ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

星 霧笛第126号から

2018-08-04 10:21:19 | 2015年4月以降の詩

流れていく

星が

蒼昏い天空の中枢を

一筋の光明として

月のない漆黒の天蓋の下

 

きらきらと瞬く恒星と

燃え尽きるまで燃え続ける流星

ひとのいのちを中点において

ほとんど永遠のそのさきまでながらえるものと

あまりにもはかなく数秒で消え去るものの対比

 

いずれにしろ

太陽の下

ほとんど白い青天の

明晰判明な知に曝された隠れ場のない世界とは対極の

 

暗く黒い天空を小さく穿ち

あるいは一切りに切り裂き

叡智を垣間見させる

恒星よ

流星よ

小さな恒星よ

小さな流星よ

身の程に輝け

 

豊満な太陽の光を逃れ

時に冷徹すぎる月の光からも身を隠し

 

微かに輝く

 

小さな星を


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