ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

内田麟太郎詩集 長野ヒデ子絵 まぜごはん 銀の鈴社

2016-11-28 22:56:19 | エッセイ

 ハードカヴァーの上製本の表紙に、長野ヒデ子さんの愉快な絵。なんだろう、グリーンピースとたけのこと、たぶん、油揚げと鶏肉は入っているまぜごはんを山盛りに盛ったご飯茶碗は、真っ赤なほっぺたで笑っている。あったかいまぜごはんをこれから誰かに提供し、食べてもらえる、それがしあわせなのに違いない、その幸せに満足しているかのような茶碗の笑顔。

この愉快な表紙は、この本を手に取ってしまわせる不思議な力を持っていると思う。何か巨大な力、と言ってしまいたいような。

実は、この表紙をめくると、長野ヒデ子さんの手描きのイラストとメッセージ。

 「詩人の館長さんはまぜごはんでげんきげんき」と。

 恐縮なことであるが、確かに、私も元気元気、となる表紙と見返しである。

 で、内田さんの詩であるが、冒頭の「おひさま」。

 

まあるいおなかの

おんなのひとがあるいてくる

おなかのなかにあかちゃんをかかえて

であったひとはおもわずほほえむ

(おめでとう)

 

そうか

あかちゃんは

みんなおひさまなんだ

まあるいおなかから

まあるくひろがっている

あったかいひかり

 

おかあさんが

おひさまをかかえてあるいてくる

ああ おひさまがわらっている(全編)

 

 これもまた幸福。笑って、微笑んで、人間が元気になる。

 本吉図書館のブックモービルは「おひさま号」。なかがわちひろさんとコヨセジュンジさんの絵本から「おたすけこびと」が描かれている。この「おひさま号」というなまえは、我が図書館のスタッフが一所懸命考えて名付けたもの。

 おひさまは、あったかくて、ひとをえがおにして、しあわせにしてくれる。

 あったかくて、ひとをしあわせにしてくれるものが、ここで、ぐるりとつながっている。

 有難いことである。

 


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