ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

プリテンダーズ Pretenders - Don't Get Me Wrong(1986年の洋楽 Part50)

2022-12-22 22:01:11 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズも、今年最後の更新、ちょうど50回目となります。その50回目はPretendersの”Don't Get Me Wrong”。最高位は12月27日と翌週のFROZEN CHART1月3日付の2週間の第10位、年間チャートは92位。1983年に最高位第5位、年間チャート26位の"Back On The Chain Gang"以来の年間チャートに入るヒット曲となりました。

The Pretendersですが、アメリカ生まれのクリッシー・ハインドが中心となって1978年にイギリスで結成された、ブリティッシュ・ニューウエイブ・パンクロックバンド。クリッシー・ハインドは、ロック歌手になる前にはイギリスのミュージック雑誌記者やパンク系ファッション店の店員などの仕事を転々とし、その後ロックボーカリストとなった異色の経歴の持ち主です。

1979年にファーストアルバム『Pretenders』をリリース、母国イギリスで徐々に人気が出て、3枚目のシングル"Brass in Pocket"がイギリスチャートでNo.1を記録、アルバムもNo.1となります。人気はアメリカにも及び、"Brass in Pocket"は1980年の6月に最高位14位、ロングヒットで、最高14位ながら年間チャート41位に入るヒットなりました。

メンバーチェンジなどが重なり、一時低迷しますが、1983年のシングル"Back on the Chain Gang"、この曲はシングル単体で発売されたもので、イギリスでは最高17位と、いまいちでしたが、アメリカでは、前述のように、最高位5位、年間チャート26位の大ヒットとなりました。こちらをご覧ください→→→

3枚目のアルバム『Learning to Crawl』からは、ヒット後にアルバムに収められた"Back on the Chain Gang"を含め、3曲のTop40ヒットが生まれるなど、順調にヒットを重ね、続く4枚目のアルバム『Get Close』からのファーストシングルカットがこの曲”Don't Get Me Wrong”です。

曲の作者はもちろんクリッシー・ハインド。プロデュースはJimmy IovineとBob Clearmountain。Jimmy Iovineは、私のブログにも登場済みのプロデューサーです。Stevie Nicksの『Bella Donna』がJimmy Iovineのプロデュースです。Bob Clearmountainの方は私のブログに初登場でしょうか。プロデューサーというよりもエンジニア、David Bowieの『Let's Dance』のエンジニアを務めています。

この曲”Don't Get Me Wrong”ですが、Wikipediaによると、なんと、クリッシー・ハインドの友人の、テニスのマッケンローからインスピレーションを受けて作成した曲とのこと。”Don't Get Me Wrong”を直訳すると「誤解しないで」ですか、悪童と言われ、よく審判の判定に怒ってラケットを折っていたマッケンローですが、コートを離れると、とっても良い人だったとのことで、そんなことで「誤解しないで」なのでしょうか?

曲は軽快なポップロック、クリッシー・ハインドのボーカルも魅力的ですよね。
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ベン・E・キング Ben E. King - Stand By Me(1986年の洋楽 Part49)

2022-12-15 21:03:53 | '86年洋楽
今年も押し詰まってまいりましたが、1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズも49回目を迎えました、Ben E. Kingの"Stand By Me"。最高位は12月20日から、1987年1月3日の「FROZEN CHART」を含めて3週間連続の第9位。年間チャートは1987年の67位。元々は1961年のヒット曲ですので、26年後の再ヒットとなりました。
26年後の再ヒットと書きましたが、この曲は、1961年に最高位4位、年間チャート63位を記録したスタンダードナンバーです。

Ben E. Kingですが、アメリカノースカロライナ州出身で、1938年生まれのソウルシンガー・ソングライター。ソウルコーラスグループThe Driftersのリードシンガーとして有名です。The Driftersでは、数々の大ヒットを残しています。The Driftersの"Save the Last Dance for Me"は1960年の全米No.1ヒット、邦題「ラストダンスは私に」で、日本でもカバーされたりした大ヒットナンバーです。ある程度の年の人は聞いたことがあると思います。

The Driftersから、ソロになって、1961年にリリースしたのがこの曲"Stand By Me"です。この時の最高位は4位。Ben E. Kingは1938年生まれですので、この時まだ23歳でした。
"Stand By Me"の作者はBen E. King自身と、Jerome Leiber、Michael Stollerというソングライターの共作。この曲は様々なミュージシャンがカバーしている名曲です。

この曲、私が洋楽を聞き始めた以前から、ラジオなどで流れてきていましたので、メロディは知っていましたが、初めてこのメロディの曲が"Stand By Me"という曲だ、ということを知ったのは、1975年のJohn Lennonバージョンだと思います。1975年4月に最高位20位を記録したヒット曲です。

