米疾病対策センター(CDC)は1月20日、新型コロナウイルスの変異株「XBB.1.5」が米国内で検出された新型コロナの約半数を占めていることを明らかにした。この新顔は昨年11月26日までの1週間では1.0 %だったが、12月以降に急増しており、今後世界的な流行が懸念されているそうだ。
XBB.1.5はオミクロン株から派生した変異株で従来の派生型より、免疫逃避力や感染力が強い可能性が指摘されている。世界保健機関(W HO)の最新の調査結果でも、免疫を回避する能力がこれまでの変異株の中で最も高い部類に入り、世界の患者数を増やす要因になるかもしれないと分析している。
米国では新型コロナウイルスの死者数が急増しているとの報告もあるが、これがXBB.1.5によるものか不明であり、またこの変異株が重症化し易いかどうか、ワクチンの効果についてなどは、データがアメリカからしか得られていないため、世界全体としての評価はまだできないとしている。
1月12日に開催された東京都のモニタリング会議で、変異ウイルスXBB.1.5が都内で15件確認されたことが明らかにされた。11日の会見で松野官房長官はXBB.1.5について、感染力がより高くなっている可能性が指摘されているものの、現時点で感染性や重症度に関する疫学的・臨床的な知見はないと、現状について説明した。
中国からの入国は陰性証明や入国時検査など水際対策を強化しているが、米国からは何ら規制は無い。米国からXBB.1.5の感染者が陽性の自覚がないまま入国し日本国内で行動すると、あっという間にXBB.1.5が流行する可能性がある。そうなると現在第8波が治まりつつあるが、息を吹き返し、春頃まで長期化する恐れがある、と指摘する専門家もいる。
新型コロナウイルスの変異が激しいが、そもそもヒトに感染するコロナウイルスには、一般の風邪の原因となる4種類のウイルスや、重症急性呼吸器症候群の「SARS」や「MERS」があり、今話題の新型コロナウイルスは7番目との話である。これらのコロナウイルスは、遺伝子的な違いから分類されているのであろうが、新型コロナウイルスのみが変異し易いのであろうか。SARSやMERSは一時期猛威を振るったが、ワクチンや治療薬が見つからないのにいつの間にか消え去った。
これから流行しそうなXBB.1.5は従来の新型コロナウイルスのオミクロン株が変異したウイルスとのことであり、変異を繰り返すうちに弱毒化する傾向があるとのことであるが、経験則であり科学的な裏づけは無さそうである。
さて現時点で新型コロナウイルス感染症は感染症法上の2類相当とされ、医療機関に全患者の氏名や診断の経緯の報告が求められている。一方で、オミクロン株は重症化リスクが比較的低いことから、政府は季節性インフルエンザと同じように5類へ移行することを決めた。今後XBB.1.5が流行した場合でも経験則に則り弱毒化するとの期待を含めての移行措置だろうが、大丈夫であろうか。2023.01.28(犬賀 大好ー884)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます