息子(千田遊人)が、こないだあたり、谷川俊太郎の絵本を、英語とインドネシア語に翻訳したといって、渡されていた。絵のない、翻訳案の言葉ばかりで、助詞でつながれた二つの単語を訳してみたということで、本格的な翻訳というわけでもないだろうし、まあ、悪くはないだろうなとは思っていた。
インドネシア語については、気仙沼図書館の本などで少々勉強して、NPO法人 地球対話ラボの渡辺裕一氏にチェックしてもらったらしい。
しかし、そういえば絵本そのものを見なくちゃなんとも言えないかと思って、図書館に行ってみたら貸し出し中で、ここ2回ほど、ちょうど昨日も行ってみて、まだ返却されておらず、まだ目にすること叶わずにいた。
今朝、休みであったが起き出して、映っていたテレビに目をやると、NHKの番組で谷川俊太郎氏がインタビューを受けている。
絵本「へいわとせんそう」についての話題であった。見るともなしに見ていると、ある見開きのページが映し出された。左右とも,とてもシンプルな線で描かれた同じあかちゃんの絵である。
そして、左のページには「みかたのあかちゃん」、右のページには「てきのあかちゃん」と、短いことばが記されている。
この画像が映し出された瞬間、大きな衝撃が走った。
とてもシンプルな言葉と、とてもシンプルな絵。その強烈な力。
そこで、はじめて、そういえば、こないだ息子から見てくれと渡されていた翻訳と結びついた。
渡された翻訳を見ると左ページの「みかたのあかちゃん」は"The Baby of ally"、右のページの「てきのあかちゃん」は"The Baby of enemy"とある。タイトルの「へいわとせんそう」は、"Peace and War"、冒頭の「へいわのボク」は"A Boy when in Peace"、「せんそうのボク」は"A Boy when in War"という具合である。
インドネシア語については、タイトルが"Damai dan perang"、「みかたのあかちゃん」は"Bayi teman"、「てきのあかちゃん」は"Bayi musuh"ということらしい。
もちろん、この翻訳は、息子が勉強に、とやってみて、内輪で見ているだけのものであるが、谷川氏と画家のNoritake(ノリタケ)氏の手になるこの絵本が、日本語話者のみでなく、広く手に取ってもらえるとなれば、素晴らしいことには違いない。特に、気仙沼は、インドネシアからの実習生の皆さんが大勢いらしている土地である。どうにか読んでもらえる形になれば、また、素晴らしいことではあるだろう。
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