そして、Top40には、もう1回登場していまして、ジョン・トラボルタ主演の映画「Urban Cowboy」サウンドトラックに収録された、Mickey Gilleyバージョンが、1980年に最高位22位を記録、最高位22位にもかかわらず、ロングヒットで年間チャートも82位に入りました。私はこのカントリー系バージョンの"Stand By Me"が大のお気に入りです。こちらをご覧ください→→→

Ben E. Kingのオリジナルバージョンですが、1986年に公開された映画「スタンド・バイ・ミー」に取り上げられて再ヒットしました。映画は青春映画で私も見ました。映画の内容はよく覚えていませんが、大変評価が高い映画でした。映画とともに、ヨーロッパでは、リーバイスのジーンズのコマーシャルにも使われ、イギリスでNo.1ヒットとなるなど、全世界で大ヒットしました。日本でもCMなどでも使われ、大ヒットしましたね。日本でも多くの方々がご存知の曲です。


こちらはThe Driftersの大ヒットナンバー"Save the Last Dance for Me"、邦題は「ラストダンスは私に」。リードボーカルはBen E. King。日本では越路吹雪さんがカバーしたそうです。
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TOTO Toto - I'll Be Over You(1986年の洋楽 Part48)

2022-12-08 20:26:35 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart48は、TOTOの”I'll Be Over You”。最高位は11月22日付の第11位。年間チャートは99位、1986年のギリギリTop100に滑り込みました。

TOTOですが、1977年にロサンゼルスで結成されたアメリカンロックバンド。
ボズ・スキャッグスのバックバンドで有名になりましたが、デヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ルカサー、ボビー・キンボール、スティーヴ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイトと、バンド活動だけでなく、様々なミュージシャンのレコーディングに参加する、凄腕セッションミュージシャンが集結して結成されたバンドです。

バンド名のTOTOですが、日本のトイレメーカーTOTOが由来、との情報も一時流れましたが、結局それは間違い、確かな名前の由来ははっきりされていないようです。

そのTOTOですが、ファーストアルバム『TOTO』からのファーストシングルが"Hold the Line"、この曲は今聞いても新鮮ないい曲でしたが、いきなり最高位5位を記録する大ヒット。ファーストアルバムも最高位9位を記録する大ヒットアルバムとなります。

1981年のサードアルバムの『Turn Back』が、シングル・アルバムともヒットせず、心配しましたが、1982年にリリースした4枚目のアルバム『TOTO IV〜聖なる剣〜』が、バンドで最もヒットしたアルバムとなり、アルバムチャートでは最高位4位、年間チャートでも2年にわたってチャートインするロングヒットアルバムとなります。
シングルでも、"Rosanna"が最高位2位、そしてこのアルバムからの3枚目のシングル"Africa"で、ついにシングルNo.1を記録しました。

この曲"I'll Be Over You"ですが、バンド6枚目のアルバム『Fahrenheit』からのファーストシングル。この曲のリードボーカルはSteve Lukather。実はこのアルバムから、ボーカルがJoseph Williams、このひとつ前のアルバムからは、ベースがMike Porcaroに代わっていますが、この曲のボーカルはギターのSteve Lukatherが務めています。Steve Lukatherは最高位2位の"Rosanna"、10位の"I Won't Hold You Back"も、リードボーカルをとっています。抑え気味のボーカルが、この曲のような穏やかな曲にぴったりです。

曲の作者はSteve LukatherとRandy Goodrum。Randy Goodrumは、私のブログにも登場済みの人気ソングライターです。Steve Perryの"Oh Sherrie"や、Anne MurrayのNo.1ヒット"You Needed Me"、Michael Johnsonの名曲"Bluer Than Blue"など、AOR系の素晴らしい曲を書いた人です。

この"I'll Be Over You"ですが、皆さん気が付きましたか。バックボーカルにMichael McDonaldが参加しています。MVにもちゃんと出演していますね。


この曲ですが、Steve Lukatherが書いた曲だけあって、特にライブでは、ギター演奏が実にかっこいい曲でした。ライブ動画もありましたので、是非聞いてみてください。
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デビッド・アンド・デビッド David & David - Welcome To The Boomtown(1986年の洋楽 Part47)

2022-12-01 20:33:58 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart47は、David & Davidの"Welcome To The Boomtown"。最高位は11月29日付の第37位。Top40には3週間のみのエントリーでした。

David & Davidの"Welcome To The Boomtown"ですが、正直言ってこの曲は覚えていなかったです。日本では発売されていないのではないでしょうか。謎のグループのレアな曲ですが、コメントでもいただきまして、聞いてみたら、イントロからちょっと怪しげな雰囲気の、引き込まれるような曲でした。

