青年の場合
何処に行けば
幸福に逢えるだろう
何処に行けば
暖かな暮らしがあるだろう
独りであてのない限りのない道を歩き続けて吹きすさぶ冷たい風をあびてふと気づくときらきらと結晶の雪が舞っている
何処まで歩けば
幸福に逢えるだろう
何処まで歩けば
暖かな女の胸に辿り着けるだろう
少女の場合
何時になれば
幸福に逢えるでしょう
何時になれば
暖かな生活に出会えるかしら
暖かな暖色の部屋の机に向かって独り日記を書き綴って夢見ながら窓の外の風の音を聴き舞い降りる雪を見ている
何時まで待てば
幸福に逢えるでしょう
何時まで待てば
暖かな青年の胸に抱かれることができるかしら
老年の場合
今ここ
暖かな室内でときめきを遠く過ぎて夢見がちに永い眠りを夢見て