ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

なかがわちひろ すてきなひとりぼっち のら書店

2021-08-05 12:01:02 | エッセイ
 地元三陸新報7月23日付けに「気仙沼図書館の夏休み拡大版おすすめ本」ということで掲載されているなかに、なかがわちひろさんの新作『すてきなひとりぼっち』も紹介されていた。今年、2021年5月30日刊である。
 なかがわちひろさんは、このブログで、『天使のかいかた』、『おまじないつかい』の2冊を紹介している。
 今回は、小学校低学年と思われるめがねの男の子、一平くんが主人公。
 さて、どこからどう紹介しようかなと考えていたら、発行元のら書店のフェイスブックを発見、なかがわさん自身もメッセージを寄せられていた。

「一平くんの小さな発見を、あたたかく描いた作品です。
なかがわさんからはこんなメッセージをいただきました。
「じつは、だれでもみんな、ひとりぼっちです。
そして、ひとりぼっちのときに、宝物をたくさんみつけます。
ほんとですよ。
あなたも、たしかめてみてください」
くすっと笑えて、あたたかな気持ちに包まれる一冊、ぜひご覧いただければ幸いです。」(2021年4月26日付け)

 なかがわさんの作品は、いつもあたたかくて考えさせられて、ちょっと感動してしまう。今回もずっと、あ、いいな、あ、いいな、というシーンの連続で、最後の夜明けのシーンも、やっぱりいいな、と少し涙ぐむ具合だった。
 色調は、基本的に青。明るい軽い青から、ほとんどグレーの暗い青まで、様々な階調の青がページごとに割り振られ、それはもちろん一平くんの心象の色合いで、ところどころに薄い黄色とほんのちょっとだけピンクがあしらわれている。絵も文章も、なかがわさんご自身の手になる。
 絵の得意な一平くん、ひとりぼっちだけどひとりぼっちじゃない一平くんは、小さい頃のなかがわさん自身でもあるんだろうな。男女は問わず。
 ところで、のら書店という出版社名は、野良ネコの〈のら〉、野良仕事の〈のら〉だろうけど良い名前だと思う。

 




最新の画像もっと見る

コメントを投稿