ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

エアロスミス Aerosmith - Dude (Looks Like A Lady)(1987年の洋楽 Part50)

2023-12-21 22:59:27 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズもPart50となりました、50回目の記事はAerosmithの"Dude (Looks Like A Lady)"。最高位は12月12日からFROZEN CHARTの1988年1月2日付まで、4週連続の第14位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

Aerosmithですが、もちろんみなさんご存じですよね、アメリカを代表するロックグループです。

今でもほぼオリジナルメンバーで活躍するAerosmithですが、結成は70年代初めにまでさかのぼります。Steven Tyler、Joe Perry、Tom Hamilton、Joey Kramer、Brad Whitfordで結成。しばらくはライブを中心に活動、1973年にファーストアルバム『Aerosmith』をリリースします。

初めてのヒットは1975年にリリースした3枚目のアルバム『Toys in the Attic』。シングルの"Sweet Emotion"が36位と、初のTop40ヒットを記録します。続いて、この曲はファーストアルバムに収録された曲ですが、名曲"Dream On"がチャートを上昇、最高位6位の大ヒットとなります。

"Sweet Emotion"→"Dream On"のヒットは、当時高校生の私にとっては衝撃的な曲。魂の叫び、スティーブン・タイラーのボーカルに、荒々しいジョー・ペリーのギター、ロック少年たちの心を鷲掴みにした曲でした。

その後も、"Last Child"、"Walk This Way" などのヒットが続きますが、78年に最高位23位を記録した"Come Together"を最後に、ヒットチャートから姿を消してしまいます。"Come Together"はこちらをご覧ください→→→

その後は、ドラッグの影響で活動は低下、ジョー・ペリーはバンドを脱退、アルバムは出すものの、長い低迷時期に入ります。

復活の兆しは1984年、ジョー・ペリーがバンドに復帰、オリジナルメンバーがそろい、徐々に活動を活発化させてきます。

そして1986年、ヒップ・ホップグループRun-D.M.C.による"Walk This Way"が突如大ヒット、この曲は、驚くことに、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーが参加し作成されたRapバージョンでした。何がおこるのかわかりませんね、この曲のヒットをきっかけに、再びAerosmithに日が当たり、ついに、チャートに復帰したのがこの曲"Dude (Looks Like A Lady)"です。Run-D.M.C.バージョンの"Walk This Way"については、こちらをご覧ください→→→

"Dude (Looks Like A Lady)"の曲の作者はSteven TylerとJoe Perry、ソングライターのDesmond Childの3人の共作。Desmond Childといえば、ロック系のソングライターとして数々のヒット曲を世に送り出している人です。Bon Joviの"You Give Love a Bad Name"、"Livin' on a Prayer"も、彼が共作者に名前を連ねています。

この曲、実に10年ぶりのエアロスミスのヒット曲になりましたが、嬉しいことに、バンドの方向は変わっていませんでしたね。野性味あふれるスティーヴン・タイラーのボーカルにジョー・ペリーの荒々しいギターは健在です。
パワーアップして、さらに洗練もされ、エアロスミス、完全復活を告げるヒットでした。
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R.E.M. - The One I Love(1987年の洋楽 Part49)

2023-12-14 20:40:00 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart49は、R.E.M. の"The One I Love"。最高位は12月5日付の第9位。年間チャートは年度の途中になったからでしょうか、Top10ヒットになったにもかかわらず圏外でした。

R.E.M.ですが、アメリカジョージア出身のロックバンド。ロックのジャンルは詳しくないのですが、インディーズ・ロック、あるいは、オルタナティブロックバンドです。ハードロックでもなく、ウエストコースト、プログレ、サザン、どれでもない、80年代後半から、急にオルタナティブロックというのが出てきましが、その先駆者的なバンドになります。この頃から、私は新しい洋楽ロックを聞かなくなってきましたが、そんな頃に出てきた新たなロックのグループです。

結成は1980年代前半、アメリカのインディーレーベルから、1983年にデビューアルバムをリリース、その後も数枚のアルバムを出し、シングルのTop40ヒットこそありませんでしたが、アルバムチャートでは、30位台から20位台へと、だんだん人気グループになってきます。

そしてこの曲"The One I Love"ですが、彼ら5枚目のアルバム『Document』からのファーストシングル。初のTop40ヒットとなり、最高位9位を記録する、グループ初めてのヒットシングルとなりました。

"The One I Love"の曲の作者はBill Berry、Peter Buck、Mike Mills、Michael Stipeのメンバー全員、4人の共作。曲は、新しいロックを感じさせる一方で、60年代のロックに近いところも感じさせる、不思議な曲です。

古くはアニマルズ、70年代だとトム・ペティを思い起こすところもある曲ですが、それに新しい感覚を取り入れたロックになるのでしょう。

アルバム『Document』ですが、このシングルのヒットにより、最高位10位の大ヒットアルバムとなりました。さらに、90年代になってから、7枚目のアルバムがアルバムチャートではNo.1を記録するなど、90年代から2000年代にかけて大活躍する人気ロックグループとなります。
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カッティング・クルー Cutting Crew - I've Been In Love Before(1987年の洋楽 Part48)

