ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

霧笛第2期第36号〈編集後記〉

2015-12-30 22:04:32 | 霧笛編集後記

〈編集後記〉

◆石津ちひろさんから前号について「千田さんや西城氏の作品にはいつもながらの安定感が備わっており、うんうんと頷きながら、読ませていただきました。今回特に印象深かったのは、熊本吉雄さんの「下足札漂流記」と菊池さかえさんの「たわいもない話」でした。前者にはかつての日本映画を彷彿とさせるような懐かしさと情感が漂っていました。そして後者には、仲睦まじい姉妹の様子を俯瞰させてもらっているような臨場感がみなぎっており、思わず引き込まれてしまいました」とメールをいただいた。「ふっと感じたことをさらりと書かせていただきました。」とのことだが、いつもながら有難いことである。

◆今号は、震災の記憶特集とした。熊本さんの提案である。私としては、21号以降はすべて被災地における震災以降の詩となっているわけで、あえて、特集と銘打つ必要があるかとの思いもあった。しかし、時がたち、自ずからの経過として直接には震災と関わらない作品も増えてきてはいた。震災という未曽有の経験のあとではあり、一見そうとは見えなくても、どこか深いところでその体験は作用しているはずではあるとしても。4年半を経過した現時点で、特集とする意義はあるものかもしれない。ただ、震災の経験には、ずっと途切れることなく晒されてきたのであるから、単に「震災特集」というのは少し違う。記憶という言葉をつけ加えて「震災の記憶特集」としてみた。もういちど、顧りみて記憶として捉えかえしてみる、というように。

 熊本さんは、11年以降発表のの短歌から、改めて年代順に並べられた。良子さんは、直後の21号の作品を、書き換えられた。菊池さんは、前々号の作品を再掲された。あとの同人は、新作を書いた。それぞれの思いの中で、この4年半の時間を捉えなおしたということだろう。

◆次回の例会は、内輪の朗読会を兼ねてということとなった。広く来場を呼び掛けるかたちもあり、なのだが、まあ、ここは地道に大きな負担のないかたちでということで。いつもの沢田のサンモリ館で、12月1日(火)午後6時30分からということになる。まだ、あまり詳しいプログラムなどは決めていない。行きあたりばったりということになるだろう。

◆唐桑の半造レストハウスの遠藤誠司君が同人に加入したいとのことだが、今回は作品が間に合わなかった。我が友熊谷門の女婿である。長女の羊ちゃんの夫。絵描きでベーシストで髪が長く髭を伸ばし毛糸の帽子を被ったりしている。ふむ、こうして書くと、門とキャラクターが被る。次号からということで楽しみにしている。門は、いま、九州で、音楽活動に精力的に取り組んでいるらしい。

◆年が明ければ還暦。先日ふと気付いたが、昔風に数えでいうとすでに60歳となった。7月に誕生日で満年齢59歳は意識していたが、数えで、とは考えなかった。

◆正典さんは、退職してもお忙しいようでお休み。12月には、マンドリンのプレクトラム・アンサンブルの定例のコンサートもあるらしい。

◆川戸富之さんはしばらく休会なさる。


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