MOEという雑誌は初めて買ったが、白泉社か。山岸凉子の「日出処の天子」が載った「LALA」は、結婚した当時まで毎月購入していた。
今回は、もちろん、「谷川俊太郎の~」ということで買ってみた。
こうしてみると、絵を描かない絵本作家として、谷川俊太郎は、出版点数からいって有数の作家ということになるんじゃないか。図書館の本棚に、谷川の絵本はずいぶんと並んでいる。特集の冒頭のページにも、次のように記されている。
「これまでに手がけた創作絵本は半世紀でおよそ190冊、翻訳絵本を組み合わせると400冊近くになります。」
『マザー・グースのうた』は、特集で紹介されているので、この内に数えられているのだろうが、『スヌーピー』のシリーズは入っているのだろうか?どうなんだろう?翻訳家としては、代表作ということになるのだろうが、コミックであって、絵本という枠では外されるだろうか。
福音館書店の「かがくのとも」シリーズの話も、そうだったのか、と興味深いが、ロングインタビュー「5人の作家と作った5冊の絵本」で取り上げられた5人のことはここで取り上げておきたい。1970年代の作品たちである。
「今も読み継がれるロングセラー絵本を共作した特別な5人の絵本作家、長新太、和田誠、瀬川康男、堀内誠一、元永定正との仕事を紹介します。」(15ページ)
長新太は『わたし』(「かがくのとも」福音館書店1976年10月号)、和田誠は『あな』(「こどものとも」福音館書店1976年11月号)、瀬川康男「ことばあそびうた」福音館書店1973年、堀内誠一『マザー・グースのうた』(草思社1975年)、元永定正『もこ もこもこ』文研出版1977年)。
実は、昨年9月、リアス・アーク美術館の方舟祭に参加、朗読パフォーマンスを行った際、真紀さんの読み聞かせで、絵本2冊をとりあげた。『へいわとせんそう』ブロンズ新社2019年、『せんそうしない』講談社2015年である。いずれも80代になってからの作品となる。
「『へいわとせんそう』はできるだけシンプルにしたかった。シンプルだけどデリケートな何かがNORITAKEさんの絵の中にあるからと、メッセージは入れたくない、それを出さずに戦争反対的なものを書く、みたいなことをやりたいわけですから」(29ページ)
言うまでもなく、言葉で明示されたメッセージは書かれなくても、メッセージは明らかに伝わる、そういうふうに谷川は書いているわけである。
会場での真紀さんの朗読においても、ひとりひとりの観客に充分に伝わったようである。
ちなみに、ここに紹介した谷川の絵本は、すべて気仙沼図書館にある。今時点で確認はしていないけれども、間違いなくあるはずである。
この号のモエでは、谷川の特集の外、ダンサーで俳優の森山未来のインタビューとか、赤毛のアンの翻訳70周年の特集など掲載され、久しぶりに写真や画像がたっぷり載った雑誌を楽しませてもらった。
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