斎藤環「世界が土曜の夢なら―ヤンキーと精神分析」角川書店。なるほど、この視点はあり、面白い、と思わせるが、読み終わってみると、もうひとつ、充実感が不足、みたいな。ヤンキー度を測るモノサシとしての「本宮ひろしテスト」とか、う~ん、なんかキレがイマイチみたいな。
斎藤環氏は、本業の精神科医の立場で書いている時はそうでもないが、文学批評とかの方面の時はとくに、なんか、文章がすべってる感じがするんだよな。なんていうか、コピーライター力みたいなところかな。前に読んだ「社会的うつ病の治し方」に出てくる「人薬」という言葉もすべってると思う。
いや、もちろん「『社会的うつ病』の治し方」は、斎藤環氏本業の方の部類で、好著。全体としては全くすべっていないと思うが、この「人薬」という言葉自体はなんというかな。要は人間関係であって、それが肝要なことは改めて言うまでもないというか。
ところで、「世界が土曜の夜の…」は、アマゾンで新刊が出ていない。先週も出ていなくて、中古を買った。今検索したが、今日も新刊がないようだ。かなり評判になっているようだが、増刷されていないのか?何か差しさわりがあったのだろうか?キムタクをヤンキーというのはタブーだとか?
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