ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

 海崖

2012-03-07 00:19:07 | 震災後

未明からの雨がほとんど上がって
午前
ごろごろした玉石が自然に防潮護岸となった海岸

一年前には
サーファーが通っていた石浜
舗装路は半ばはがれたまま
泥のぬかるみのわだち

波は荒く
白い波頭が砕ける
左手向こうの海崖沿いに
白い波頭が駆けのぼる
龍のように
押し寄せる波と
表土と植生を削られたばかりの土色の崖との
精妙な角度の成す動線
砕けた白い波が駆けのぼる
龍のように

海崖はずっと土色に削り取られている
まだ草も生えない
松はもちろん未だ

三月
今日は少し
暖かい


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