14日 09時50分51秒 | 日々雑感
 北朝鮮の外交活動が活発である。金正恩委員長がこれまでの強硬路線から対話路線に変更したのは、軍事圧力と経済制裁の結果だとのことだ。金委員長の異常な太り方もストレス太りと思えなくもない。

 金委員長は李雪主夫人と共に3月25~28日に訪中した。金氏にとっては2011年に最高指導者となって以来、初めての外国訪問となるそうだ。金氏は会談で非核化への強い決意を表明し、”米韓が北朝鮮の努力に友好的な態度で応じ、平和的・安定的な雰囲気を作り出し、前向きで歩調が合った平和実現に向けた措置を取れば、朝鮮半島の非核化問題は解決できるだろう”、と話したという。

 ここで表明された北朝鮮の非核化の条件は極めて当たり前のことを言っているに過ぎず、いつでも反故に出来る条件を備えている。こんな文言で、非核化への強い決意と受け取るとは、北朝鮮に随分舐められたと思う。

 金委員長は4月に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、5月にはドナルド・トランプ米大統領と会談する予定で、今回の訪中はこれに向けた準備とみられているが、本心が何処にあるか誰もが図りかねているだろう。

 トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮が非核化をめぐり米国と対話する用意があると表明したことについて、北朝鮮は真剣だと思われると述べ、米国主導による国際制裁が効果を上げているとの見方をし、自らの実績と誇示した。

 トランプ氏は、北朝鮮が非核化に向えば、朝鮮半島のみならず世界にとって素晴らしいことになる、そして、事態が誰もが望むような適切な方向に進むことを望む、と語ったそうだが、単にあたりまえの感想を述べたに過ぎず、こんなことがニュースになることの方が驚きだ。

 さて、米朝会談に先立ち、水面下でいろいろな動きがあるようだ。今月9日の報道によると、北朝鮮が米政府に対し、”朝鮮半島の非核化”について協議する意思があると伝えていたと、米政府当局者が明らかにしたとのことである。北朝鮮の非核化と言わずに朝鮮半島の非核化と言っているとのことであるが、こんな文言で米政府が喜んでいるとすれば、トランプ大統領の焦りが伺える。

 今年11月の米国議会選では435の下院全議席と上院33議席(総議席は100)が改選され、トランプ政権の政策の是非が国民に審判される。

 この中間選挙で共和党が負ければ、大統領の後2年の任期中は死に体となるため、何としてでも勝つ必要があり、そのためには選挙公約を実現しなくてはならないが、メキシコ国境に壁を作る等は頓挫しており、成果は果々しくない。

 大統領が望むように、北朝鮮の非核化が実現できれば、世界の称賛を浴び、中間選挙でも勝つこと間違いないであろうが、事はそう簡単ではない。

 そもそも、金委員長が主張する核放棄の前提条件である、”北朝鮮に対する軍事的脅威が解消されて体制の安全が保証されれば”、は極めて非現実的な話である。軍事的脅威の解消とは、世界のすべての国から軍事力が無くなれば実現できるであろうが、そんなことは現実的にあり得ない。このような当たり前の話がまかり通るとは、信じられないほどだ。

 北朝鮮が核放棄の話を持ち出すのはかなり追い込まれた結果であり、とうとう本気になったと評価する人もいるが、現在の経済的な苦境を他国からの支援により何とか乗り越えられたとしても、金体制が安泰に続くとは到底思えない。

 北朝鮮の一般国民の経済的な余裕は、世界の動向を知る切っ掛けとなり、金体制への不満となる筈であるからだ。何しろ金正恩氏のこれまでの仕業は酷すぎる。金王国の崩壊はどのような形で起こるであろうか。経済的な行き詰まり、あるいは軍事的な衝突による崩壊があるかも知れないが、金正恩委員長はそうならないような対策も当然考慮しているに違いない。2018.04.14(犬賀 大好-433)

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