日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

外国人労働者獲得競争の時代

2023年10月25日 09時19分28秒 | 日々雑感
  外国人が日本で働くための資格はいろいろあるが、「技能実習制度による資格」はその内の一つであり、元々は日本の技術を修得することにより帰国後に出身国での経済発展に役立てることを目的にした制度であったが、日本の人手不足を補うための手段として使用される等の問題があった。

 外国人の単純労働者を技能実習の名目で受け入れる技能実習制度が、開始から30年たってようやく特定技能制度等に見直され、労働者の確保を目的とした制度に変更されつつある。日本の社会は少子高齢化が進み、働く人が減り人手不足が顕著になり、いよいよ差し迫った問題となってきた背景もある。

 この状況は韓国でも同様で外国人労働者を招くため様々な工夫を日本以上にしている。韓国は1993年、日本をモデルに「産業研修生」制度を始めた。しかし、労働者としての権利が保護されない制度には問題が大きいと判断され、2004年には単純労働者だという実態を認める「雇用許可制」に移行した。特徴は政府管理下での受け入れで、政府が各業界からの要望に基づいて、製造業や農畜産業など業種別の年間受け入れ数を決め、その上でベトナムやタイなど労働者を送り出す国と政府間協定を締結し、悪質なブローカーを排除しようとした。韓国では、日本の技能実習制度を模した制度から始めたそうだが、改善は日本より早く、最近では逆に日本が真似していると思われる程である。

 2018年には永住を視野に入れた「熟練技能」が創設された。雇用許可制などで一定期間働いた人を対象にしたビザで、年収や保有資産、韓国語能力、納税の有無などで点数を積み上げ、高得点者からビザを取ることが出来、400人から始まった人数は徐々に増やされ、2022年は2000人、2023年には5000人となったそうだ。

 韓国政府は今年9月1日、外国人の家事労働者の受け入れを解禁する方針を決めたそうだ。早ければ12月から半年間、ソウルでフィリピン人約100人が試験的に勤務を始めるとのことだ。家事・育児を助ける家事労働者を増やし、仕事と家庭の両立をしやすくすることで、少子化対策につなげる狙いだという。日本政府も少子対策を叫んでいるがこの点でも後れを取っている。

 外国人に家事労働を委託する件では香港は既に家政婦大国となっている。香港で働くメイドの数は約24万で、人口が700万弱であることを考えると非常に多く、人口の3.4%を占めている。国土が狭く、人口の少ない香港では、早くから女性の労働力を有効活用する政策が取られており、育児と家事労働の負担を軽減するため、積極的に労働者を海外から招聘してきたという歴史がある。

 日本も近い将来、外国人に家事労働も頼ることにもなりそうだ。しかし日本で働けば大金を稼げるとは必ずしも言えない時代となり、韓国など近隣国との労働者獲得競争も激しくなって行くと思われる。2023.10.25(犬賀 大好ー957)


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