日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

イスラエルとハマスの衝突の落としどころ

2023年12月13日 09時22分57秒 | 日々雑感
  イスラエル軍は12月1日、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの戦闘を再開したと発表した。11月24日から続いていた一時休戦は終わりとなったのだ。イスラエル政府は「人質解放、ハマス排除、そしてイスラエルの住民にとってガザが絶対に二度と脅威にならないようにする」為だと改めて強調した。二度と脅威にならないようにするとは、どのような状態を考えているのだろう。第三者的に考えれば、両者が仲良く共存することであるが、イスラエルはガザ地区を無差別攻撃する一方、ヨルダン川西岸地区でも今回の紛争前からユダヤ人の入植を繰り返し、入植地を塀で囲んでパレスチナ人との分断を徹底しており、共存など全く考えていないようだ。

 イスラエルは、パレスチナ自治区からパラスチナ人を一掃したいと考えているようだが、例えそれが実現できたとしても周りはイスラム国家に囲まれている。イスラエルのユダヤ教は完全な一神教でイスラム教とは相いれず、国境付近での争いは目に見えている。イスラエルは核兵器を保有すると言われており、圧倒的に有利な武力を基に周辺国家を脅かす存在になるだろう。

 将来ビジョンをどのように描いているか不明だが、現時点ではなりふり構わない猪突猛進状態だ。ガザ地区に地上侵攻を続けるイスラエル軍は、南部の主要都市ハンユニスなど複数の地域で激しい戦闘を行っており、イスラム組織ハマスのガザ地区トップ、シンワル指導者の殺害を目標として軍事作戦を継続する姿勢を鮮明にしている。イスラエル政府は「殺害すればその後を継ぐ指導者は同じ目に遭わないようガザを去らなければならないと思うだろう」と述べ、指導者の殺害を目標として軍事作戦を継続する姿勢を鮮明にした。

 殺害と言う恐怖心を与えれば二度と同じ目に合わないようにとの反省から、ガザ地区を離れ大人しくするようになるだろうと思い込んでいるようだが、この行為は復讐心を煽るだけだ。有史以来様々な迫害を受けてきたユダヤ人にこんな心理状態が分からないとは不思議だ。

 兎も角この紛争はイスラエルの勝利で一時的には終わったように見えても、本質的な解決になっておらず永遠に続くと予想される。国連も無力だ。国連安全保障理事会は12月8日、パレスチナ自治区ガザ地区での人道目的の即時停戦を求める決議案の採決を行ったが、常任理事国のアメリカが拒否権を行使したため、決議案は否決された。これに先立ち、国連総会(193カ国)が10月27日、イスラエルとハマスの軍事衝突をめぐり「敵対行為の停止につながる人道的休戦」を求める決議案を採択したが、イスラエルや米国など14カ国が反対する一方120カ国が賛成した。

 国連も紛争解決に役立たず、イスラエルの国際的な嫌われ者の立場が鮮明になっただけだ。この状態もイスラエルの長い歴史の中での検証から導いた覚悟の方策であろうが、島国に済む日本人には到底理解できない。
2023.12.13(犬賀 大好ー968)


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