3月22日より、新型コロナウイルス感染に対する緊急事態宣言が解除されたが、解除の理由の一つに、このまま続けても収束する見込みが無いことがあった。確かに、コロナ慣れやコロナ疲れがあり、個人的には緊急事態宣言も他人事であった。
国の緊急事態宣言が解除されても、26日現在、東京のみならず大坂や愛知県、宮城県や山形県等では感染者が徐々に増え始め、第4波の予兆が出始めている。
感染再拡大を懸念し、政府は変異ウイルス対策強化など「5本柱」の総合的な対策を決めている。①飲食を通じた感染の防止策継続、②変異ウイルスの監視体制の強化、③感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査、④安全・迅速なワクチン接種、⑤次の感染拡大に備えた医療体制の強化、が5本の柱である。
この中で③以外は特に目新しさは無く従来からの継続である。③に戦略的と称する言葉が出てくるが、これまで場当たり的な対処策が目立っていたためこの言葉に大いに期待するが、感染再拡大防止に役立つようよく考えて欲しい。
さて具体的な防止策の一つに、変異ウイルスの感染状況を把握するため、全陽性者の10%程度を抽出して行っている検査を、40%程度に引き上げるとしている。ここで言う検査は遺伝子配列の解析で変異ウイルスを発見するとの事であろうが、10%を40%に引き上げたところで、PCR検査の対象を広げた上での話でなければ、感染状況の把握に余り繋がらないだろう。
また、無症状者に繁華街などで幅広く行う検査を4月には1日5千件規模に拡大し、高齢者施設などへの集中的な検査も今月末までに3万カ所で行うとした。PCR検査の必要性は1年以上前から言われていたことであり、ようやく重い腰を挙げた感であるが、今後の実行に大いに期待する。
これまでPCR検査は、費用がかかる、信頼性が低い等の理由により絶対数が増えなかった。無料で何回でも受けられる国もあり、日本で何故実施しないのか不思議である。今宮城県等で感染が拡大しているが拡大の元凶は隠れ感染者の存在であろう。宮城県全県民にPCR検査を実施すれば、隠れ感染者の人数推定、分布状況、年齢構成、等が分かりその後の対策方針も明らかになって来るだろう。
最近民間の安い検査キットも出始めているようであり、これらのキットは感染研のPCR検査より精度は悪いかも知れないが、日々精度は向上しているに違いない。これらのキットの活用また複数人数を纏めて検査するプール方式を採用すれば費用は抑えられるだろう。
更に、感染者個人が特定されない程度、例えば感染者の町名等を公表すれば、もっと身近なものと感ずるようになり、感染慣れに対する刺激剤になるだろう。
また、報道番組等を見ていると、最近も大学や民間の検査機関の活用を主張するコメンテータがいるが、単なる認識不足か、本当に未だに縄張り意識、特権意識が払拭されず幅広い活用が出来ていないのか不明であるが、PCR検査の拡大が再度の緊急事態宣言を避ける有効な手段だと感ずる。2021.03.27(犬賀 大好ー689)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます