ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

家族の経済

2009-04-20 23:13:45 | 寓話集まで
父と母と子ども
子どもたち

子どもたちが父と母となり
その子ども
子どもたち

直線的な等質の世界の連続ではなく
網の目のような
異なったものたちの混合と継続

違う暮らし違う育ちの融合あるいは闘争
子どもたちは
その中で守られあるいは幽閉され
それからそれらを突き破って育つ

ああ今日は給料日
みたいな
ささやかな喜びを糧に

純粋に素直な思いやりに満ちた恋愛や
甘すぎて苦い情事
アルコール依存の暴力や
どうやらやりくりのつく安い給料
解決のできるあるいは解決のつかない
さまざまな事件や問題に満ちた
社会の中の家族

父は常に不在で頼りなく
母は常に過干渉でうっとうしい
そんな家族ばかり
ではない

さあ今日はみんなで
美味いメシを喰おう
みたいな
ささやかな喜びをシェアして

   ※

山田詠美の"PAY DAY!!!"(新潮社200
3年)を読んで
見開き一つで必ず一回賛嘆し
時には感涙を抑え
文体の魔法に寝取られながら

健全な家庭の成り行きを思慮り


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1 コメント

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これは山田詠美 ()
2010-02-12 19:38:35
 「ペイ・デイ!!!」読んで、インスパイアされた詩そのもの。
 世の中、いろんな家族があります。
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