ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

強くあること

2013-05-19 23:42:55 | 嫌いだ嫌いだ
人間強くなければ生きていけない
(そのあとに やさしくなければ生きている資格がない と続くのだがそれはさておき)
弱肉強食
強いものが生き延びる
弱いものは淘汰される

最後には強い個体群が残り
つまりは残った個体たちは全て強いものだけとなる
それでめでたしめでたしとなる
みんな一様に生き延びることがかなう

人類の歴史で
そうとうの時は経たから
いまは弱者は淘汰され尽くし
一様な強者のみが残っているはず

そうなのか

そんなことはないよな

つまり
つねに何処まで行っても
2割の強者がいて
2割の弱者がいる
(ふつうが6割)
弱い2割は淘汰される
比較的の弱者が常にいて
その2割は淘汰されつづける

座標軸は時代と共に浮動する
漂泊する
不動の座標軸はない

常に悪を征伐する不動の正義の味方は存在しない
正義の味方も浮動する

あるときは正義
あるときは悪

強者が正しいわけではなく
かといって
常に弱者が正しいわけでもない

進歩しなければいけない
というドグマ
がひとを苦しめる
ひとを殺す

かといって
停滞がひとを明るくするかと言えば
そんなこともない
希望を失う
という絶望的な状況のこと
ともいえる

進歩すべきなのか
進歩など唾棄すべきなのか

ぼくらは
強くあるべきなのか
弱くあるべきなのか

血液は流れなくてはいけない
呼吸は止まってはいけない
代謝は続く

食べることは止められない
他の生命を摂取せずには生命を永らえることができない

善は悪だ

ぼくらは
生き延びられる程度には強くなければならない
弱いものは生きている資格がないのか?

わたしは
強くなりたい
わたしは
強くありたくない
わたしは
弱くなりたい

わたしは
生きていたい
わたしは
とくだん
生きていたくはない
わたしは
死にたい
わたしは
死にたくはない

子孫は
つねに
子孫を残した先祖の子孫だ
これは冷徹な事実
子孫を残さずに死に絶えた人間の子孫はいない

われわれは
つねに
子孫を残した先祖の子孫だ

だからわれわれは希望だった
そしてわれわれは希望を残す
残そうとする

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