ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

岡本真 ウェブでの〈伝わる〉文章の書き方 講談社現代新書

2016-12-26 14:24:04 | エッセイ

 岡本真さんは、アカデミック・リソース・ガイド株式会社(略称ARG) 代表取締役プロデューサー。ARGは、図書館とか情報に関する出版、コンサルティングの会社と言えばいいのかな。同名のアカデミック・リソース・ガイドというメール・マガジンやライブラリー・リソース・ガイド(LRG)という図書館専門の雑誌の発行元でもある。

 会社として、図書館のみ対象ということではないはずであるが、起業していつのまにか、図書館の占める割合が大きくなってしまったということのようで、このあたり、私などもそうなのだが、引き寄せられてしまうというか、図書館というものの不思議な誘因力というか、魔力と言っても過言でないようなものがある。

 私の読んだ岡本真さんの著書としては、森旭彦さんとの共著の体裁をとる「未来の図書館、はじめませんか?」(青弓社)(http://blog.goo.ne.jp/moto-c/e/7dc0c5eb050825a97cbf53fa2c92dbb2)についで、2冊目ということになる。震災以降、何かとお世話になっているので、もっと読んでいる気になっているが、まだ2冊目か。

 岡本さんは、saveMLAKという被災地支援の活動を主導なさった方で、気仙沼にも何度もお出でになっている。

 MLAKとは、ミュージアム、ライブラリー、アーカイヴズ、公民館の頭文字を並べたもの。言うまでもなく、ライブラリーは図書館で、ミュージアムは、美術館を含む博物館、アーカイブズは、文書館。しかし、Kは、公民館は、KouminkanのKで、これは、英訳がないのかもしれない。(上の「未来の図書館…」の紹介でもちょっと触れているが、ここを探求すると日本の地方自治の歴史を探るうえで面白い考察ができるだろう。閑話休題)

 博物館、図書館等の震災後の復旧に貢献なされた方である。

 国際基督教大学(ICU)から、ヤフーなどを経て起業されており、「YAHOO!知恵袋」の生みの親。

この本は、自身の体験をもとにした「ノウハウ」、「ハウツー」が詰まった実用書である。 

 

「・仕事でウェブにちょっとした文章を書くことが多い人

 ・ウェブに文章を書きはするものの、ウェブの政策に直接関わっているわけではない人」

 

の役に立つのみならず、

 

「もちろん、ウェブのエンジニアやデザイナー、プロデューサーやディレクターなど、ウェブに直接携わっている方にも本書は役に立つはずですが、その場合は、あらためて気づくことによって役立つ、ということが多いかもしれません。」(3ページ まえがき)

 

 ご自分で携わった実例や、箇条書きの留意点も豊富で、私自身も、あらためて気づかされることが多かった。役に立つ本であった。

 

 ふつうに文章を書くのとは違う、ウェブならではのノウハウが満載の本である、と言える。具体的なことについては、本を手に取っていただきたい。


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