中沢新一「大阪アースダイバー」講談社。これは実は経済学の本だった。考古学、歴史学、社会学、人類学と経済学か。大阪における、明治以前の日本の資本主義的蓄積。
中沢新一は、見事な文章家だ。颯爽とした見事な切れ味。言っていることは、まさしくその通りと思わされる。しかし、なんというか、さっとひとつステージが上がってしまった切れ味というか。われわれは、もう一段下のところでもがいているみたいな感じもつきまとう。
中沢新一の言っていることは常に正しいと思うし、面白いとも思う。本が出れば買って読んで、ためになったと思わされる。彼の言っている方向に、現在の日本の打開の方向があるとも思う。でもあまりに颯爽とし過ぎていると思ってしまうところもある。まだまだ学ばなければと思う。
「松下幸之助のような…若者たちは…商人がゼニを正しく動かす思想を忘れないでいれば、商人道は社会を豊かに富ませていく…という経営哲学を体得した…適正な利潤を確保して…「始末」をきちんとすることが基本で…最終的には私益を超えて社会全体の富の増大をめざす」大阪アース…115ページ。
「じつは日本特有のラブホテルなる施設とディズニーランドとの間には、隠された深いアースダイバー的関係がある。」(大阪アースダイバー202ページ)。
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