2023-12-07 20:26:30 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart48は、Cutting Crewの"I've Been In Love Before"。最高位は11月21日付と28日付の第9位。年間チャートは1987年の97位。ギリギリ1987年の年間チャートに滑り込みました。

Cutting Crewですが、1985年に、イギリスのロンドンで、リードボーカルのイギリス人ニック・ヴァン・イードとリードギターのカナダ人ケヴィン・マクマイケルを中心に結成されたロックバンド。

1986年に、デビューシングルの"(I Just) Died In Your Arms"が、まずはイギリスで大ヒット、翌年の1987年にはアメリカでもチャートを駆け上がり、2週間の1位を記録する大ヒットになりました。こちらをご覧ください→→→

この"(I Just) Died In Your Arms"、心に響く素晴らしい曲でした。抒情的で、心に響くロックバラードでした。イギリス、アメリカをはじめ、日本など、全世界的な大ヒットになりました。

そしてこの曲"I've Been In Love Before"ですが、ファーストアルバム『Broadcast』からのセカンドシングルとしてリリースされ、アメリカで9位まで上がるヒットとなりました。一方で、イギリスでは最高位24位、何故でしょう?母国ではいまいちのヒットに終わりました。

"I've Been In Love Before"の曲の作者は、リードボーカルでバンド中心メンバーのNick Van Eede。この曲、心を打つメロディラインで、中でも、ギターの音色が心に響きます。1位になったデビューシングルも良い曲だとは思いましたが、こちらも負けず劣らずの名曲でした。

残念ながら、この曲が最後のTop10ヒットで、Top40ヒットはもう1曲ありますが最高位は38位、残念ながら、その後はヒット曲が出ませんでしたが、今でも活動を続けているようです。
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ポイズン Poison - I Won't Forget You(1987年の洋楽 Part47)

2023-11-30 20:09:10 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart47は、Poisonの"I Won't Forget You"。最高位は11月21日付の1週のみの第13位。年間チャートは圏外でした。

Poisonですが、1980年代前半に活動を開始したアメリカペンシルベニア州出身のロックバンド。グラムメタルバンドで最も人気のあるバンドの一つです。

デビュー後ペンシルベニア州からロサンゼルスに移動、1986年になって、デビューアルバム『Look What the Cat Dragged In』をリリースします。しばらくは人気が出るところまではいかず、アルバムからのファーストシングル"Cry Tough"は、Hot100以内には入れませんでしたが、セカンドシングルの"Talk Dirty to Me"で、ついに人気に火が付き、この曲は最高位6位を記録します。

"I Won't Forget You"ですが、この曲はファーストアルバムからの4枚目のシングル、曲の作者はメンバー全員の共作。
曲は、ハードなロックではありますが、ポップなところもある明るい曲でした。私としては最高位6位の"Talk Dirty to Me"よりも、この曲の方がお気に入りです。

アルバム『Look What the Cat Dragged In』は最高位3位を記録、アルバム年間チャートでも87年の13位となる、大ヒットアルバムとなりました。
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フリートウッド・マック Fleetwood Mac - Little Lies(1987年の洋楽 Part46)

2023-11-23 20:05:05 | '87年洋楽
1987年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart46は、Fleetwood Macの"Little Lies"。最高位は11月7日と14日付の第4位。年間チャートは51位。アルバム『Tango in the Night』から、この曲は3曲目のシングルですが、このアルバムから最もヒットしたシングルとなりました。

Fleetwood Mac、1987年にリリースされた、グループ5年ぶりとなる14枚目のアルバム、リンジー・バッキンガムと、スティーヴィー・ニックスの二人が加入した新生フリートウッド・マックのアルバムとしては、通算5枚目となるスタジオアルバムが『Tango in the Night』。そのアルバムから、ファーストシングルが”Big Love”で最高位は第5位、年間チャートは81位。セカンドシングルが、"Seven Wonders"で、最高位が19位、年間チャートは圏外。そしてこの曲がサードシングルで、最高位は4位の大ヒットとなりました。
いずれも私のブログで紹介しています。”Big Love”はこちらをご覧ください→→→
"Seven Wonders"はこちらをご覧ください→→→

そしてこの曲"Little Lies"ですが、私のブログには、Fleetwood Macの曲の紹介はこの曲で通算11曲目の登場となりました。やっぱりFleetwood Macの曲、良いですよね。
『Tango in the Night』からのシングルカットは、Lindsey Buckingham→Stevie Nicks→そしてこの曲がChristine McVie。バランスが良いですし、3曲とも、作者・ボーカル3人の個性が発揮されて、飽きさせない、さすがFleetwood Macという曲が並びました。

"Little Lies"の曲の作者はChristine McVieとEddy Quintelaの共作。Eddy Quintelaですが、キーボード奏者でソングライター、この曲が作られた当時のChristine McVieの夫です。最初の夫John McVieとは1976年に離婚し、2番目の夫となった人です。この"Little Lies"のほかにも、共作の曲があります。

Christine McVieのボーカルは、優しく穏やかなボーカル。ちょっと悲し気なところもあります。そんなボーカルにぴったりなこの曲、アルバムからは最大のヒットになったのもよく分かります。
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