David & Davidについてはあまり情報がないのですが、ロサンゼルス出身のロックデュオ。 メンバーはDavid Baerwald と David Rickettsの二人。そのまんまの名前のデュオです。
ロックデュオと言っても、両者ともスタジオミュージシャンで、ソングライター。デュオというよりも、ソングライター・チ−ムといった方がぴったりくるようです。

その"Welcome to the Boomtown"ですが、曲の作者はもちろんメンバーのDavid Baerwald と David Rickettsの共作。「Boomtown」ですが、「ブームタウン・ラッツ」というグループがありました。そう、ボブ・ゲルドフのバンドですね。「新しく繁栄する都市、新興都市」のことでしょうか。アルバム『Boomtown』からのシングルカット曲で、このアルバムからは3曲がシングルとなったようですが、Top40ヒットはこの曲のみでした。

David & Davidですが、アルバムはこの『Boomtown』の1枚で解散してしまいました。解散というよりも、このアルバムを作るために結成されたデュオ、と言った方が良いかもしれません。
解散後は、個々に、様々なアーチストに曲を提供するとともに、スタジオミュージシャンとして、今でも活躍しているようです。
Sheryl Crowの、1993年にリリースされたファーストアルバム『Tuesday Night Music Club』、このアルバムは大ヒットしましたが、このアルバムに二人でバックミュージシャンとして参加、曲も提供しています。


こちらがSheryl Crowのファーストアルバム『Tuesday Night Music Club』からシングルカットされ、最高位5位を記録した"Strong Enough"です。David & Davidの二人が曲づくりに参加しています。この曲はいい曲です。大好きでした。
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エディ・マネー Eddie Money - Take Me Home Tonight(1986年の洋楽 Part46)

2022-11-24 22:42:11 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart46はEddie Moneyの"Take Me Home Tonight"。最高位は11月15日付の1週のみの第4位。年間チャートは59位。Hot100には通算23週間滞在するロングヒットで、年度の途中ですが、年間チャートが上位に入る、Eddie Moneyの久し振りの大ヒットでした。

Eddie Moneyですが、デビュー前にはニューヨーク市警に勤めていたという話は有名ですが、警察官だったのではなく、事務員だったという話もあります。
そんなサラリーマン生活から歌手に転身、デビューは1977年、ファーストアルバムの『Eddie Money』をリリースし、そのアルバムからのファーストシングルカット曲が"Baby Hold On"、1978年に最高位11位、年間チャート67位の大ヒット曲となります。

この"Baby Hold On"ですが、それまでに聞いたことのないロックでした。78年のヒット曲を紹介した私のブログの記事を見たら、この曲のことを「只者ではない雰囲気を持った、怪しげな曲」と書いていました。デビューから、そんな衝撃的な曲でした。こちらをご覧ください→→→

その後、薬物の乱用で活動が停滞していた時期もあったようですが、アルバムはコンスタントに発表、シングルも、数曲をTop40に送り込みます。いずれも、Eddie Moneyらしい、特徴的なロックでした。1982年に最高位16位を記録した"Think I'm In Love"を最後にしばらくTop40から遠ざかっていましたが、1986年にリリースした彼の6枚目のアルバム『Can't Hold Back』からのファーストシングルカット曲のこの曲"Take Me Home Tonight"で、久々のTop40返り咲きです。

"Take Me Home Tonight"ですが、Mick Leeson、Peter Vale、Ellie Greenwich、Jeff Barry、Phil Spectorのいずれもソングライターチームの作品。この曲、Eddie Moneyのハスキーなボーカルが際立つ、爽快なロックです。

この曲は、なんといってもバックボーカルの Ronnie Spectorでしょう。バックボーカルというよりも、featuring Ronnie Spectorといっていいでしょうか。Ronnie Spectorは、60年代に活躍した3人組ボーカルグループThe Ronettesのリードボーカル。The Ronettesは、1963年に最高位2位を記録した"Be My Baby"の大ヒットで有名ですが、歌詞の中にも「Be My Little Baby ~ ♪」とあり、そこをRonnie Spectorが歌っています。MVにもRonnie Spectorが登場していますね。

アルバム『Can't Hold Back』のプロデューサーはEddie Money とRichie Zito。Richie Zitoですが、この後、特にロック系の数々の大ヒットを生み出す名プロデューサーになります。ざっと見ても、Cheap TrickのNo.1ソング"The Flame"、Bad EnglishのこれもNo.1ソング"When I See You Smile"、Heartの、こちらは2位止まりでしたが"All I Wanna Do Is Make Love to You"などの大ヒット曲を手掛けています。
Eddie Moneyですが、この後も、90年代にかけてTop40ヒットを出すなど活躍を続けます。


こちらがThe Ronettesの"Be My Baby"。1963年に最高位2位。私もこの曲は知っています。日本でもヒットした、スタンダートナンバーとも言っていい大ヒット曲ですね。
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