日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

外国人労働者と少子化対策

2016年01月06日 08時40分58秒 | 日々雑感
 ここ数年、日本の人口はどんどん減少している。特に日本の経済を支える15~64歳の生産年齢人口は、 総務省が発表した人口推計によると、2013年12月時点では7,883万人まで減少しており、今後の予測では2060年には4,418万人まで大幅に減少すると予想している。生産年齢人口は、20年ばかり前は8700万人位であったので、早くも1000万近い人数の減少があったわけだ。

 安倍政権は、“新三本の矢”の一環として、「希望出生率1.8の実現を目指す」と明言したが、例え今すぐ実現できたとしても、生産年齢人口に達するまでは15年要する。

 少子高齢化社会では供給力が減少していくのだ。毎年50万人位減少すると予想される労働力を補うためには、生産性を上げるか、外国人労働者に頼らざるを得ない。

 さて、一方では日本で活躍する外国人労働者がどんどん増えている。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると2014年10月末の合法的な外国人労働者数は78.8万人と過去最多を更新したようだ。昨年の大晦日に渋谷駅の付近で若者が大騒ぎしたそうだが、その約半数は外国人だったとの報道もあった。いつの間にか外国人労働者が押し寄せていたのだ。

 厚生労働省研究会の推計によれば、2003年には、外国人総労働者数は79万人となっており、 合法就労者が57万人、不法残留者が22万人の内訳である。最近の統計は不明であるが、総外国人労働者に対する合法労働者が同じ割合だとすると、計算上昨年は100万人を超す外国人が日本で働いていることになる。自由人権協会理事の旗手氏も、すでに100万人働いているのはほぼ確実と言っている。

 さて、日本で合法的に働く外国人78.8万人は4つに分類されるそうだ。①身分に基づく残留、②専門・技術分野における労働、③資格外活動(主として留学生)、④技能実習制度による労働、である。この中で一番多いのは、①の日系人や日本人の配偶者等であり、33.9万人であり、全体の43%を占める。残りの②~④は、ほぼ同数だ。

 一方、不法滞在者は21万人と推定される。このような多くの不法滞在者がどうやって日本に入って来るのかよく分からないが、一つには技能実習制度の抜け穴があるようだ。

 日本で働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」で来日した外国人が、実習先からいなくなる事例が相次いでいるそうだ。今年は10月末までに、約4930人不明となり、年間で最多だった昨年を上回ったとのことだ。技能実習制度は、日本の優れた生産技術を習得し、自国で活用するとの高尚な目的の筈であるが、実態は日本人が敬遠する単純労働の担い手として活用されているためだ。しかも、そこでの賃金は極めて安いため、違法を覚悟し高賃金を求め、他の職種にこっそり変更するのだそうだ。失踪者の多くは必然的に不法滞在者となる。元々技能習得より、賃金獲得が目的であったとの説もあるが、日本の受け入れ先もちゃっかり労働力不足を補っているのだ。失踪者ばかりを責められない。

 既に日本は外国人労働者抜きでは考えられなくなっているのだ。介護師に関しても、海外に頼らないと、人手不足で閉鎖する介護施設がたくさん出るとの指摘もある。少子高齢化社会はどんどん深まっていく。労働生産性の向上は当然であるが、外国人労働者に頼らざるを得ない社会にどっぷり浸かりつつある。2016.01.06(犬賀 大好-196)

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