10月26日、国連環境計画(UNEP)は、各国が掲げる温室効果ガスの削減目標を達成したとしても、今世紀末には世界の平均気温が産業革命前から2.7℃上がるとする報告書を公表した。
更に衝撃的な予測は、フランスの専門研究者グループが9月17日に発表した内容だ。地球温暖化は現在予測されているよりも急速に進み、2100年には、18世紀後半に始まった産業革命前に比べて6度から7度まで上昇との予測だ。
現在、気候変動対策の国連の会議COP26が英国で開催中であるが、パリ協定の予測目標ですら各国の思惑がぶつかり達成されそうにもない。パリ協定では気温上昇を、出来れば1.5度以内に抑えるとした目標を立てているが、先の報告書はシミュレーションとは言え厳しい現実を突きつけている。
岸田総理大臣はその首脳会合で演説し、2050年の「カーボンニュートラル」を実現するため、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%に向けて挑戦するとした目標を説明したが、国際社会が求める脱石炭や温室効果ガス排出削減目標の引き上げ意思を示さなかったとの評価で、環境NGOでつくる”気候行動ネットワーク”は日本に「化石賞」を贈ると発表した。
さて、日本政府がこれまでに表明した途上国への5年間で官民合わせて600億ドル規模の支援に加え、今後5年間で最大100億ドルの追加支援を行う用意があると表明した。松野官房長官は、化石賞に対しては言及を避け、経済支援に対して、多くの参加国から高い評価が得られたと自画自賛した。
トランプ前米国大統領は地球温暖化はまやかしと主張したが、学者の中にも疑問視する人もいる。地球は誕生以来何回かの氷河期を経験してきた。この原因は明確になっていないが、太陽と地球の位置関係や太陽の活動との関係で地球が受ける日射量が変化することによると考えられるようだ。氷河期と言っても程度があり、その周期もいろいろあるようだ。実はすでに氷河期に入っていてもおかしくなく、温室効果ガスで人為的に温暖な気候が継続しているという説も多くあるとのことだ。
この説を信ずれば、地球温暖化が人類を救っていると解釈もできる。その昔、巨大隕石が地球に衝突し、舞い上がった砂塵で地球が寒冷化し巨竜が絶滅したとの説もあるほどだ。温暖化も怖いが寒冷化も人類の脅威なのだ。
また、現在地球は火山の活動期に入っているとの説もある。最近では小笠原諸島の海底火山が8月に噴火した際に発生した大量の軽石が沖縄等によ漂着し被害が拡大しているとのことだ。火山の噴火が活発化すれば、噴煙による寒冷化も考えられる。
地球規模の異変はいろいろ想定されるが、かと言って地球温暖化を放っておいて良いと言う話にはならない。偶然の出来事に期待するのではなく、想定される危機に対して人類は最大限の努力をすべきである。2021.11.06(犬賀 大好ー)
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