ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

場所

2011-06-10 21:26:17 | 寓話集まで

場所はあるのです
震えているのです
知らず知らず病んでいるように
みんな震えているのです

舞い上がるように
確かな地面に立ちながら
奥の奥 底の底は
みんな震えているのです

震えなければ
寒くて寒くて
みんな凍えてしまいます
場所も消えてしまいます

あからさまな電気のきらめきは
奥の奥 底の底に封じ込めて
あからさまなはじまりの爆発は
未知の彼方に忘却して
じっと
温もる体温を保持しているのです

みんな震えているのです
確かな地面に立ちながら
知らず知らず病んでいるように

みんな震えているのです

場所はないのです
どこにもないのです
そこにもここにもないのです
冷たく透き通った水の底が視えるように
美しい旋律の個々の音符が際立つように
くっきりと粒だつ目に視えない微細な震え


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2 コメント

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寓話集に ()
2011-06-10 21:37:00
寓話集掲載のうち、3編、ここに未掲載だった。実は、宮城県詩人会のHP
http://blogs.yahoo.co.jp/miyagikenshijinkai

のニュースに載せてくれたんだけど、わざわざ各詩編にリンクを張ってくれた。そこで、未掲載と連絡があった。てっきり、全てアップ済みと思いこんでいた。有り難いこと。
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この詩は ()
2011-06-10 21:40:19
この詩は、中村雄二郎です。(中村雄二郎作という意味ではありません。彼の所説に基づいたというか、インスピレーションを受けたというか。)
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