ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

やがて夜の霧が

2009-04-21 23:03:15 | 寓話集まで
あたかも どこからともなく のように ほーと啼く鳥の声が 呼ぶ 旧国道の向こうの 丘の斜面の寺のうえの 稜線を超えて広がる墓地の杉木立ちの 一本の杉の枝に止まっている にちがいない名もない鳥 種名がないのではなく 固有名を欠く鳥 おまえを呼ぶ啼き声 寂しい と言ってはいけない 恐ろしげな と言ってもいけない あたかも おまえを欺く トリッキーなマジシャンのように あるいは あざ笑う 白塗りの . . . 本文を読む