ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夜の霧

2009-02-14 22:07:18 | 寓話集まで
港に 霧が深い 夜霧よ 今夜も有難う 今夜も有り難く存ずる 今宵は存在の困難を深く思い患う ふたりの恋を全うする困難を 忍びあう恋を抱擁するやさしさ 目隠しする思い遣りよ 夜霧よ 瓦斯灯のほの暗さ 波止場の沖の霧笛 島へ渡る連絡船の 最終便が出たあとの うら淋しい 夜の波止場 瓦斯灯のほの暗さ 遙かな灯台の霧笛 夜の霧 マッチ擦る暇なく うらぶれたホテルのドアを押すと ベースが唸りドラム . . . 本文を読む