岸田文雄首相は8月10日に第2次岸田改造内閣を発足させた。当初内閣改造は9月になると見られていたが、世界平和統一家庭連合(以後統一教会と記す)と自民党の関係が思いのほか強いことが次第に明らかになり、沈静化の為急遽早めたと勘繰られる。
新しい内閣では統一教会との関係が全く無い人が登用されると思っていたが、当協会は自民党に想像以上に深く浸透しており、人材不足で無関係者の中からは選出できなかったかったようだ。例えば、萩生田経産相は関連イベントで挨拶しており、山際経済再生担当相は統一協会の開祖・文鮮明本人も参加した韓国でのイベントに出席し挨拶もしていた等が明らかになった。日本経済の今後を託す二人の大臣が統一教会の関係団体で挨拶をしていたとは、逆に統一教会の活動の熱心さに驚かされる。
自民党2日、党所属国会議員による統一教会との関係に関する点検結果の公表時期について、当初想定していた6日から来週後半以降にずれ込む見通しを明らかにした。延期は回答に曖昧さがあり再回答を依頼している等の理由だ。ここでも自民党のやる気の無さを感ずる。岸田首相は統一教会の件で総裁としてお詫びすると記者会見で述べたからには、期限内に徹底した調査をするように号令すべきであるが、まだ安倍元首相の亡霊に怯えているのであろうか。
宗教団体と関わること自体は問題ないが、霊感商法や寄付の問題で被害者を続出している宗教団体の片棒を担いていたからには、徹底した調査と共に被害者を救済する手段も講ずるべきである。
このような状況が明らかになり、8月29日岸田内閣の支持率が急落した。第2に内閣の発足後の記者会見で新内閣のネーミングを問われると、有事に対応する”政策断行内閣”と命名し、山積する政策課題に対応するとともに、自らの政策思想”新しい資本主義”の実現を目指すと語ったが、最近の言動では、その落差が大きく支持率の低下は当然だ。
安倍元首相の国葬にしても、その理由を国会の場で丁寧に説明すると昨日の記者会見で述べたが、その場における説明は一言もなかった。恐らく説明内容は簡単明瞭ではなく、ごちゃごちゃと煙に巻く内容となろう。丁寧な説明とは納得させる説明ではない。
岸田ビジョンと名付けた政権構想では「分断から協調へ」をテーマに経済格差や国際社会の分断を是正する「公正でやさしい、芯の通った政治」を掲げている。このすばらしいビジョンも目下名前倒れである。
これも、自民党の旧安倍派や保守勢力に配慮し、思い通りに出来ない為かと同情する面もあるが、昔の小泉元首相を少しは見習って欲しい。郵政民営化を多数の国会議員の反対を押し切って成し遂げた。公正でやさしい、芯の通った政治をやれば世論はついてくる。
2022.09.03 (犬賀 大好ー843)
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