元聴導犬まつ君(13歳)のユーザーさんが1か月半ほど前から、(福)日本聴導犬協会の学院生寮に滞在されています。
沖縄から、(福)日本聴導犬協会が派遣したスタッフMAYUMIさんと、逃げるようにフェリーで来られました。その時には、まつ君を(福)日本聴導犬協会に預けたいとのことで、多くの説明がなかったのですが、これまでの10数年にわたるユーザーさんとのお付き合いで、何か、わからないけれど、SOSだなぁと感じました。今回は、その理由をご自身のFaceBookにアップされたので、有馬のブログにも載せさせていただきます。人生、いろんなことがありますが、協会はユーザーさんと寄りそいながら運営していきたいと考えております。
◆元聴導犬ユーザーさんからのFacebookから
「実は、まつ君は現在、(福)日本聴導犬協会の主治医である東京の赤坂動物病院に入院させていただいています。
終生家族でいると決めたまつ君を(福)日本聴導犬協会にお返した理由は2つあります。
ひとつは実父の事があったからです。
父が認知症の疑いが強いのですが、まつ君とけいちゃんとの暮らしを了解したはずなのに、数ケ月前からいきなり「捨てて来い!」と。
聴導犬を育て上げるのに、(福)日本聴導犬協会のスポンサーの方々や、子犬時代をみて下さったボランティアさん、スタッフさんなど、どれほどの人と経費がかかったかを説明したのですが、それを果たして、理解できているの か・・・??
父の思い出でも、子供時代に飼った猫の親子を、私たちに無断で親子ごとひそかに山の中に 捨てた前歴があるので、自分の留守中に留守番をしているまつ君を勝手に捨ててしまわないか、と心配でならなかったためです。
もう1つの理由に、1年ほど前からまつ君の首から胸にかけて、大きいゴブ(腫瘍)ができていました。
これも、(福)日本聴導犬協会のMAYUMIさんが沖縄に来た際に全身を触ってみつけた小さなしこりでした。昨年、赤坂動物病院の柴内院長に診ていただき、ゴブの一部を取り出し、細胞診として細胞検査をして“良性”でしたの で、觀察していましたが、
この1年で急速に大きくなってしまい、さすがに心配になり、さりとて、沖縄の獣医で は・・・と、
(以前、沖縄の獣医さんの投薬ミスで死にかけた事があったので)
悩 みました。日本聴導犬協会に相談すると、移動のための交渉を航空会社とすぐに行ってくれましたが、まつ君は引退犬なので貨物室でないと移送は無理と言われ ました。協会では、次にフェリー会社に交渉をしてくれました。本来は、引退した補助犬はペット扱いで、客室には入れてもらえないとのことでしたが、協会の 再再度にわたる交渉で、客室で一緒に大阪港 へ連れて来られました。フェリー会社さんに感謝しています。
バスや電車にも・・・引退犬は乗れないので、協会で車を沖縄に来る前に大阪港まで持って来てくれていたので、スムーズに長野までMAYUMIさんに連れて来てもらえました。
柴内院長先生がいらっしゃる日を赤坂動物病院に予約してもらえました。まつ君のことを、もう1度、 赤坂動物病院の柴内先生に診てもらいたいというのが、今回の一番の理由でした。
現 役時代と異なり、バスにもまつ君は乗せてもらえないので、協会車を出してもらい(ありがとうございます)、今月の17日からまつ君とけいちゃんを連れて年 に1回の健康診断の為に上京し、けいちゃんはまったく問題なしとクリアできたのですぐ戻りましたが、まつ君はそのまま入院となりました。
今回の入院は、有馬会長も予測していたことで、ユーザーである私の決断を事前にとってくれていました。
それでも、手術前に、柴内院長に時間をとってもらい、有馬会長の手話で、私に細かく説明をしてくださったので、24日に手術を決めました。
入院中のストレスを考えれば、できるだけ早いほうが良いそうです。
24 日当日から、有馬会長、MAYUMIさん、私、けいちゃん他5頭と、関西でのデモンストレーション、ユーザー訓練、大阪ろうあ協会文化祭と出張への同行で したが、道中有馬会長から赤坂動物病院に連絡をしていただき、深夜には柴内先生自ら、手術が終了しましたとい旨のご連絡がありました。
のどの部分だけでなく、腫瘍が見つかった脾臓の提出、首から胸にかけてのゴブ(腫瘍)は周辺の組織に深く絡みついてましたが、取り除けましたとの事でした。手術には、赤坂動物病院の主要三人の獣医師(柴内院長、晶子副院長、岡本先生)が担当してくださいました。
しかし、この1年で何故急に大きくなったのか? 家の中でのストレスのせいかもしれません。
原因がまだわかっていないので、しばらく要静観だそうです。
10日間の入院が必要との事でした。
ひとまずは、無事に手術が終えることができて、安堵しました。
私の滞在中に退院できるので、迎えに行こうと思います。
難 しい手術を執刀しました柴内院長をはじめ赤坂動物病院のみなさま、すぐにまつ君の移送や病院への予約申し込み、そして、手術費用も(福)日本聴導犬協会の 負担として「タカちゃん医療基金」をあててくださいました日本聴 導犬協会の有馬会長他、みなさまのご厚意に深く感謝致します。
いつも引退犬まつ君の応援をしてくださいましたみなさま、本当にありがとうございます。
謹んでご報告を申し上げます」
本人(まつ君)もしんどかったと思いますが、ユーザーさんもいろいろなご事情大変でしたね。でも、協会の皆様のお力添えがあると心強いですね。
ユーザーさんも体調に気をつけて頑張って下さい。
応援してくださるのって、嬉しいものですね。