日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

PCR検査の一斉検査を何故やらない

2021年01月23日 09時38分37秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が発せられたが、一部の医療機関では患者の受け入れが出来ない状態になっているようで、既に医療崩壊は始まっているのだ。コロナワクチンが容易に接種できるようになるまで、更に医療崩壊が進まないようにしたいが、宣言の期限の来月7日までに感染拡大が収まる見通しは極めて暗い。

 1月18日緊急事態宣言の中、通常国会が始まった。政府は緊急事態宣言の効果を上げるため時短営業要請等における違反罰則を導入する改定案を提出する予定だ。確かにコロナウイルスに対する気の緩みは生じており、罰則も一つの薬かも知れないが、それより政治家を始めとする国の指導者たちが国民に身をもって範を示すことの方が効果があるだろう。

 ワクチンが頒布されるまで医療崩壊の進行を遅らせる手段の一つとして一斉PCR検査があるが一向に進まない。中国はコロナウイルスの発症の地を言われながらも、世界で唯一経済が回復した国と言われている。中国の対策の基本は徹底したPCR検査の実施である。例えば、中国河北省の人口約1千万人の石家荘市は感染者が出たことで、1月8日感染症拡大防止のため全市民にPCR検査を実施するとともに7日間、自宅にとどまるよう通知した。

 PCR検査の長所は、無症状の人の中から感染者を発見できること、また症状に応じて軽症者、中症者、重症者の見極めと症状に応じた対応が出来ることである。限られた施設を有効に利用するためにはこれしかない。

 厚労省データによると今年1月17日現在、PCR検査最大能力は12.9万件/日とのことであるが、実際のPCR検査実施人数は4.5万人とその率は35%に留まり、検査能力を充分生かし切っていない。最近では民間が運営する有料のPCR検査サービスも盛んになってきており、検査能力自体は各段に高くなっているだろうが、実施件数が少ないのはどこかで絞り込んでいるのだ。

 昨年のPCR検査実施に否定的な人の言い分は、検査性能が低いため取りこぼしが多く、また感染者の数が少ないため発見率も低く、その割に費用が嵩むこと、更に広く実施した場合感染者が多く発見されると病院に収容しきれなくなる等であった。しかし、感染者を分類しないと施設に収容しきれなくなっている現実に直面している。

 広島県が打ち出した広島市民の最大80万人を対象にした集中的なPCR検査が来月から始まるとのことだ。今でもコロナ対策に追われる医療関係者から、実現可能性や現場の負担増を懸念する意見もあるそうだ。現在でも色々忙しいのに一層忙しくなるのは嫌だと言うことだろうが、何もしなければ、それはそれで忙しくなることは必須だろう。

 国際医療福祉大の公衆衛生学の教授は今でも「症状のある人に検査するのが基本」と強調しているが、その基本を守った結果が現在の医療崩壊であることを反省しなくてはならない。

 中国のように一斉検査をすることは、法的な根拠がはっきりしない為難しさはあるだろうが、先の教授のようにな従来の慣習、規則から抜け出せない人の意見が国の方針を決めているのだろう。2021.01.23(犬賀 大好-672)


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