ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

月の窓 月刊ココア共和国 6月号電子版掲載詩

2020-06-02 12:29:09 | 月刊ココア共和国 投稿詩
吹き抜けの上の高いところに開いた幅三〇センチメートル高さ一八〇センチメートルの縦長の窓天空のまん丸い月がちょうどその幅に収まっている長い耳のうさぎが餅つきする大きな明るい月その手前を透き通るヴェールのような薄墨色の淡い雲が通り過ぎる里に帰る月の姫が乗るには儚すぎる雲はらはらと涙を落とすかのような雨を降らすには薄すぎる雲仰ぎ見る貴公子がひょうと鏑矢を放ち射落とすには軽すぎる雲長い耳のうさぎが夜の夢を . . . 本文を読む